BYODは、個人で使用するデバイスをビジネスに活用することです。柔軟性や生産性向上が期待され、多くの企業や学校、自治体で導入されています。一方で、BYODにはセキュリティリスクや管理の難しさも伴います。
本記事では、自治体でのBYODの課題を踏まえ、安全なBYOD運用を実現するMDMの役割を紹介します。BYODとMDMを適切に組み合わせることで、デバイスのセキュリティを強化し、生産性向上が期待できます。BYOD管理・運用に課題を感じている方は、参考にしてください。
BYODとは?
BYOD(Bring Your Own Device)は、職員が所有するスマホやタブレットなどを業務に活用することです。使い慣れた環境で作業できるため、職員の作業スピード・クオリティ向上が図れます。
また、デバイスの購入費用や、維持管理コスト削減にもつながります。職員へのデバイスの使用方法の教育負担も軽減されます。BYODは、職員と企業双方にとってメリットがあるため、多くの組織で検討が進んでいます。
関連記事:BYODの企業側のメリット・デメリットとは?導入時の注意点もわかりやすくご紹介
自治体BYODの課題
コストの削減や生産性向上などのメリットがある一方で、BYODにはセキュリティリスクといった大きな課題も伴います。
個人のデバイスを業務に利用することで、不正アクセスやデータ漏洩のリスクに晒される危険があります。セキュリティ対策を万全に行わないと、BYODの導入・運用は困難になります。
以下では、自治体でのBYOD運用時に直面する具体的な課題を詳しく紹介します。
情報漏洩
職員が自分のデバイスで業務を行うことにより、悪意がなくともSNSやチャットツールに企業情報を投稿・送信してしまう可能性があります。SNSやチャットツールのアカウントが悪意のある第三者に乗っ取られると、企業の機密情報が盗まれるリスクもあります。
また、職員が不適切なアプリをインストールしたり、Webサイトを閲覧したりすることで、機密情報が外部に漏れる可能性もあります。このような情報漏洩は、企業の信頼性低下や顧客情報の損失、場合によっては法的責任を負う可能性があります。
ウイルス感染・不正アクセス
プライベートでデバイスを使用している際にウイルスに感染し、それが業務にも影響を及ぼす可能性もあります。ウイルスに感染したデバイスが、業務データや社内サーバにアクセスすることで、業務システム全体に深刻なダメージを与えます。
特に職員が自宅や外出先の公共Wi-Fiなど、セキュリティが弱いネットワークを介して業務を行う場合、ウイルス感染の危険性は高まります。また、個人で使用しているアプリから、マルウェアやランサムウェアが侵入することも考えられます。
このようなセキュリティ脅威は、企業の機密情報を危険に晒します。最悪の場合、ウイルス蔓延による業務停止などの深刻な結果を招くことにもなります。
端末の紛失・盗難による不正利用
業務に利用するデバイスを持ち運ぶため、端末デバイスの紛失や盗難といったリスクも伴います。特にプライベートで持ち運ぶことによって、紛失や盗難に遭うケースが散見されます。
デバイスが悪意のある第三者に渡り、不正利用される可能性があります。企業のネットワークやデータベースにアクセスされることで、情報漏洩や不正操作のリスクが高まります。
MDMによって安全なBYOD運用が可能に
BYOD運用時には、セキュリティ対策が必須になります。ここでは、安全なBYOD運用をサポートするMDMの役割を紹介します。
MDMとは?
