今回は、名古屋市役所様へオープンソースソフトウェアのWeb会議システム「Jitsi(ジトシ)」を導入した事例を紹介します。名古屋市役所の担当者様に導入の背景や現在の利用状況について伺いました。
システム導入の背景
コロナウィルス対策で大人数での打ち合わせが困難に
新型コロナウイルスに伴う緊急事態宣言を受け、名古屋市でもテレワークや分散勤務など対面での会議や打ち合わせが困難な状況となりました。しかし市民サービスにかかわる打ち合わせや会議は止めることができず、対応が必要となっていました。また、名古屋市は16の区役所と6の支所があり、集合して行う会議は移動時間がかかってしまうなど、職員の働き方改革という部分でも効率的な会議の在り方が問われていました。
第一波の緊急事態宣言中は、初めに職員自身でWeb会議システムを構築し利用していました。試行利用者から継続した運用を求める声があったことから、本格的にWeb会議システムを導入することとなりました。職員がシステムを設計・管理すると、その職員が異動した際に運用も終了してしまうもあるため、今回は外部に構築を依頼しました。
システム導入の条件やポイント
オンプレミス環境で、シンプルな運用
自治体では、国におけるネットワーク分離の方針からインターネットを使用したサービスの使用が困難となっています。そのため、庁内にサーバを設置して、インターネットを使用せずに運用できることが一番の条件でした。さらに、3万人を超える職員が誰でもWeb会議を活用できるように、ユーザ数や会議室の制限などがないことも重要視しました。会議室数やユーザ数の制限があると、利用したいときに使えない、利用できるユーザを管理者が都度調整しなければならないことがあります。そのため、利用者が利用をためらうことの無いようなシステムを望んでいました。また、ファイルの送受信ができるWeb会議システムだと情報漏えいのリスクも高まります。利用者も運用者もシンプルに運用できることを考えました。
デージーネットの印象や対応
独自のチューニング対応や、障害時も安心して利用できる環境を提供
今回は、利用者にできるだけ違和感なく、試行環境のWeb会議システムから移行してもらうため、試行中に独自に作成した環境情報を反映させる必要がありました。デージーネット様には、そのための対応や、機器障害に備えた運用方法、オンライン保守が実施できない環境でのメンテナンス方法の提供など、ユーザにとって必要となる情報やサービスをしっかりと提供いただきました。今後の運用フェーズにおいても、バージョンアップや機能追加などを実施いただけると期待しております。
Jitsiの活用方法
市役所内のユーザが自由に会議を開催できる
市役所内部の会議や在宅勤務中の職員との打ち合わせなどでJitsiを活用しています。1対1の打ち合わせや、市長・副市長をはじめとする幹部職員の会議、数十人単位での会議や説明会のほか、eラーニングの環境としても使用されています。市役所内で電話の代わりのように利用することもあります。
Jitsi導入の効果
感染症対策だけでなく働き方改革にも
会議のために各拠点から集合する移動時間が削減でき、移動時間に充てられていた時間に業務を進めることができています。大人数での会議など会場の確保が難しい場合も、Web上で開催できることは大きなメリットになります。また、外部のチャットツールと組み合わせることで、時間調整からWeb会議の実施まで、電話やメールを使わずにスムーズにできることも好評です。感染症対策のための密回避だけでなく、働き方改革にも活用していけると考えています。
Jitsiの使用感や感想
試行環境から違和感なく移行でき、利用者からは概ね良好な感想をいただいています。アカウントの管理無しですぐに会議を開始できるため、利用者も増加しています。オープンソースでありコミュニティ上でもいろいろなチューニング方法が提案や公開されているため、利用者がより使いやすくなるよう、デージーネットと相談しながら運用していきたいと考えています。
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