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三重県明和町の取り組み
先進事例2024.07.01
進化する ポータルサイト活用

特産品をそのまま届けるのではなく、「飲食店で提供」という発想

[提供] 株式会社アイモバイル
特産品をそのまま届けるのではなく、「飲食店で提供」という発想
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株式会社アイモバイル
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近年、積極的にふるさと納税に取り組む自治体は増えており、地域ならではの特色ある返礼品を用意したり、複数のポータルサイトを活用するなど多様なPR活動を行っている。そのようななか、明和町(三重県)はポータルサイトの新サービスの導入を開始した。担当の朝倉氏に、サービス活用の詳細を聞いた。

※下記は自治体通信 Vol.8(2017年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

[明和町] ■人口:2万3,166人(平成29年3月1日現在) ■世帯数:8,819世帯(平成29年3月1日現在) ■予算規模:159億2,940万円(平成28年度当初)■面積:41.04km² ■概要:三重県のほぼ中央部に位置し、かつて伊勢神宮の天照大神に仕えた特別な皇族女性「斎王」が暮らした地であり、平成27年、文化庁の「日本遺産」に「祈る皇女斎王のみやこ 斎宮」として認定。「日本遺産のまち」として知られる。松阪牛の肥育地であるほか、平野が多く肥沃な土地であることから良質米の産地となっている。
インタビュー
朝倉 正浩
明和町
防災企画課 主幹兼企画情報係企画担当 係長
朝倉 正浩あさくら まさひろ

地域全体の気運に乗り、さまざまな品でアピール

―ふるさと納税でどのような取り組みを行ってきたのでしょう。

 当町では、平成20年度からふるさと納税を開始。当初は返礼品もなく、年間1件の申し込みがある程度でした。平成25年8月から返礼品として特産品を導入しましたが、小さな詰め合わせで種類も1点のみ。件数も伸びませんでしたね。
 
 本格的に特産品を導入し始めたのが、平成26年6月から。三重県内の自治体でも「ふるさと納税に力をいれていこう」という動きが広まっていたこともあり、当町も伊勢湾産のちりめんや大吟醸を使ったアイスなど独自の特産品をそろえ、クレジット決済の処理を開始。年末年始にかけて『ふるなび』を含めた2つのふるさと納税を紹介するポータルサイトの掲載をスタートさせました。

―その結果、どのような成果が出ましたか。

 平成26年度で、計2,324件の申し込みがありました。それまでは、6年間で累計の申し込みが16件でしたから「すごい効果だ」と。
 
 平成27年度からは、松阪牛の返礼品を開始。じつはあまり知られていないのですが、当町は松阪牛の生産区域内で、かなりの頭数を飼育しているんです。明和町の名前を知ってもらうためにも導入したところ、年間申し込みが9,015件にまで増えたのです。寄附はもちろんのこと、明和町のPRにもつながりました。

町をあげて新企画を考え、地元の魅力を伝えていきたい

―昨年から『ふるなび』の新サービスを活用しているそうですね。

 ええ。『ふるなびグルメポイント』を平成28年8月から開始しました。これは『ふるなび』サイト内で申し込みをすると、地元の特産品を取り扱うサイトの提携飲食店で利用できるポイントが付与されるしくみ。たとえば、松阪牛を自宅で調理する必要がなく、プロの調理で食べられるのです。
 
 もちろん、自宅で調理する楽しみはあります。ただ、松阪牛はトップクラスのブランドで、調理法や温度加減でものすごく味が変わる。調理法について職員があれこれ説明するよりも、プロの腕で表現したほうがより素材のよさが伝わりますから。
 
 切り口の新しさも導入の決め手になりました。

―どのような効果がありましたか。

 平成28年の12月だけで、2,244件の申し込みがありました。また、申し込みの単価が非常に高いのが特徴ですね。もちろんそれが本来の目的ではありませんが、行政を運営するうえでプラスなのは間違いありません。また申し込みの際はもちろん、お店を予約するとき、食事のときに明和町を思い出してもらえれば、これまでと違った側面からのPRになるかと。
 
 当町は松阪市と伊勢市に囲まれ、両市と比較すると知名度はまったくおよびません。そのため、新しいPRを町をあげて企画することで、明和町の魅力を伝えていきたいですね。

支援企業の視点
膨大な情報に埋もれてしまわないよう、新たな切り口のPRが必要
インタビュー
加藤 秀樹
株式会社アイモバイル
事業企画本部 自治体サービス事業部 本部長
加藤 秀樹かとう ひでき
昭和56年、東京都生まれ。インターネット広告代理店などを経て、平成25年に株式会社アイモバイル入社。コンテンツ事業部長に就任。平成26年に事業企画本部長に就任後、 ふるさと納税サイト『ふるなび』を開設。ふるさと納税のPRおよびインターネット上で寄附を行える仕組みを自治体へ提供。ふるさと納税史上初となるアフィリエイト広告を開始。平成28年7月から、ポイントを使って提携飲食店で食事ができるサービス『ふるなびグルメポイント』をスタート。

―ふるさと納税におけるPRの多様化は進んでいますか。

 かなり進んでいますね。肉類や海産物といった特産品にくわえ、今後はより体験型のサービスを提供するといった自治体は増えていくでしょう。

 これは「地域に人を呼び込む」といった狙いのほか、各自治体が積極的にふるさと納税に取り組んでいるため、「埋もれてしまわないように新たな切り口でPRしたい」という自治体の思惑もあります。

 当社は、新たな寄附者の掘り起こしを目的に、寄附金50万円以上の方をターゲットとした寄附代行サービス『ふるなびプレミアム』など、新たな切り口によるサービス提供に取り組んできました。『ふるなびグルメポイント』も、そうしたニーズに応えるためのサービスなのです。

―どんな効果が期待できますか。

 たとえば、当社と提携した店舗で『ふるさと納税限定コース』を作成してもらうなど、店舗による自治体のPRが期待できます。東京、名古屋、大阪を中心に約100店舗と提携し、どんどん拡大しているところです。
 
 また、『ふるなび』には約100自治体の情報が掲載されていますが、中長期的には500自治体まで増やしたいと考えています。
 
 最近では返礼品の紹介だけでなく、写真や動画、テキストを使った自治体の紹介も掲載。返礼品だけにこだわらず、さまざまな切り口で自治体を応援していきたいですね。

株式会社アイモバイル
株式会社アイモバイル
設立

平成19年8月

資本金

9,800万円

売上高

147億円(平成28年7月期)

従業員数

182人(平成29年2月時点)

事業内容

インターネット広告事業、コンテンツ事業、自治体サービス事業

ふるなび

https://furunavi.jp/

ふるなび プレミアム

https://furunavi.jp/premium/

お問い合わせ先
03-6674-5604(平日 9:30~18:30)
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