資産管理ツールとは、ハードウェア・ソフトウェアなどのIT資産や、物品・消耗品などのあらゆる資産を管理するツールのことです。資産管理ツールを利用することで、業務効率化につながるだけでなく、セキュリティ対策の強化やコンプライアンスの遵守、内部統制の強化にも効果があります。こうしたメリットから、近年は導入する自治体や企業も増えてきています。この記事では、ライセンス費用がかからないオープンソースソフトウェアの資産管理ツール「Snipe-IT(スナイプ・アイティー)」を紹介します。
資産管理の課題
最近では、組織内で管理するIT資産や機器が増加、複雑化しており、以下のような問題が起こりがちです。
管理業務の負担
庁内で何十台、何百台ものIT機器を所有している場合、管理者がExcelなどを使って手入力で管理するのには限界があります。手間と時間ががかるだけでなく、すべての資産情報を把握しきれなくなったり、入力ミスが起こりやすくなり、管理の正確性を損なうことも考えられます。庁内や組織内の資産の数を正確に把握できていないと、内部統制やコンプライアンスの問題にも発展しかねません。
情報漏えいなどのセキュリティトラブル
資産がどの場所にあるか、誰がその資産を利用しているかといった情報を正確に管理しきれていないと、機器の外部への持ち出しや紛失によって、個人情報などが流出してしまう恐れもあります。情報漏えいを防ぐうえでも、資産管理は必要不可欠です。
在庫切れや保証期間切れに気付けない
管理対象の資産が増えてくると、資産の残数や有効期限などを管理しきれなくなる可能性が高くなります。これにより、必要なときに機器が足りない、保証期間やライセンス期限が切れたまま使い続けてしまうといった問題が生じる可能性があります。
資産管理ツールを導入することで、これらの課題を解決することができます。
OSSの資産管理ツール「Snipe-IT」
Snipe-ITは、オープンソースソフトウェア(以下、OSS)の資産管理ツールです。PCやプリンター、マウス、キーボードといったIT機器のほか、ソフトウェアのライセンス情報、コピー用紙や文房具などの消耗品も、Web画面上で簡単に一元管理することができます。
特徴① ライセンス費用が無料
Snipe-ITはOSSであるため、ライセンスフリーで利用することができます。必要なのはサーバ導入時にかかる初期費用のみで、その後月額利用料やユーザ数ごとの追加料金は一切かかりません。そのため、職員数が多い自治体でもコストを気にせず安心して利用し続けることができます。
特徴② オンプレミス環境で使えてセキュリティも安心
業務で個人情報や機密情報のやり取りを行う場合は、安全性も気になります。特に官公庁や自治体では、セキュリティ方針からクラウドサービスの利用が難しい場合も多いです。Snipe-ITは、庁内LAN上にオンプレミスでシステムを構築することができるため、閉鎖環境下でも利用することが可能です。外部のサーバを経由しないため、情報漏えいなどのトラブルが発生するリスクを軽減することができます。
特徴③ アラート通知で更新忘れを防げる
Snipe-ITでは、あらかじめ資産の保証期間や数量などを指定しておくことで、時期が近付いたり残数が少なくなってきたら、アラートメールを送ることができます。この機能を使うことで、消耗品がなくなってから慌てて購入したり、保証期間切れのまま運用したりする問題を避けることができます。
特徴④ ユーザ情報や権限管理がしやすい
Snipe-ITのユーザ作成画面では、ユーザのIDや名前、メールアドレスなどの情報を簡単に登録することができます。また、ユーザ管理のActiveDirectoryやLDAPにも対応しているため、既存のユーザ情報と連携してユーザを登録することも可能です。さらに、Snipe-ITにログインできるユーザやグループごとに細かく権限を設定することもでき、情報を安全に管理することができます。
特徴⑤ WindowsPCの情報を自動取得できる
デージーネットで開発したOSSの「Snipe-PCView」と連携させることで、庁内のWindowsPCのメモリサイズやCPUのスレッド数、インストールしているソフトウェアなどの情報を自動で取得し、Snipe-ITへ自動登録・更新することができます。取得した情報を活用して、貸出すPCを検索したり、インストール禁止のソフトウェアがないかを確認したりすることが可能です。
デージーネットのサービス
デージーネットでは、お客様の利用環境やご要望をお伺いしたうえで、最適な資産管理システムの構築・導入支援を行っております。弊社でシステムを構築していただいた場合は、Q&Aやセキュリティの情報提供、障害調査を行う保守サービスにも加入することができるため、導入後も安心してシステムをお使いいただけます。
手軽に導入したい場合はアプライアンスサーバがおすすめ
デージーネットでは、Snipe-ITを「OSSアプライアンスサーバ」としても提供しています。
「OSSアプライアンスサーバ」は、OSにオープンソースソフトウェアを組み合わせ、ソフトウェアが既にインストールされた状態でご提供します。一からシステムを設計・構築する場合と異なり、すでに決められた機能だけを搭載してお渡しするため、納品後すぐにシステムを利用することができます。
導入費用をなるべく抑えたい、シンプルな機能だけですぐ利用したいといった場合は、アプライアンスサーバがおすすめです。
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