【自治体通信Online 寄稿記事】
自治体職員の「装合計画」#14(元東京都職員/イメージコンサルタント・古橋 香織)
元東京都職員でイメージコンサルタントの古橋 香織さんによる、見過ごされがちだった「公務員の装い」をテーマとした本連載。今回は(いい意味ではない方で)庁内で気になった他の人の装い。失敗は成功の母。公務員の装い版“他山の石”をお届けします。
公務員のみなさんにアンケート調査を実施!
みなさんこんにちは。イメージコンサルタントの古橋香織です。気持ちが張り詰めていた4月も終わり、少し緊張がほぐれる5月になりました。心の余裕と共に服装選びにも「これならOKかな?」という気持ちが出てきがちなのがこの季節。職場の洗練されたおしゃれは大歓迎ですが、なかには「!?」という服装で職場に出てきてしまう人も。
そこで今回のテーマは「思わず気になったしまった他の人の装い」! 私のLINE公式に登録されている公務員のお友達のみなさんにアンケートでご協力をいただきました。他の人の服なんて気にしたことないわ〜という人も、ぜひ今回の記事を読んでみてくださいね。
難しい!! 職場の服装論
あの人はどうして職場にあのような服を着て来てしまうのだろう…。
日々職場で過ごすなかで、こんな気持ちを抱いたことはありませんか? 私はあります。むしろ逆に、誰かにそう思われていたこともあるのかもしれません。
普段、私たちが何気ない気持ちで身に着ける服装や身だしなみ全般の心がけは、自分の考え方や信条を外部に示すはたらきがあり、相手とのコミュニケーションの土台を担っています。
ときには相手の服装が気になって話に集中することが難しくなったり、逆に自分が伝えたいことが伝わらないこともしばしば。しかも、それは自分では気づきません。その上、よほど何でも言える関係ではない限り、相手も指摘してくれません。
というわけで今回は、新しい仕事や人間関係に少しだけ馴染んだ5月にこそ知っておきたい「職場の服装への意識」について確認しておきましょう。
ただし、前提として職場の服装は「任意の協力」であり、特にハラスメントに対して慎重になるべき立場である自治体では「これはダメ」「こういう着方はNG」など声高に叫べない節があります。ですが、そんなときこそアンケートの声を参考にしながら、自分の装いについて考えを巡らせてみるのもなかなか楽しいのではないでしょうか。
「思わず気になってしまう他の人の装い」アンケート結果発表!!
何もお礼がないなかで33名の方からコメントをいただきました。本当にありがとうございました! 文字数の関係上、内容や表現が重複するものはまとめております。
問3:その人の装いのどんなところが気になったのですか?
- 着席時、スラックスがずり上がって足が見えていた
- ネクタイが曲がっていた
- ネイルの色
- 汚れていたり、サイズが合っていない服、毛玉
- ヨレヨレのシャツ
- 派手な色や柄
- 大きめなアクセサリー
- 保健師さんのネイル(保健師や福祉職のような人のケアをする職種は清潔感・信頼感と本人の望むおしゃれのバランスがとても難しい職種だとも思います。CWさんも該当するかもしれません)
- 白のスキニーパンツ、トップスは短いため、お尻が丸見え
- 髪色、アクセサリー、ネイル、柄、ずれてるかつら
- 短いスカートやノースリーブ
- 胸が開きすぎている服。ポケットにたくさん物を入れている
- スウェット風のトップス
- 下着やキャミソールが見える
- 普段着に近い服装
- だらしないパジャマのようなボトムスを履いていた
- カラーコーディネート(ネクタイとシャツなど)
- 季節感や温度感を考慮していない
- ベルトや革靴の色がスーツより高明度のため、悪目立ちしている
- アンボタンマナーを知らず、ジャケットのボタンを全部留めている
- タイト過ぎるスーツ
- クールビズ期間、首元から見える派手なネックレス
- 職場にふさわしくない腕時計
- 白や派手な色のソックス、またはくるぶしソックス
- 革靴がギョウザ靴
- 男性の肥満体型の方で、ワイシャツの前ボタンの間から下着が見えそう
- 女性の後ろ姿で、ブラジャーの上下にお肉がはみ出しているシルエットが見える
- 大きなアクセサリー、大柄なデザインの服、フンワリもしくはピタッとしたワンピース
- 靴紐がほどけていた
- ズボンのベルト穴にベルトが通っていなかった
アンケートから読み取れる、公務員の服装への意識
いかがでしたでしょうか。アンケート結果からは、
- 同僚の服装に対して疑問をいだくという行為は誰しもが経験していること
- 「だらしなく見えるもの」「露出過多なもの」「派手なもの」に対して負の感情を抱きやすいこと
- かといって声がけをするほどの行動を取った人は少ないこと
という結果を導き出すことができます。
特に興味深いのは問4の「その人に対して、何か働きかけをしましたか?」という質問事項です。ランチや飲み会の場で他人の服装についての話題は出ても、直接のはたらきかけとなってくるとハードルは大幅に上がります。人間関係がモノを言う公務員の職場ゆえ、服装の扱いはより慎重になるべき事項であるということもわかりますね。
ということで、普段なかなか話題にすることがない服装のNGまたはグレーなラインについて取り上げてみました。アンケートには少しの「心がけ」で解決する内容もたくさん含まれています。夏を迎えつつある5月に、今一度確認するきっかけにしてみてくださいね。
(「『税務担当の服装』について考える」に続く)
■ 古橋 香織(ふるはし かおり)さんのプロフィール
イメージコンサルタント/Color Commons 代表/元東京都職員
早稲田大学を卒業後、東京都庁に入庁。都職員時代は消費者行政や東京都議会議会局に勤務。在職中にイメージコンサルティングを学び、2020年1月に東京都を退職し独立。
2021年11月に『公務員男性の服~普通の服で好印象・信頼・清潔感は出せる』(ぎょうせい)を上梓。最近は個人のイメージコンサルのほか「公務員×服装」に関する研修を多くの自治体で実施している。色彩検定1級、UC級所持。
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