MDM(モバイルデバイス管理)は、スマホやタブレットなどのモバイルデバイスを一元的に管理するシステムです。MDMを導入することで、デバイスを安全・効率的に管理できるようになります。情報漏洩や不正アクセスなど、BYOD運用時に生じるセキュリティリスクを最小化します。
関連記事:MDM(モバイルデバイス管理)の必要性とは?導入のメリットをわかりやすくご紹介
MDMの機能とBYODにもたらす効果
MDMは、多岐にわたるセキュリティ対策機能を備え、BYODに大きな効果をもたらします。
利用状況の把握 | デバイスの使用状況や基本情報を取得し、一元的に把握・管理 デバイスの死活監視や異常なアクティビティ検知のようなセキュリティイベントの監視にも有効 |
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機能の制限・設定 | デバイスのOS基本機能やセキュリティ項目を一括で設定・制限 カメラの使用を無効にしたり、BluetoothやNFCの機能を制限可能 |
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リモートロック | デバイスの盗難・紛失時に遠隔でロック第三者によるデバイスの利用を制限し、安全を確保 |
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リモートワイプ | デバイスの盗難・紛失時に遠隔でデータをすべて消去 OS設定・アプリ・連絡先・パスワード・電子メール・写真などを消去 |
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パスワードの強制 | パスワードに必要な要件を強制可能 最低文字数や大文字・小文字・数字・記号の有無などを設定可能 パスワードの有効期間も設定 |
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Webフィルタリング | Webサイトのカテゴリやアドレス単位での閲覧を許可・禁止 |
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位置情報の把握 | デバイスの所在地・位置情報を把握 |
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ウイルス対策 | ウイルス対策ソフトの動作状況の確認(別途オプションの場合もあり) |
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MDMの機能によって、不正利用の早期検出や不正アクセスの防止、情報漏洩・ウイルス感染のリスク軽減が可能になります。他にも、各種ポリシー・アプリの配布やOSのアップデートなどを一括で行えます。MDMは、安全で効率的なデバイス管理を実現します。
関連記事:MDMツールの機能を一覧で解説!運用の効率化や利用状況の把握など
BYODでMDMを導入する際の注意点
MDMは多くのメリットをもたらす一方、導入するにあたって注意も必要です。
- 職員が監視されているような印象を受ける可能性がある
職員が監視されている、と感じる可能性があります。プライバシーに対する懸念を引き起こし、信頼関係に影響を与えかねません。 - 必要な機能まで制限してしまう場合もある
製品・サービスによっては、業務に必要なアプリや機能まで制限してしまう場合があります。職員の業務効率が低下する可能性があり、注意が必要です。
上記のような問題を避けるために、職員とコミュニケーションを取り、プライバシー保護の方針を明確にすることが重要です。また、業務に必要な機能を制限しないよう、MDMの設定を慎重に行う必要があります。
BYODのセキュリティリスクを管理しつつ、職員の生産性と満足度を高めることが、MDMの導入目的であることを忘れてはいけません。そのためには、職員のニーズとセキュリティ要件を満たす、最適なMDMを導入することが大切です。
BYODを導入する際にはCLOMO MDMがおすすめ
CLOMO MDMは、スマホやタブレットなどのモバイルデバイスを統合的かつ効率的に管理できるMDMサービスです。企業・学校・医療機関への導入実績が豊富で、国内MDM市場シェアで13年連続No.1*も達成しています。
デバイスの使用状況の把握やリモートロック・ワイプなどの基本的な機能に加え、「CLOMO SECURED APPs」によってBYOD運用を安全に行えるようになります。アプリ内の操作履歴の確認や、他アプリとのデータの授受を禁止する機能が備わっています。万が一の際にはアプリ内データのみを削除することもできるため、BYOD導入の際に多く採用されています。
また、CLOMO MDMにはAndroidデバイス向けに「Work Profileモード」を提供しています。Work Profileモードは、BYODに特化した機能です。業務用データと個人用データの棲み分けが簡単にでき、セキュリティとプライバシーの両方の保護につながります。
このように、BYODの導入・運用に役立つ機能を数多く搭載し、デバイスのセキュリティ強化や効率的な運用を実現します。
*出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所「コラボレーション/コンテンツ・モバイル管理パッケージソフトの市場展望」2011〜2013年度出荷金額、「MDM自社ブランド市場(ミックITリポート12月号)」2014~2022年度出荷金額・2023年度出荷金額予測
まとめ
BYODは、デバイスの導入費用削減や職員の業務効率向上に寄与します。しかし、同時に情報漏洩やウイルス感染などのリスクも伴います。これらの課題を解決し、安全なBYOD環境を実現するためには、MDMの導入が不可欠です。
CLOMO MDMは、BYOD運用に役立つ機能を数多く搭載しています。わかりやすく使いやすい管理画面を採用し、特別な知識やトレーニングなしで簡単に操作・管理ができます。また、専任チームによる日本語での電話受付サポートも行っており、BYOD運用時の不安や困りごとを解決まで徹底的にサポートします。
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