

自身の経験等を通じて「自治体職員という生き方」を全力でまっとうするための、仕事ならぬ“志事(しごと)”のあり方、向き合い方を伊勢崎市職員・橋本 隆さんに語ってもらう本連載。今回はこの春から新しく自治体職員になった皆さんにお伝えしたいこと。初登庁日のドキドキ、ワクワクを忘れずに、やりたいことに挑戦しましょう!
入職後の「ドキドキ」「ワクワク」を大切に
新規採用職員の皆さん、この度はご入職、本当におめでとうございます。自分が選んだ道を歩んでいくことはとても素晴らしいことです。もちろん、入職後はドキドキ・ワクワクの連続。きっと、さまざまな期待や不安もあるかと思います。しかし、ぜひ思う存分、自治体職員としての充実した仕事やプライベート活動に取り組んでみてください。
全国の自治体では、職員数の削減が進んでおり、皆さんひとりひとりも地域を元気にする大切な存在です。皆さんが「公私ともに豊かな人生を送ること」が、個人だけでなく職場や地域にもよい影響を与える要素のひとつになります。

リフレッシュして「メリハリのある毎日」を
公務を進める中では、忙しい時期や残業が増える時期もあるかもしれません。配属された部署によっては、年間の繁忙期が決まっていたり、災害対応の最前線で活躍することもあるでしょう。まずは、上司や先輩に実務の要点を教えてもらいながら、何か分からないことがあったら周囲の人に相談して解決していくようにしましょう。
そして、仕事とプライベートの切り替えも大切です。仕事が終わったら、自分の「やるべきこと」や「やりたいこと」をする時間を大切にしましょう。子育てや介護など家庭での大切な役割のほか、旅行、読書、スポーツ、食べ歩き、資格取得など何でもよいのです。とにかく、今しかできないことに挑戦するのがいちばん。挑戦してみた結果、うまくいかなければ別の方法で再挑戦してみてもよいでしょう。
自治体職員が切り拓く「未来の可能性」
皆さんの中には、新卒ではなく、私のように他職種から転職した人もいるでしょう。昨今では、民間企業から公務員、公務員から公務員、公務員から民間企業など、さまざまな転職経験者が増えてきています。特に経験者採用職員の皆さんには、ぜひこれまでのご経験を活かしながら、新しい職場でもご活躍いただきたいです。多くの自治体では人員削減が進んでおり、経験豊富な職員による組織の活性化も期待されているからです。
そして、新規採用職員の皆さんにお伝えしたいことがあります。自治体職員は、任命権者からの許可を得た上で、さまざまな副業を行うことが可能です。この許可のことを一般に「営利企業従事許可」といいますが、例えば皆さんがプライベート活動を通して、報酬を得る社会貢献活動を行いたいと思ったら、職場の人事担当に相談してみましょう。その相談結果にもよりますが「公務員だからプライベートでの副業はできない」と考えず、ぜひ自分の「やるべきこと」や「やりたいこと」には積極的に挑戦してみましょう。

セルフケアや仲間づくりも忘れずに
仕事を進める中では、うまくいかずスランプに陥り、気分が落ち込むこともあるかもしれません。これから5月頃にかけては、活力がなくなってしまう「5月病」も心配されるところです。自分の気持ちが沈んできたと感じた時は、ぜひ心身をリラックスさせましょう。自分自身で行うケアのことを「セルフケア」※といい、リラクゼーション、ストレッチ、適度な運動、快適な睡眠、親しい人たちとの交流、笑う、仕事から離れた趣味を持つなどの方法があります。私は、まち歩きやジョギングで気分転換していますが、ぜひ皆さんも積極的にセルフケアをとり入れてみましょう。
そして、悩みを抱えた時には一人で抱え込まず、周りに相談したり、相談できる仲間と出会うことも大切です。公務員ならば無料で参加できる「オンライン市役所」や「一般社団法人行政エンジニア支援機構」に参加(会員登録)して、仲間づくりの幅を広げてみてはいかがでしょうか。私もこれらに参加しており、文末にあるようなオンライン講演予定があります。
私は今後も全国の自治体職員の皆さんへエールを送れるように、この連載「自治体職員の志事」でも情報発信を続けていきます。全国の自治体職員の皆さん、私も応援していますので一緒に頑張りましょう!
※:橋本隆著『これだけは知っておきたい! 技術系公務員の教科書』(学陽書房)P.136~137
~お知らせ~
橋本さんが登壇する自治体職員向けオンライン講演会のお知らせです。
➀「30分de土木基礎講座」(オンライン市役所 主催)
日時:2025年4月26日(土)22時~22時30分
※問い合わせは「オンライン市役所」まで
➁「行政エンジニアのゼロイチを支援する」(一般社団法人行政エンジニア支援機構 主催)
日時:2025年5月14日(水)19時~20時
※問い合わせは「一般社団法人行政エンジニア支援機構」まで