※下記は自治体通信 Vol.56(2024年3月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
人口減少や財政難、頻発する自然災害への対応―。自治体はいま、多くの課題を抱えている。そうした諸課題の解決に向けた一歩、それは情報収集にある。そこで本誌では、自治体関連の最新ニュースを届ける行財政専門情報サービス『47行政ジャーナル』の提供元となる共同通信社と新たな連載を企画。同サービスを通じた情報収集を糸口とし、課題解決を目指した自治体の事例を取り上げることで、その道筋を探っていく。
【ナビゲーター】 株式会社神戸新聞社
デジタル推進局 WEBマーケティング部
西山 泰之にしやま ひろゆき
「地方紙」の報道内容をまとめて収集できる
『47行政ジャーナル』では、神戸新聞をはじめ全国の地方紙が、地域のささやかな出来事から硬派な経済・行政情報まで幅広く、地元マスコミならではの取材視点で厳選したコンテンツを提供しています。平成19年のリリース以来、サイトアクセス数、会員数、いずれも着実に伸ばしており、コアで良質な地域情報の収集・発信ツールとして、自治体における利用機会を拡大させています。
今回紹介する三木市(兵庫県)もそうした自治体の1つです。令和5年4月から『47行政ジャーナル』を利用している同市は、寄附金額県内7位*とふるさと納税に注力しており、積極的なプロモーションを展開してきました。『47行政ジャーナル』に関心を寄せた背景にも、近年の同市の情報発信力強化方針があり、『47行政ジャーナル』が持つ情報発信機能が導入の決め手になったようです。また、情報発信力強化に向けては、普段もっとも関わりが深いメディアである地方紙の報道内容を分析することが重要と考えたようで、そうした情報をまとめて収集できる『47行政ジャーナル』に魅力を感じたと聞きます。同市の事例が示す通り、全国の新聞社と共同通信社の取材力が結集した『47行政ジャーナル』は、自治体の情報力を高める重要なツールになります。
*令和4年度実績、総務省発表
*『47行政ジャーナル』とは : 全国44の新聞社と共同通信社が、行政に資する情報を提供するLGWAN対応の専門情報サービス。最新のニュースや人事情報、省庁を中心とした発表資料なども多数掲載している。メールサービスも充実、多くのキュレーションメディアへの情報発信も可能。
地域住民が親しむ地方紙の報道内容を、まとめて確認できるので重宝
[三木市]
■人口:7万3,954人(令和6年1月31日現在) ■世帯数:3万4,613世帯(令和6年1月31日現在) ■予算規模:596億5,451万5,000円(令和5年度当初) ■面積:176.51km²
「広報研修」で庁内に知見共有
―三木市が『47行政ジャーナル』を導入した経緯を教えてください。
大量の情報が溢れる現代社会において、効果的な発信を行うため、令和4年1月に「三木市情報発信指針」を策定し、情報発信に力を入れようと考えたのがきっかけでした。秘書広報課では、「報道に取り上げられるための効果的な情報発信」について各課から相談を受けることがあります。そのための研究材料として『47行政ジャーナル』が活用できると考えたのです。また、各課の政策立案や事業推進に際しては、他自治体の先進事例を参考にすることもあり、そこでの情報収集にも活用できるとも考えました。
―導入後の活用状況はいかがですか。
まずは秘書広報課が『47行政ジャーナル』を活用し、プレスリリースの書き方や印象的な見出しのつけ方などを分析しています。それらの知見は、「広報研修」を通じて各課に伝えています。地域住民がもっとも親しむ地方紙の報道内容を全国規模でまとめて確認できるので大変重宝しています。また、『47行政ジャーナル』には、情報発信が行える「ふるさと発信」機能がありますが、ふるさと納税を担当する「縁結び課」がこれを活用しています。広報研修の成果からか、最近では当市の情報が上位に複数表示されるようになってきました。今後は、縁結び課以外にも「ふるさと発信」機能を活用してもらい、当市の情報発信力を高めていきたいですね。