平成26年度の寄附額で全国8位に躍進
―ふるさと納税の取り組みについて教えてください。
平成20年度に開始した当初は、小城市出身者からの寄附がほとんど。返礼品も広報誌や小城の風景写真を送る程度で、平成25年度の寄附額は88万円でした。
しかし、平成26年度から農産を中心とした小城市の特産物を返礼品として取り扱うように。また、もともとあった当市のふるさと納税を紹介するサイトをリニューアルし、ページから直接申し込みできるようフォームを変更。さらに、民間のポータルサイトを活用し、広くPRするようにしたのです。
―きっかけはなんだったのでしょうか。
同じ佐賀県の玄海町と長崎県平戸市における取り組みで「返礼品を充実させることで寄附金が増えた」という話を聞いたことです。距離も近いので、「勉強させていただこう」と視察に行ったんです。
そして、前述のような取り組みを行った結果、いきなり5月だけで18件の申し込みが来たんです。前年度の申し込み数が計12件。それをたった1ヵ月で超えてしまったので、大変驚きました。
その後、クレジット払いを導入するなどの施策で勢いが加速。最終的に平成26年度の寄附額は、5億1196万2,000円で、全国8位になったのです。
リーチできていなかった富裕層にアピール
―平成27年度はどんな取り組みを行っていますか。
前年度に掲載していたポータルサイトは1つだけでしたが、それを3つに増やしました。
その効果もあってか、平成27年の12月末時点で寄附額は約13億円に達しています。
―最近、掲載しているポータルサイトのひとつ「ふるなび」の新サービス「ふるなびプレミアム」を利用しているそうですね。
はい。これはふるさと納税に興味があるユーザーに対し、納税する自治体の選定や納税までの手続きを代行するサービスだと聞きました。ふるさと納税を実際に利用している人はまだまだごくわずか。これなら、「どこに寄附すればいいか選べない」「手続きがめんどう」といった方にもアピールできると考えて利用しました。
始めてまだ1ヵ月ですが、すでに多数の申し込みがきています。また高額納税者が対象ということで、寄附金額の単価もアップ。それがメインの目的ではありませんが、応援していただけるのはうれしいですし、いままでリーチできていなかった方へPRができています。
―今後の方針を教えてください。
平成28年度から「企業版ふるさと納税制度」が導入されれば、企業にもアピールしていく予定です。
寄附金額が増えれば市内の生産者の売上も上がりますし、小城市の宣伝および財源確保につながります。今後もふるさと納税をうまく活用することで、地方創生に取り組んでいきたいですね。