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街の活性化に必要な「新しい自治体職員像」

    街の活性化に必要な「新しい自治体職員像」

    【自治体通信Onlineレポート】自治体職員が選んだ“13人の輝く地方公務員”の肖像①

    全国の自治体から選出された13名の「スーパー地方公務員」の功績を称える表彰イベントが11月22日、都内で行われました。このイベントの様子のほか、受賞者の取組みや横顔を2回にわけてレポートします。地域を元気にした13名の受賞者の仕事ぶりとは?
     
    【目次】
    ■ 職員の“いい仕事”を称賛する文化を創出
    ■ 消えそうだった地元グルメを再興
    ■ 短期間で成果を出した独自の公民連携
    ■ 「輝く地方公務員」は“いいね”の声から生まれる

    職員の“いい仕事”を称賛する文化を創出

    この表彰イベントは「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード 2019」(運営:株式会社ホルグ、後援:一般財団法人 地域活性化センター、地域に飛び出す公務員を応援する首長連合など)で、地域に新しい価値をもたらした受賞者みなさんの仕事ぶりや実績に会場は驚きや感嘆の声であふれました。

    全国から集まった2019年の「スーパー地方公務員」と審査員を務めた過去受賞者のみなさん他
    全国から集まった2019年の「スーパー地方公務員」と審査員を務めた過去受賞者のみなさん他

    「地方公務員アワード」は、自治体職員の活躍を共有・拡散することで、地方公務員がより力を発揮できる環境を構築するため2017年に創設されました。『地味』『派手』を問わず、大きな成果を上げている職員が注目、称賛される文化を創出することにより、行政サービスの質が高まり、国民全員がその恩恵を享受できるようにすることを目的としています。

    候補者は自治体職員の他薦でエントリーされ、審査員は過去に同アワードを受賞した地方公務員が務めます。まさに「地方公務員の、地方公務員による、地方公務員のための」表彰だと言えます。

    消えそうだった地元グルメを再興

    2019年のアワード受賞者のひとり、越前市役所(福井)の波多野 翼さん(市民福祉部社会福祉課 主査)は、ご当地グルメ「ボルガライス」の人気を全国区に押し上げた“仕掛け人”。ボルガライスを普及・啓もうするため「日本ボルガラー協会」を設立し、ネットを通じて情報発信するなど、さまざまなプロモーション活動等を展開しています。
    (参照:「日本ボルガラー協会」のホームページ)

    「日本ボルガラー協会」のホームページ画面
    「日本ボルガラー協会」のホームページ画面

    ボルガライスとは、オムライスのうえにトンカツが乗っているボリューミーなワンプレートの洋食メニュー。協会設立当初は越前市内5店舗が提供していただけでした。しかし、波多野さんや協会メンバーの熱心な呼びかけやボルガライスを切り口とした独自のシティプロモーション活動などにより提供店舗は約20店舗に拡大。次第に人気に火がつき、ボルガライスを楽しみに越前市を訪れる観光客が増加するなど、地域活性化や地域ブランドの確立、関係人口拡大などに大きく貢献しました。

    波多野さんは「自分ひとりでは絶対になしとげられなかった成果です。協会メンバーや地元飲食店の協力はもちろん、このようなプライベートな活動を理解し、応援してくれる市役所の風土があればこそ、です」と振り返ります。そして「これからも“こんなことができたらいいな”と感じたことにチャレンジし、地域をより活性化していきたいですね」と抱負を語ってくれました。
    (参照:「『地方の可能性』を広げる13の取組み」)

    短期間で成果を出した独自の公民連携

    八尾市役所(大阪)の松尾 泰貴さん(経済環境部 産業政策課 係長)は、世界初のものづくりエンターテイメント施設として八尾市内に昨年8月オープンした「みせるばやお」の設立に中心的な役割を果たしたことなどから、地方公務員アワードを受賞しました。
    (参照:「みせるばやお」のホームページ)

    「みせるばやお」のホームページのトップ画面
    「みせるばやお」のホームページのトップ画面

    「みせるばやお」は、ものづくりの楽しさなどを子どもたちに伝えるワークショップや、コラボレーション、イノベーションの素地となる企業間交流を促すためのイベントを実施しています。設立当初の参画企業は35社でしたが、さまざまな取組み等が注目と賛同を集め、設立からおよそ1年が経過した2019年9月末現在の参画企業は114社に急増。来場者数も4万人を超えたほか、企業間コラボレーションは45件、うち8件は商品化され販売が開始されるなど、短期間で大きな実績を上げています。現在は「みせるばやお」から生まれたネットワークなどを下地に、公民連携による海外市場進出サポートにも取組んでいます。

    松尾さんに受賞の喜びの声を聞くと「たまたま受賞したのは自分ですが、市役所や地元企業、それにこの取組みを応援してくれた市民の皆さんが本当の受賞者。自分はみなさんの代表にすぎません」とコメント。そして「その気になれば、いろんなことにチャレンジできる地方公務員は、本当に可能性が大きくて夢がある仕事だな、とつくづく思っています」と話してくれました。
    (参照:「『地方の可能性』を広げる13の取組み」)

    「輝く地方公務員」は“いいね”の声から生まれる

    アワード表彰式の司会は、全国の自治体職員を結ぶ国内最大級の公務員ネットワーク「よんなな会」を主宰している脇雅昭さん(総務省から神奈川県庁に出向中)。公務員らしからぬ(?)たくみな話術で会場は大いに盛り上がりました。脇さんに「受賞者のように、自治体職員が仕事で輝くためにはどうすればいいでしょう?」と聞いてみました。

    地方公務員アワード2019の司会を務めた脇 雅昭さん(左、神奈川県庁 政策局 知事室 政策調整担当部長/政策局 未来創生担当部長)と昨年のアワード受賞者で元福井県庁職員の岩田 早希世さん(右)。現在、岩田さんは地元FM局の人気パーソナリティ
    地方公務員アワード2019の司会を務めた脇 雅昭さん(左、神奈川県庁 政策局 知事室 政策調整担当部長/政策局 未来創生担当部長)と昨年のアワード受賞者で元福井県庁職員の岩田 早希世さん(右)。現在、岩田さんは地元FM局の人気パーソナリティ

    脇さんは少しのあいだ思案して「受賞者のみなさんは“自分ひとりのチカラでは成功しなかった”と一様に言われていましたが、その通りだと思います。前例のない新しい取組みであればあるほどなかなか理解されず、チャレンジャーは孤独になりがち。そのため、途中であきらめてしまう場合も少なくありません。だからこそ、地域のためにという想いや情熱に“ソレ、いいね”と言ってくれる仲間の存在が本当に大きい。“いいね”と言ってくれる仲間が広がれば仕事で輝く地方公務員はもっと多くなり、仕事で輝く公務員が増えることで、日本全体がよりよくなっていくと確信しています」と答えてくれました。

    存在価値が高まる地方公務員アワード。ますますの盛り上がりが期待されますね。

    (全受賞者の顔ぶれと表彰された仕事内容を紹介したPART2「『地方の可能性』を広げる13の取組み」はコチラ)

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