自治体通信ONLINE
  1. HOME
  2. 「バックナンバー」一覧
  3. Vol.59
  4. 行政情報をくまなく届ける配信基盤で、地域コミュニティの強化も目指せる
山梨県丹波山村の取り組み
先進事例2024.07.22
情報配信システムの整備

行政情報をくまなく届ける配信基盤で、地域コミュニティの強化も目指せる

[提供] NTTアドバンステクノロジ株式会社
行政情報をくまなく届ける配信基盤で、地域コミュニティの強化も目指せる
この記事の配信元
NTTアドバンステクノロジ株式会社
NTTアドバンステクノロジ株式会社

※下記は自治体通信 Vol.59(2024年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

行政からの発信情報を住民へ等しく届けることは、「安全・安心のまちづくり」を担う自治体にとって、最重要施策の1つと言える。その取り組みを以前から進めてきた丹波山村(山梨県)は、情報配信システムの刷新により、「住民への等しい情報配信」だけでなく、「地域コミュニティの強化」も目指せるとしている。同村が刷新したシステムとはどのようなものか。刷新の経緯も含め、担当者の舩木氏に聞いた。

[丹波山村] ■人口:512人(令和6年6月1日現在) ■世帯数:295世帯(令和6年6月1日現在) ■予算規模:22億6,688万9,000円(令和6年度当初) ■面積:101.30km² ■概要:山梨県の東北部に位置する。多摩川の源流・丹波川が東西に流れ、東京都民の「水ガメ」である奥多摩湖に注いでいる。雲取山、飛竜山、大菩薩嶺などの2,000m級の山々に囲まれ、面積全体の約97%は山林で覆われている。国内の7つの地域別に、特に人口が少ない村が代表として集う「小さな村g7サミット」の一員。
インタビュー
舩木 隆嘉
丹波山村
地域創造課 副主査
舩木 隆嘉ふなき たかよし

全域が中山間地域のため、電波が届きにくい場所も

―丹波山村が情報配信システムを刷新した経緯を教えてください。

 当村では、防災や福祉、子育てなどの行政情報のほか、地域のイベント情報に至るまで、公益性の高い各種情報を全住民へ等しく届ける取り組みに注力しています。以前は、職員が防災行政無線で平日夜間に役場から定時放送し、屋外拡声器と各世帯の戸別受信機を通じて情報を届けていました。そんななか、令和5年度からはアナログ式の防災行政無線の廃止を検討していたため、数年前から新たなシステムへの移行調査を進めていました。そこで重視していたのは、「住民へより確実に情報を届けること」でした。

―それはなぜですか。

 当村は全域が中山間地域であり、以前は防災行政無線の電波が届きにくい場所もあったからです。また、情報を音声だけでなく文字でも配信できれば、住民は音声を聞き逃しても情報を確認できるようになります。そうした点を重視し、プロポーザル方式で選定したのが、NTTアドバンステクノロジの情報配信システム『@InfoCanal』です。

―どのようなシステムでしょう。

 IP通信網を活用し、中山間地域でも安定した通信が期待できるシステムです。職員はシステムにログインして伝えたい情報をテキスト入力すれば、データがさまざまな受信端末へ一斉送信されます。たとえば、防災行政無線の代替として活用している屋外拡声器や戸別受信機に送信でき、音声データに変換されて放送されます。また、『@InfoCanal』の専用アプリをインストールしたスマホやタブレット端末へも送信でき、その際、音声以外に文字情報も流せます。

「双方向性」の機能活用へ

―現在、どう運用していますか。

 専用アプリをインストールしたタブレット端末を約300の全世帯に無償貸与し、以前と同じく平日夜間に定時配信しています。住民からは「文字情報も流れるので、いつでも確認できる」と好評です。そのほか、「どこでも情報を確認したい」と、専用アプリを自身のスマホにダウンロードする住民も多いです。また、屋外拡声器からも情報を流しており、「以前と同様にクリアに聞こえる」といった感想が聞かれます。私たち職員も、1回の入力でさまざまな受信端末に一斉送信できるうえ、インターネット環境さえあればどこからでも配信できる利便性を感じています。

―新たなシステムを、今後どのように活用していきますか。

 専用アプリには、アンケートなどの「双方向性」の機能もあります。この機能を活用し、住民に貸与しているタブレット端末を「住民間」「住民と自治体間」のコミュニケーションツールにすることも検討していきたいです。そうすることで、地域のつながりがさらに深まり、地域コミュニティの強化も目指せると考えています。

支援企業の視点
「双方向性」で住民の声まで拾えれば、「地域を元気にする」配信基盤になる
インタビュー
古賀 隆之
NTTアドバンステクノロジ株式会社
DXビジネス部門 副部門長 兼 スマートコミュニティ担当 統括マネージャ
古賀 隆之こが たかゆき
昭和44年、福岡県生まれ。平成3年、日本電信電話株式会社(NTT)に入社。令和元年より、NTT西日本長崎支店長としてICTを用いた地域課題の解決業務に従事。令和4年から、NTTアドバンステクノロジ株式会社のスマートコミュニティ事業の責任者として事業を推進。

―住民への情報配信の際、自治体はなにに留意すべきでしょう。

 「住民に等しく情報を届けること」と同様に、「双方向性」も重視すべきと考えています。たとえば「高齢者見守り」で、自治体が「元気ですか」と問いかける情報を各世帯に配信した際、高齢者がその情報を確認したのか個別に把握できれば、それに応じた見守り施策を考えられるようになるでしょう。自治体にとっては、行政施策の参考になる情報配信ができるようになるのです。一方で住民は、「私たちの声を積極的に聞いてくれる」と自治体を身近に感じられるようになり、「顔がみえるコミュニケーション」が生まれる1つのきっかけになり得ます。こうした観点をもとに、双方向性を実現する情報配信システム『@InfoCanal』を開発しました。現在、39自治体に導入いただいています。

―今後、自治体をどのように支援していきますか。

 『@InfoCanal』を通じて、情報配信に携わる職員のみなさんの業務改善も支援します。情報を1回入力すればさまざまな受信端末以外に、システム間連携によりSNSや登録制メールにも情報を一斉に流せるようになります。また、たとえば夜中に台風情報を伝える際、わざわざ来庁せずとも自宅から配信も可能です。

 今後は都市OSなどのデータ連携基盤と接続し、個人情報の保護には十分配慮したうえで、エリアや年齢層などの住民の特性に最適化された情報・サービスを提供できるようにしていく予定です。「地域を元気にするツール」としてご活用いただけますので、ぜひご連絡ください。

NTTアドバンステクノロジ株式会社
NTTアドバンステクノロジ株式会社
設立

昭和51年12月

資本金

50億円

売上高

700億円(令和5年3月期)

従業員数

2,049人(令和5年3月31日現在)

事業内容

トータルソリューション事業、スマートコミュニティ事業、セキュリティ事業、クラウド・IoT事業、AI×ロボティクス事業、グローバル事業、知的財産事業

URL

https://www.ntt-at.co.jp/

お問い合わせ先
0120-057-601(受付時間 9:00~17:00 土、日/祝日/年末年始を除く平日)
infocanal@ml.ntt-at.co.jp
サービス資料を確認する
電子印鑑ならGMOサイン 導入自治体数No.1 電子契約で自治体DXを支援します
自治体通信 事例ライブラリー
公務員のキャリアデザイン 自治体と民間企業の双方を知るイシンが、幅広い視点でキャリア相談にのります!