東京都府中市は、自治体DXの一環として生成AI『Microsoft 365 Copilot』を導入。職員による利用を促すため、300名の職員を対象に集合研修とeラーニングを組み合わせた3カ月間の研修を実施しました。その結果、実務で活用する動きが広がり、さらなる活用に向けた計画を推し進めています。
- 新庁舎への移転をきっかけに自治体DXを加速させる
- 全ての管理職を対象として『Copilot』のライセンスを付与
- ユースケースを交流する庁内コミュニティーも誕生
新庁舎への移転をきっかけに自治体DXを加速させる
東京都府中市(以下、府中市)では、2023年に行われた「おもや」と呼ばれる新庁舎への移転を機に、DXの基盤を整えるため、セキュリティを確保しつつインターネットアクセスの自由度を高めた新たな仕組みを取り入れ、SaaSが格段に利用しやすくなりました。
そこで府中市は、SaaS活用の一例として生成AIの導入を決定し、『Microsoft 365 Copilot』(以下、『Copilot』)を採用しました。『Copilot』はSaaSなので機能が常に最新にアップデートされる点や、職員が日常的に使っているWordやExcel、PowerPointといったソフトウェアに組み込める点などが評価されました。
全ての管理職を対象として『Copilot』のライセンスを付与
府中市は2024年4月、全ての管理職を含む300名を対象に『Copilot』を導入しました。しかし、生成AIを全く知らなかったり、ITに不慣れな職員もいるため、研修を実施しなければなりません。
このため府中市は、大塚商会が株式会社AVILEN(アヴィレン)と共同開発した『Copilot』の研修サービスを2024年7月から9月まで実施しました。この研修では、基礎から実践まで、さらには集合研修からeラーニングまで、あらゆるレベルや実施方法の研修プログラムが可能です。大塚商会は、生成AIや『Copilot』の概要を学ぶ「生成AIリテラシー研修」、『Copilot』の基本的な使い方をマスターする「Microsoft Copilot 活用研修」、庁内業務での実践的な使い方を学ぶ「Microsoft Copilot 実践研修」の三つのプログラムを職員へ提供しました。「生成AIリテラシー研修」と「Microsoft Copilot 実践研修」は全員参加の集合研修、「Microsoft Copilot 活用研修」は職員が自習するeラーニングでした。
ユースケースを交流する庁内コミュニティーも誕生
研修期間終了後のアンケートでは、「業務で『Copilot』を使ってみたくなった」といった回答が多く寄せられ、生成AIの必要性への理解が深まったようでした。また、eラーニングの「Microsoft Copilot 活用研修」は、研修期間が終了した時点で約6割の受講者が全プログラムの受講を完了しました。これは自習型のeラーニングとしては非常に高い割合です。
研修の効果によって、庁内業務における『Copilot』の活用も順調に広がり、市の広報紙に掲載する原稿の校正や議事録の作成などの活用事例が報告されています。また、Teamsを使った庁内コミュニティーが立ち上がり、それぞれの部局や課で試した活用方法を交流する動きも活発になっています。
府中市は、さらなる生成AIの活用促進を目的に次のステップへの展開を計画中です。そして自治体DXの一環として『Copilot』をさらに活用し、一層の業務効率化を進める方針です。
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