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あなたの心はどんなタイプの乗り物?

    あなたの心はどんなタイプの乗り物?

    【自治体通信Online 寄稿記事】
    自治体職員のための心の運転方法 #6(寝屋川市 職員・岡元 譲史)

    寝屋川市(大阪)職員の岡元 譲史さんが滞納整理というハードな仕事を通じて得た経験、気づきなどをシェアする本連載。今回は“見えない自分の心”を可視化する方法について。落とし穴を避けたり、ぐんと一気に加速したり、たとえシビアな状況でも上手に「心をハンドリング」するための誰でもきる簡単なコツです。

    心の在り方は千差万別

    十人十色、千差万別という言葉があるように、ひとくちに「心」と言ってもその在り方はひとりひとり異なります。遺伝子的にほぼ同じはずの双子でさえ、成長につれて性格や立ち振る舞いに差が出てきます。豪快な人、繊細な人、いつもニコニコしている人、イライラしている人、同じ人間なのにこうも違うか? と感じますよね。

    また、ひとりの人に限った場合でも今と数年前とでは別人といってもいいぐらい心の状態が変化していることもあります。感情の波が激しい人なら朝と夜でもまったく違うし、下手したら5分後には真逆の状態になっていることだってあります。「さっきまで機嫌が良かったと思っていたのに、いきなり激昂された!」という経験、ありませんか?

    本連載ではこのように捉えどころのない「心」というものを乗り物に例え、その運転方法を学ぼう、うまく乗りこなせるようになろうという話をしております。基本的には「車」をイメージした記述となっておりますが、乗り物は「車」だけに限りません。自転車もあれば飛行機もあります。

    さて、今のあなたの心は、どんなタイプの乗り物ですか? イメージしてみてください。

    自分の心の傾向や状態を把握しよう

    ここでお伝えしたいのは、「どうせならポルシェに乗りたいな」とかそういう話ではなく、「自分の心がどんな傾向を持っているのか?」 また、「自分の今の心の状態はどうなのか?」ということを把握しておいた方が、心のドライブ、つまり人生がうまくいくのではないか、ということです。

    たとえば、今の私の心は、小回りがきく燃費のいい軽自動車のイメージです。加えて、一般的な軽自動車よりも車体の強度は強く、追突事故にあっても傷つきこそすれ大破するようなことはありません。操作は単純であまり難しくなく、ものすごいスピードが出るわけではありませんが、窓の外を流れる景色を楽しみながら心のドライブを楽しめるような、そんなイメージを持っています。メンテナンスもそれなりにされており、不具合が出た時にはすぐ修理できる。ある程度、自分の心の状態が把握できているように思います。

    ところが、昔の仕事が辛かった時期を思い返してみると、私の心は例えるなら「難破船」のようで、目的を見失い、広く暗い海の上を呆然と漂っている。そんな状態でした。当時の私はこのように心の状態を言語化していたわけではありませんが、それでも感覚的には心の状態を掴んでおり、「今は耐える時、潮の流れに身を任せて、陸地が見えるまで耐え忍ぼう」と考えていました。

    こんな風に、「自分の心は今、どんな乗り物に例えることができて、どんな状態なんだろう?」という問いかけをすることで、今の自分の心の在り方を客観視することができるかもしれません。

    皆さんの心の乗り物は陸海空のどこにいて、どんな大きさですか? 強度はどうですか? 操作は簡単でしょうか? うまく操作できていますか? 前回お伝えしたような「心の地図」は備わっていますか?
    (参照記事:心の地図を埋めていこう)

    目に見えない抽象的な「心」だからこそ、このように『具体化』してみることで意外な発見があるかもしれません。試してみてくださいね。

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    “見えない心”を具体化してみると…

    「自分が望む乗り物に乗れているか?」が重要

    「私の心は今、旅客機のように自由で、空を飛んでいるように身軽。障害物もないし、目的地まで一気に行けそうです」という方もいれば、「私のイメージはロードバイク。操作性は抜群で小回りが利いて、壁がないから色々な感情をダイレクトに受けられて『生きてる!』っていう実感がある。ただ、感受性が豊かになっているから、心ない誹謗中傷といった悪感情への対処が課題ですね」という方もいるかもしれません。

    どんな乗り物がいいとか悪いとかではなく、自分が望む心の旅をする(望むような人生を生きる)にあたって適切な乗り物に乗れているか? が重要です。

    「目指している目標があるのにハンドルがない車に乗っていて動かない」とか、「もっと周囲の人達に感謝するなど、周りも巻き込んだ方がより大きな目標を達成できそうなのに、ひとりだけプライベートジェットに乗りこんでしまっている」等、アンマッチな状態が起きていないか? をチェックしましょう。

    そして、もしも「自分が望むような乗り物に乗れていないな」と感じた場合は、乗り換えるか、カスタマイズすることをおすすめします。

    では、どうすれば乗り換えたりカスタマイズしたりできるのか? そのヒントは「既に自分が望むような乗り物に乗っていそうな人を参考にする」こと。次回は、素敵なモデルを見つけて参考にする「憧れ、リスペクトする力」についてお話します。

    (「【公務員として成長し続ける】“憧れ力”で心の乗り物をアップグレードする」に続く)

    ★ 本連載の記事一覧

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    岡元 譲史(おかもと じょうじ)さんのプロフィール
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    寝屋川市(大阪)経営企画部 企画四課 課長代理 兼係長
    1983年生まれ。2006年に同市入庁後、12年間にわたり、様々な債権の滞納整理に従事し、市税滞納額70%(約25億円)削減に貢献。2020年より現職。
    「滞納整理に価値を見出して伝えることで、受講者の不安や葛藤を取り除く」という独自スタイルによる研修を全国で実施し、6年間で延べ3,700人が参加。受講者が給食費の滞納ゼロを達成するなど、すぐに使えて再現性の高いノウハウを伝えている。
    執筆に「滞納整理のための空地・空家対策」(『税』2018年2月号)など。
    「地方公務員が本当にすごい! と思う地方公務員アワード2018」受賞。
    プライベートでは2男児の父。PTA会長を務めるなど地域の活動も行う。
    2021年5月21日に『現場のプロがやさしく書いた 自治体の滞納整理術』(学陽書房)を刊行。同書の印税は「全額、寝屋川市の発展のために使う」としている。
    <連絡先>okamoto.joji@city.neyagawa.osaka.jp

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