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静岡県焼津市の取り組み
先進事例2024.07.01
ふるさと納税施策

ポータルサイトを駆使して、制度に適した新たな企画を練る

[提供] 株式会社アイモバイル
ポータルサイトを駆使して、制度に適した新たな企画を練る
この記事の配信元
株式会社アイモバイル
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今年の4月、総務省は「ふるさと納税の返礼品の価格を寄附額の3割まで抑えるよう要請する」と通知した。制度は流動的になっているが、ふるさと納税に対する取り組みは、自治体の重要な施策であることに変わりはない。今回は、全国でもトップクラスの寄附金額を誇る焼津市の担当者に、今後の方針も含めて取り組みの詳細を聞いた。

※下記は自治体通信 Vol.09(2017年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

[焼津市] ■人口:14万701人(平成29年4月30日現在) ■世帯数:5万6,129世帯(平成29年4月30日現在) ■予算規模:1,043億3,118万円(平成29年度当初) ■面積:70.31km² ■概要:東京から西へ約193km、名古屋から東へ約173km、京浜・中京のほぼ中間に位置している。水産加工業は地元や輸入・移入の原魚を使って盛んに行われ、節類や練製品、冷凍食品など、県内有数の加工品生産高を誇る。カツオ節をはじめとして、カツオやマグロを使った佃煮やサバなどを原料とした黒はんぺんなどが有名。
インタビュー
太田 大介
焼津市
水産部 ふるさと納税課 ふるさと納税担当主査
太田 大介おおた だいすけ

約1,400のアイテム数で、大きな注目を集める

―ふるさと納税についての取り組みを聞かせてください。

 当市がふるさと納税を開始したのは、平成26年の10月から。目的は、それ以前から取り組んできた、移住定住のきっかけにつながるシティプロモーションの一環として。そして、いちばんの目的は市内の産業振興のためです。

 当市では、焼津漁港を中心とした水産業・水産加工業が盛ん。そこでまずは「返礼品のバラエティを増やして、より多くのなかから選んでもらおう」と、地元の参加事業者を増やすことから始めました。

―最初から順調だったのですか。

 いいえ、事業者を募るのは簡単ではありませんでした。ただ地道に声をかけていったことにより、当初は約30社だった参加事業者が現在では約170社。返礼品のアイテム数も約1,400種類で、質・量ともに全国でトップクラスだと自負しています。
 
 26年度の寄附金は、半年間の取り組みながら約2億8,000万円。27年度は全国2位となる約38億円。そして、28年度は約51億円でした。やはり、参加事業者の協力のもと、戦略としてアイテム数を増やしていったことが、多くの方の支持を得られたのではないかと思っています。

総務省からの通知には、従っていく方針

―PRはどのように行っているのでしょう。

 基本的に、ポータルサイト掲載によるPRを行っています。開始当初はひとつのサイト活用だけでしたが、平成27年の10月から『ふるなび』を併用しています。窓口を増やすことで、多くの人にPRするのが狙いです。また、ふるさと納税に興味がある高額納税者を対象とした、応援する自治体の選定から納税手続きを代行する『ふるなびプレミアム』というサービスがあることをうかがいました。「これまで当市が訴求できていなかった層の寄附者の方にアピールできるのでは」というのも、考えとしてありました。

―実際にどのような効果がありましたか。

 寄附金が増えたぶん、新しくふるさと納税を始めた方に届いているというのは実感としてあります。また、当市は返礼品が多いため、納税者が選ぶのに迷うという側面もあります。そういう意味で、「代わりに選んでくれる」という“コンシェルジュサービス”は、当市の戦略にマッチしています。また、『ふるなび』は返礼品情報のアップロードも代行してもらえるので、事務的な面でも非常に助かっていますね。

―今後の方針を教えてください。

 自治体ごとに対応は変わると思うのですが、当市では返礼品の金額を寄附金の3割以内とする方針です。今後は、アイテム数を増やすという戦略は変えず、通知に抵触しないよう、さまざまな企画をポータルサイトと一緒に考えていきたいですね。

支援企業の視点
今後は返礼品の紹介にくわえて、新たなカタチのPRが求められる
インタビュー
加藤 秀樹
株式会社アイモバイル
事業企画本部 自治体サービス事業部 本部長
加藤 秀樹かとう ひでき
昭和56年、東京都生まれ。インターネット広告代理店などを経て、平成25年に株式会社アイモバイル入社。コンテンツ事業部長に就任。平成26年に事業企画本部長に就任後、ふるさと納税サイト『ふるなび』を開設。ふるさと納税のPRおよびインターネット上で寄附を行える仕組みを自治体へ提供。ふるさと納税史上初となるアフィリエイト広告を開始。平成27年11月から、寄附金50万円以上の寄附者向けにふるさと納税を代行するサービス『ふるなびプレミアム』を開始。

―総務省の通知は、寄附者であるユーザーにどういった影響をおよぼすでしょう。

 各自治体における今後の動向にもよるでしょうが、単純に通知に沿う自治体が増えれば、1自治体あたりの大幅な伸びは少し落ち着くことが予想されます。ただ、これにより寄附者が離れていくとは考えづらいため、まだまだ開拓の余地はあります。

 たとえば、総務省通知に該当する返礼品は引き続き指摘をされるケースもありますが、肉、魚、米といった一次産品や「体験型」の返礼品はこれからも効果的なPRになっていくでしょう。

―そういったなか、『ふるなび』はどのようなサービスを行っていくのですか。

 引き続き、寄附金50万円以上のユーザーを対象にした、寄附代行サービス『ふるなびプレミアム』を積極的に行っていきます。高額納税者は忙しい方が多く、たとえふるさと納税に興味があっても寄附する自治体の選定や手続きにかける時間がない。そのため、「なかなか実際の利用まではいたらない」といった方を新たに掘り起こすことができるのです。

 また、今後は返礼品を紹介するだけでなく、寄附者にさまざまな情報を提供していきます。たとえば4月から『ふるなびBlog』をオープン。ふるさと納税についてのノウハウや自治体にかんするニュースも積極的に公開していきます。ふるさと納税の取り組みが恒久的に続いていくよう、“健全なPR”の方法をいろいろ考え、自治体に提案していきたいです。

株式会社アイモバイル
株式会社アイモバイル
設立

平成19年8月

資本金

9,800万円

売上高

147億円(平成28年7月期)

従業員数

182人(平成29年2月時点)

事業内容

インターネット広告事業、コンテンツ事業、自治体サービス事業

ふるなび

https://furunavi.jp/

ふるなび プレミアム

https://furunavi.jp/premium/

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