【自治体通信Online 寄稿記事】
三重県流「あったかいDX」の全記録~新卒入庁職員の成長ストーリー~ #6(三重県 デジタル社会推進局/同局職員・中濵 佑希乃)
今年からスタートする「デジタルの日」。今回は「あったかいDX」を掲げる三重県はどんな取り組みを「デジタルの日」にあわせて行うのかを紹介します。そして、入庁して初めて企画を担当した1年目職員が学んだ厳しさと喜びも…。“三重県版デジタル庁”に位置づけられる三重県デジタル社会推進局の新卒入庁職員・中濵 佑希乃(なかはま ゆきの)さんが住民目線に近いフレッシュな感性で“自治体DXの最前線”をお届けします。
今回お伝えする内容
全国の自治体の皆さま、こんにちは。三重県デジタル社会推進局デジタル戦略企画課の中濵です。
だんだんと涼しくなってきましたね。季節の変わり目なので体調を崩さないよう皆さまもお気をつけください。
さて、前々回および前回の記事では、ミッションである「あったかいDX」の実現に向けて、三重県デジタル社会推進局(以下、「デジ局」といいます)ではどんな業務をしているのかについて説明させていただきました。
(参照:「#4 ~こんな事業・取り組みをやっています!《2つの新型コロナ対応編》」「#5~こんな事業・取り組みをやっています!《アイデアボックス&5G促進策編》」
今回の記事では、「デジタルの日」に三重県は何に取り組むのか、その内容についてお話させていただきます。
「デジタルの日」って?
「デジタルの日」は、2021年9月にデジタル庁がスタートしたことに合わせ、デジタルに触れ、使い方や楽しみ方を見つける日として今年創設された記念日です。
今年は10月10、11日に実施されます。
今回は「#デジタルを贈ろう」をテーマとして、主旨に賛同した企業や団体による様々なイベントが開催されます。
▽国のデジタルの日のホームページ
https://digital-days.digital.go.jp/
三重県の「デジタルの日」
三重県では、コロナ禍で面会や旅行が制限される中、県民のみなさんがデジタルを活用することによって、あったかい気持ちを共有するとともに、デジタルが身近になることを目指して、Twitterを活用した取り組みを実施します。
名付けて『「#三重しか勝たん」で三重をうめつくそう! デジタル花咲かプロジェクト』です。
▽特設サイトはこちら
https://digital-days.mie.jp
「デジタル花咲かプロジェクト」の内容
Twitterで「#三重しか勝たん」というハッシュタグをつけて三重県のいいところや好きなところなどをツイートしていただきます。
ツイートには、なんと「惚れてまうやろ~!」でおなじみ、「みえの国観光大使」のチャンカワイさんから、AI音声でメッセージが届くことがあります!
お寄せいただいたツイートは、特設ホームページに掲載します。
また、今回のプロジェクトでは、携帯電話会社様にも協力いただいています。県内の携帯電話会社様の店舗にある大型モニターで、皆さんから集めたたくさんのツイートを見ることができます。
さらに、Twitterが分からない方には、携帯電話会社様が実施するスマホ教室などで操作方法を教えていただけます。
ちなみに、「#三重しか勝たん」で皆さんからいただいたツイートを花と見立て、多くの場所で表示することで、県内をあったかい気持ちの花でうめつくしたい!という想いで花咲かプロジェクトと名付けました。
参加方法・期間など
参加方法はとても簡単!「#三重しか勝たん」をつけて三重へのあったかい気持ちをつぶやくだけです! 県内はもちろん、県外、外国の方からのツイートもお待ちしております。
キャンペーン期間は10月1日~10月15日です。三重県にお住いの方は、お近くの携帯電話ショップに足を運んでみてください!
