地域全体の気運に乗り、さまざまな品でアピール
―ふるさと納税でどのような取り組みを行ってきたのでしょう。
当町では、平成20年度からふるさと納税を開始。当初は返礼品もなく、年間1件の申し込みがある程度でした。平成25年8月から返礼品として特産品を導入しましたが、小さな詰め合わせで種類も1点のみ。件数も伸びませんでしたね。
本格的に特産品を導入し始めたのが、平成26年6月から。三重県内の自治体でも「ふるさと納税に力をいれていこう」という動きが広まっていたこともあり、当町も伊勢湾産のちりめんや大吟醸を使ったアイスなど独自の特産品をそろえ、クレジット決済の処理を開始。年末年始にかけて『ふるなび』を含めた2つのふるさと納税を紹介するポータルサイトの掲載をスタートさせました。
―その結果、どのような成果が出ましたか。
平成26年度で、計2,324件の申し込みがありました。それまでは、6年間で累計の申し込みが16件でしたから「すごい効果だ」と。
平成27年度からは、松阪牛の返礼品を開始。じつはあまり知られていないのですが、当町は松阪牛の生産区域内で、かなりの頭数を飼育しているんです。明和町の名前を知ってもらうためにも導入したところ、年間申し込みが9,015件にまで増えたのです。寄附はもちろんのこと、明和町のPRにもつながりました。
町をあげて新企画を考え、地元の魅力を伝えていきたい
―昨年から『ふるなび』の新サービスを活用しているそうですね。
ええ。『ふるなびグルメポイント』を平成28年8月から開始しました。これは『ふるなび』サイト内で申し込みをすると、地元の特産品を取り扱うサイトの提携飲食店で利用できるポイントが付与されるしくみ。たとえば、松阪牛を自宅で調理する必要がなく、プロの調理で食べられるのです。
もちろん、自宅で調理する楽しみはあります。ただ、松阪牛はトップクラスのブランドで、調理法や温度加減でものすごく味が変わる。調理法について職員があれこれ説明するよりも、プロの腕で表現したほうがより素材のよさが伝わりますから。
切り口の新しさも導入の決め手になりました。
―どのような効果がありましたか。
平成28年の12月だけで、2,244件の申し込みがありました。また、申し込みの単価が非常に高いのが特徴ですね。もちろんそれが本来の目的ではありませんが、行政を運営するうえでプラスなのは間違いありません。また申し込みの際はもちろん、お店を予約するとき、食事のときに明和町を思い出してもらえれば、これまでと違った側面からのPRになるかと。
当町は松阪市と伊勢市に囲まれ、両市と比較すると知名度はまったくおよびません。そのため、新しいPRを町をあげて企画することで、明和町の魅力を伝えていきたいですね。