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先進事例2019.12.10

【日野市】インフラ整備をリース方式活用で効率化(街路灯のLED化の事例)

【日野市】インフラ整備をリース方式活用で効率化(街路灯のLED化の事例)

東京都日野市 の取り組み

【日野市】インフラ整備をリース方式活用で効率化(街路灯のLED化の事例)

まちづくり部長 宮田 守

限られた予算の中で、社会資本を充実させながら、顕在化する老朽化問題にも対応する―。いま、多くの自治体が頭を悩ませる難題である。そうした中、都市基盤インフラ整備に力を入れる日野市(東京都)では、リース方式を活用した大規模な街路灯のLED化を実施した。この事業を担当した、まちづくり部長の宮田氏に、その効果を聞いた。

※下記は自治体通信 Vol.15(2018年10月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

東京都日野市データ

人口: 18万5,352人(平成30年8月1現在) 世帯数: 8万8,271世帯(平成30年8月1日現在) 予算規模: 1,181億8,167万7,000円(平成30年度当初) 面積: 27.55km² 概要: 東京都のほぼ中心部に位置し、多摩川と浅川の清流に恵まれ、湧水を含む台地と緑豊かな丘陵をもつ。昔から甲州街道・川崎街道の2つの街道を有する交通の要衝であり、現在はJR中央線・京王線の2つの鉄道にくわえ、多摩都市モノレールも通る。多摩平など大規模団地を抱える首都圏のベッドタウン。「新選組のふるさと」としても知られる。

1万2,000灯以上の街路灯を一斉にLED化

―日野市ではどのような「まちづくり」を進めてきたのでしょう。

 「日野の魅力を活かした活力あるまちづくり」を理念に、持続可能で、安心安全なまちづくりを進めてきました。市の人口が微増傾向にある中、都市基盤インフラ整備において、新設と老朽化対応を同時に進める難しい対応を迫られていたのが、街路灯整備事業でした。

  日野市の住民は防犯意識が高く、街路灯増設の要望が多かったことから、現在、市内全域で市が管理する街路灯は1万2,000灯以上に上っています。これらの老朽化対応に加え、電気料金や維持管理費の増加問題も顕在化。これらは合わせて1億円を超え、議会からも問題提起がありました。

―どんな対策を行ったのですか。

 水銀条約(※)が発効したこともあり、街路灯の一斉LED化、それに付随して市内各所への災害時無停電照明装置の設置を検討しました。問題は整備費用。周辺自治体でも、1万灯を超える大規模な整備事例はなかったので、市が独自に試算。「現予算内で毎年100灯程度ずつ更新する従来の方法」「購入による一括整備」「リース方式による一斉更新」を比較した結果、初期費用の抑制や費用負担の平準化などの利点から、リース方式が最適と判断。平成28年度にリース方式による「LED街路灯の導入促進事業」に着手しました。

※水銀条約:正式名称「水銀に関する水俣条約」。平成29年8月に発効。一般照明用の高圧水銀ランプは、平成32年12月末をもって製造・輸出入が禁止になる

―事業の内容を教えてください。

 まずは、事業者を選ぶプロポーザル選定を実施。「明確で妥当な事業費」「事業を円滑に進められる十分な業務実績」「地元施工業者の活用計画」などを基準に審査し、大手リース会社を事業者に選定しました。その後、現地調査を経て、平成29年8月に着工。翌3月運用開始という厳しい日程でしたが、工事は予定を前倒し、1月末に完了させることができました。このリース会社が事業遂行過程で生じる様々な課題に対し、高い提案力や柔軟性、行動力によって、事業のイニシアティブを取り、解決を図ってくれたことが短期間での完工につながりました。

LED化のコスト削減効果は いまや庁内の共通認識に

―LED化によって、どのような効果を実感していますか。

 実績で比較すると、電気料金は▲62.7%、維持管理費は▲71.9%、CO2排出量は▲72.0%削減と、だれがみても納得できる高い効果が得られました。なによりも、「まちが明るくなった」という多くの市民の声がうれしい評価です。 いまや、LED化のコスト削減効果は庁内の共通認識になっています。今後計画される様々な公共施設の整備事業では、今回大きな実績を残したリース方式が、有力な手法の一つになることでしょう。

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