この連載を読んでいただいている県外にお住いの方で、三重の良さを知らないという方は、特設サイトを見て、三重のいいところを知り、今後の三重旅行プランを練ったり、「三重県のここが良さそう」的なツイートをしてチャンさんのAI音声のリプライを楽しんでみてください。
ちなみにデジ局のアカウントは以下です。是非フォローしてください!
https://twitter.com/digital_mie?s=11
特設サイトにも遊びに来てくださいね。
https://digital-days.mie.jp
正直な話…
正直、半年前、デジタルの日の企画を始めた頃は、企画というものが一体どれほど大変なことなのか全く想像がついていませんでした。
経験と知識が乏しく、業務の進め方も、予算の規模感も、今後のコロナの状況も、何ひとつ知らない・分からない状態でいくつもの企画案を考えては潰し、潰しては復活させ、また潰す、といったことを幾度となく繰り返しました。
「費用対効果が」「行政としての考え方が」「説明責任が」など今まで考えたこともなかった多くのことを初めて考えました。夜な夜な考えて数十個並べたアイデアがすべて却下だったときは、能天気な中濵もさすがにちょっと堪えました。
それでもたくさんの方に助けていただきながらなんとか企画を立ち上げ、何度もレクをして、多くの企業さんから情報を収集し、コンペを行い、やっと委託先の事業者さんが決まりました。
それ以降も、契約の事務や細部の調整に加え、次々起こるトラブルや予想外の出来事に対する対処、さらに県庁でのクラスターの発生や班員の保健所動員も重なり班員全員大忙しな日々でした。
キャンペーンはまだまだこれからですので振り返ってばかりはいられませんが、この場を借りてお礼を言わせてください。
アイデアをくださった皆さま、悩みを聞いてくださった皆さま、私生活を支えてくれた家族や友人、お忙しい中いつも丁寧に接してくださった協力企業の方々、この企画を良くするために本当にたくさんご尽力いただいた事業者の方々、本当にありがとうございます。
そして何より、頼りない中濵をいつも優しく助けてくださり、時には厳しく叱ってくださった、局長、課長、班長、班のメンバーの3人には本当に本当に、心から感謝しています。
心折れることなく何とかここまで来ることが出来たのは、ひとえにご指導、ご協力してくださった皆さまのおかげです。
皆さまと一緒に
「デジタル花咲かプロジェクト」のいいところは、デジタルが得意な人も、不慣れな人も、誰もが楽しめるところです。
AI音声のリプライを楽しむ、ツイートを楽しむ、スマホ教室に参加して楽しむ、「#三重しか勝たん」を読んで楽しむなど、様々な方が様々な方法で楽しむことが出来ます。
この企画がより多くの県さまの目に触れることで、三重県がもっとあったかくなり、一人でも多くの人にデジタルの良さを知っていただけたら嬉しいです。
そして、これからの三重県の未来をもっとあったかくしていくために、県民の皆さまと一緒にDXを推進していく、その第一歩になればいいなと思っています。
リレーコラム~局のメンバーによる「あったかいDX」とは③
コラムをご覧になられております皆さま、初めまして、森出 祐介(もりで ゆうすけ)と申します。武田さんからリレーコラムのバトンを受け取り執筆させて頂くこととなりました。
これまで寄稿をしております中濵・寳田・武田さんと同じ班に所属しています。私自身入庁して3年目で、武田さんと共に中濵のトレーナーをやっていますが、時間をコストと捉えて邁進し、圧倒的な成長を見せる中濵の姿を見ると、自分の身が引き締まる今日この頃です。
私は、「あったかいDX」について、デジタルに得手がある人もそうでない人もみんながデジタルをメリットとして幸せを享受できるようなものであってほしいと思っています。
良くも悪くもデジタルは道具のひとつであり、自身が意図して使うことでメリットを享受できる場合もあれば、意図せずともメリットを受けるときもあると思います。
ただ、知っていても知らなくても誰でもデジタルのメリットを受けて、幸せなあったかい気持ちになれるように、いち行政に携わる者として初心を思い出しつつがんばっていきたいなと思います。
さて、ここまで読んでくださった皆さま、ありがとうございました。
次回はデジタルの日を終えて、その感想や結果について書きたいと思っています。よろしくお願いいたします。
(「『デジタル花咲かプロジェクト』の振り返り《実施結果編》」に続く)
☆ 本連載の記事一覧
自治体通信への取材依頼はこちら
三重県 デジタル社会推進局のプロフィール
三重県デジタル社会推進局では、デジタル時代を生き抜くために、あらゆる人々が家庭・職場・地域それぞれの場所において、新しく何かにチャレンジできる時間を創出できるよう「みんなの思いを実現する『あったかいDX』」をミッションとして、「誰もが住みたい場所に住み続けられる三重県の実現」を目指し、圧倒的なスピードでデジタル社会形成を推進中。2021年4月創設。50人体制。
<連絡先>059-224-3086