民間企業の取り組み
学校における管理業務のDX
保護者との連絡をデジタル化すれば、学校関連徴収金の管理が円滑になる
日本ソフトウェアマネジメント株式会社
事業推進第1部 バイオグループ 横山 頌弥
製品企画 松井 瑞菜
※下記は自治体通信 Vol.41(2022年8月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
各自治体において、DX推進の機運が高まっている背景から、さまざまな業務でデジタル化が進められている。そうしたなか、自治体向けにシステム導入支援を手がけている日本ソフトウェアマネジメントの横山氏は「これまで手をつけられていなかった、学校関連徴収金に関する、学校と保護者の連絡業務についてもデジタル化すべきだ」と話す。その理由と適切な方法を、同社の松井氏も交えて聞いた。
給食費に関する管理業務が、教育委員会の大きな負担に
―学校関連徴収金をめぐる、学校と保護者の連絡業務をデジタル化すべき理由はなんでしょう。
横山 第一に、学校と保護者とのやりとりに齟齬が生まれているからです。通常、学校関連徴収金に関する連絡は、先生が児童生徒に通知書を渡す形で行われています。しかし、児童生徒が通知書を保護者に渡すのを忘れてしまったり、通知書自体をなくしたりして、学校が保護者に伝えるべき内容が届かないという事態が少なからず起こっているのです。
松井 さらに給食費に関しては、私会計から公会計化されたことで、学校ではなく教育委員会が管理することになりました。年間の給食費引き落とし日の事前連絡や、給食提供日の変更通知など、これまで各学校が保護者とやりとりしていた連絡業務を、教育委員会が域内の学校数のぶんだけ一手に引き受けることになるのです。さらに、課題はそれだけではありません。
―そのほかにどのような課題があるのですか。
松井 たとえば給食費の引き落としが不能だった場合、教育委員会がその保護者にお知らせをしなければなりません。通常のやりとりだけでも大変ですが、そうした業務が重なれば、業務負担はかなりのものになるでしょう。さらに、こうした連絡業務を行うために印刷および封入・封かんをしていれば、コストもかかってしまいます。
横山 当社は、学校および教育委員会と保護者の間で、デジタル化された連絡ツールがあれば、そうした課題は解決できると考えました。そこで開発したのが、『デジタル通知システム』です。
細かなやりとりが、デジタルで簡単に行える
―詳細を教えてください。
横山 運用としては、保護者ごとにマイページを設けてやりとりを行うシステムになっています。マイページが新しく更新されると、保護者にメールやSMSなどで通知が来るので、確実に情報を届けることができます。大きな特徴としては、当社が提供している学校給食管理システム『給食マネージャ』と、学校徴収金管理システム『徴収マネージャ』を連動させている点。これにより、給食費を始めとする学校関連徴収金の納入状況をまとめて保護者が確認できるのです。そのほか、事前の引き落とし日を月ごとに伝えたり、不能だった場合の連絡をしたりといった細かなやりとりもデジタルで簡単に行えるというわけです。
―ほかに特徴はありますか。
松井 口座変更や児童生徒の欠食情報といった、扱いが難しい個人情報の変更も簡単にできる点です。これは、保護者ごとにマイページを設けているからこそのメリットだと言えます。当然、保護者から学校や教育委員会への連絡もできるので、連絡ノートとしての役割も果たせます。
―自治体に対する今後の支援方針を教えてください。
松井 『デジタル通知システム』を提供していくことで、学校および教育委員会と保護者間における、確実かつスムーズなやりとりの支援をしていきたいと考えています。
横山 今後は、三者面談の予約機能といったコンテンツも実装していく予定です。このように、学校関連徴収金だけでなく、学校、教育委員会、保護者の間でさまざまなコミュニケーションの円滑化を図っていくことで、自治体におけるDX推進の支援にも貢献したいと考えています。ぜひ気軽に問い合わせてほしいですね。
横山 頌弥 (よこやま しょうや) プロフィール
平成6年、高知県生まれ。平成30年、日本ソフトウェアマネジメント株式会社に入社。AIの研究開発業務に携わり、現在はデジタル通知システムの開発を担当している。
松井 瑞菜 (まつい みずな) プロフィール
平成9年、神奈川県生まれ。令和2年、日本ソフトウェアマネジメント株式会社に入社。学校徴収金の管理システムを普及・拡大する業務に携わり、システム操作研修や新規製品企画を担当している。
日本ソフトウェアマネジメント株式会社