※下記は自治体通信 Vol.29(2021年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
「行政のデジタル化」はいま喫緊の課題だが、今般のコロナ禍で職員のテレワークが実践できなかった自治体も多く、対応の遅れが浮き彫りになっている。特に、庁内での電話対応の必要性を、テレワーク断念の理由にあげる自治体は多い。そうしたなか、電話交換機(PBX)のクラウド化を支援するアイルネットの各務氏は、「携帯電話の内線化が、自治体のテレワーク実現のカギになる」と指摘する。同氏に詳細を聞いた。
「電話対応」という問題が、テレワーク実現の障害に
―テレワークの導入をめぐり、いま自治体が抱える課題をどのように見ていますか。
昨年ぐらいから、多くの民間企業や一部の自治体からテレワーク導入の課題として、「会社・庁舎宛ての電話対応や、テレワーク中の社員への電話連絡に困っている」といった、電話に関する相談を受けています。いずれも会社・庁舎の電話が、固定電話中心の運用となっていることが原因です。そこから推察すると、いま多くの自治体が同じような状況にあるのではないでしょうか。業務用端末としてモバイルPCや携帯電話を職員に配付している自治体もありますが、この「電話対応」という問題が残る限り、それがテレワーク実現の障害になる状況に変わりはありません。
―どうすれば、この問題を解消することができますか。
現在、使用している業務用携帯電話を「内線化」すればいいのです。当社では、庁内にある電話交換機(PBX)をクラウド化することを提案していますが、この技術を活用することで、現在職員が利用している業務用携帯電話を内線電話として使うことができるようになるのです。その結果、職員は自宅や庁外にいながらにして、庁内にかかってきた電話を受けることができますし、発信時も庁内番号を使うことができます。これにより、庁内の固定電話機や電話回線数を削減することができ、通信コストの削減に寄与することもできます。
PBXをクラウド化することは、このほかにも大きなメリットがあります。
―どのようなメリットでしょう。
まずは、これまで数年毎に行われていたPBXの購入が必要なくなることです。また、クラウド化により、庁舎内においてPBXなどの重い資産を持たなくていいこともメリットとしてあげられます。機器のメンテナンスはリモートによって行われるものが主となりますので、運用の簡易化も図れるようになります。
専用アプリで、個人端末を内線化する方法も
―ただし、自治体によっては業務用端末を職員に配付していないところも少なくありません。
そうですね。テレワーク推進を目的に、いまから職員一人ひとりに携帯電話といった業務用端末を配付するにはコストがかかり、導入後の通信料も重い負担になるかもしれません。
その場合は、職員がすでに所有する個人端末を内線化する方法もあります。クラウドPBXの技術をベースに、当社が提供している専用のスマートフォンアプリ『iSmart』を個人端末にダウンロードすれば、内線電話として簡単に利用することができます。このサービスは、国内大手キャリアのほとんどのスマートフォンで利用できるのが特徴です。
―今後、どのように自治体を支援していきますか。
当社は、クラウドPBXのメーカーとして20年以上にわたり、多数の企業・自治体に導入いただいてきた実績があります。くわえて、24時間365日対応のサポート体制を敷いており、お客さまが安心して使えるためのサポートを充実させています。PBXのクラウド化やテレワークの導入に関心がある自治体のみなさんは、ぜひお問い合わせください。
各務 仁 (かがみ じん) プロフィール
昭和49年、東京都生まれ。大手通信事業者代理店などを経て、平成9年10月、株式会社アイルネットに入社。法人事業部営業第一グループリーダーなどを経て、令和2年より現職。
導入事例
株式会社JR北海道ソリューションズ
令和2年にJR北海道グループ2社の経営統合で誕生した当社は、オフィス集約に伴い、電話回線の整理とPBXの更新を決めました。同時に、業務用携帯電話の内線化を検討し、アイルネットのクラウドPBX『iスマートBiz』を導入しました。それにより、NTTドコモのオフィスリンクもより使いやすくなりました。広告事業とレンタカー事業を展開する当社では、本社執務室の社員全員にくわえ、北海道内の駅レンタカー各営業所、各営業所長の業務用携帯電話を内線化しています。これにより、会社への着信電話を在室か外出かにかかわらず、社員の携帯電話に内線転送できるようになったことにメリットを感じています。また、道内各営業所との通話が内線化されたことにより、通信費の削減にもつながりました。
株式会社アイルネット
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