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先進事例2021.03.29

磁気破壊装置の活用で「記憶媒体」のデータを適切に消去

[提供] アドバンスデザイン株式会社
磁気破壊装置の活用で「記憶媒体」のデータを適切に消去
この記事の配信元
アドバンスデザイン株式会社
アドバンスデザイン株式会社

富山県富山市

情報漏えい対策

磁気破壊装置の活用で「記憶媒体」のデータを適切に消去

富山市 企画管理部 情報統計課 情報セキュリティ係 主事 横本 靖幸
[提供] アドバンスデザイン株式会社

※下記は自治体通信 Vol.29(2021年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


神奈川県庁の情報データが蓄積されたハードディスク(以下、HDD)が、委託業者によりデータ消去前に転売された問題から1年以上が経過。その教訓から、記憶媒体における情報漏えい対策はさらに重要性を増している。ここでは、そうした情報漏えい対策として、平成28年から磁気破壊装置を導入した富山市(富山県)を取材。担当の横本氏に、詳細を聞いた。

富山市データ
人口:41万3,459人(令和3年2月末現在) / 世帯数:18万1,538世帯(令和3年2月末現在) / 予算規模:3,470億4,981万3,000円(令和3年度当初案) / 面積:1,241.74km² / 概要:富山県のほぼ中央から南東部分までを占める。平成8年には旧富山市が中核市に移行し、平成17年4月には、富山市、大沢野町、大山町、八尾町、婦中町、山田村、細入村の7市町村が合併し、新しい「富山市」が誕生。全国的に「くすりのまち」として有名だが、近年は環境、バイオ、IT関連産業の育成に努めるとともに、立山連峰や越中おわら風の盆などの観光資源を活かした、観光産業の発展にも取り組んでいる。
富山市
企画管理部 情報統計課 情報セキュリティ係 主事
横本 靖幸よこもと やすゆき

磁気テープを廃棄するため、必要なツールを模索

―富山市が記憶媒体からの情報漏えい対策として、磁気破壊装置を導入した背景を教えてください。

 当市は、平成17年に市町村合併を行ったのですが、その当時からCTと呼ばれる磁気テープを記憶媒体として多く活用してきました。その後、システム更新により記憶媒体をCTからHDDに変更。それにともない、約1万本のCTが不要になりました。このため、廃棄を行うことになったのですが、CTを廃棄するには、総務省のガイドラインに従って、事前にデータを復元不可能な状態にしておく必要があります。結果、データ消去が可能なツールを必要としていたのです。

―ツールを導入するうえで重視したポイントはなんでしょう。

 まずは、当然のことですがCTのデータ消去に対応していること。そして、外部機関に認定され、信頼性のあるツールであること。さらに、なるべくスペースを取らないような小型かつ高機能なツールを希望していました。そうして検討した結果、アドバンスデザイン社が提供している磁気破壊装置を導入することに決めました。

―決め手はなんだったのですか。

 当市が求めていた条件を満たしていたのはもちろんですが、特に機能面を評価しました。磁気破壊を行うためにはある程度の蓄電時間が必要なのですが、その時間が約17秒と、業界のなかでもトップクラス。次のCTをセットしている間に準備できるため、待機時間の短縮につながると考えたのです。さらに、データの消去方法に関して独自の特許を取得していることも、情報セキュリティ面において信頼性の担保につながりました。

総務省のガイドラインに沿う、対策を行っていきたい

―導入後はいかがですか。

 平成28年に導入し、その後1年くらいかけて、保管していた約1万本のCTのデータ消去を行いました。ほぼ毎日、スピーディに実行することができましたね。現場の職員からも「使いやすくて便利だ」と、評価の声が聞かれました。現在は、すべてのCTのデータ消去および廃棄が終了したため、新たにHDDのデータ消去に活用しています。

―今後における、情報漏えい対策の方針を聞かせてください。

 引き続き、ツールを活用することで情報漏えいの徹底した防止に努めていきたいと考えています。やはり、神奈川県庁で起こった問題は衝撃的でしたから。そうした背景を受け、当市でも「どのような対策を行っているのか」といった市民からの情報公開請求があり、その対応も行っています。職員に対しても、従前から記憶媒体を廃棄する際の手順を通知していましたが、定期的なセキュリティ研修も含めて、今後もっと強化していく必要があると感じています。

 そうしたなかで、新たな課題もあります。

―それはなんでしょう。

 令和2年12月、総務省から「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」の改定版が公表されましたが、「機器の廃棄等の方法」について詳細な記載がありました。今後は、ガイドラインに沿ったカタチで、たとえばSSDの廃棄方法など、記憶装置ごとに応じた対応を専門家の意見も取り入れながら行っていきたいです。


支援企業の視点

総務省のガイドラインに沿った対応は、専門家の知見やノウハウが必要に

アドバンスデザイン株式会社 データプロテクション事業部 企画広報室 西本 有佑

アドバンスデザイン株式会社
データプロテクション事業部 企画広報室
西本 有佑にしもと ゆうすけ

―情報漏えい対策における自治体の課題はなんでしょう。

 やはり、総務省のガイドラインに沿った対策を行うことがポイントになると考えられます。現在、各自治体では情報漏えい対策を重要な行政施策としてとらえ、さまざまな対策を講じています。しかし、ガイドラインに記載されている情報の「機密性レベル」と、「記憶媒体」の組み合わせによって各種対処法が考えられます。たとえば、「マイナンバー利用事務系」のデータを含むHDDは、磁気破壊もしくはソフトウェア消去後に物理破壊を行うよう総務省から推奨されています。一方、同じ「マイナンバー利用事務系」のデータでも、SSDは磁気破壊ができないのでソフトウェア消去後に物理破壊を行うといった具合です。

―どう対処すればいいですか。

 あらゆる状況に応じて、データ消去の対応ができる専門家のチカラを活用すべきです。たとえばデータを消去する方法として、「物理破壊装置」「磁気破壊装置」「データ消去ソフト」の活用が考えられますが、当社は3つの方法すべてに対応できます。また、設立以来20年以上にわたる知見やノウハウにより、総務省のガイドラインに沿ったカタチで情報漏えい対策を提案することが可能なのです。

―自治体に対する今後の支援方針を教えてください。

 3つの方法を組み合わせ、自治体ごとに適した支援をしていきます。また、当社は現場でのデータ消去作業や消去・破壊機器のレンタルにも対応しているので、自治体職員の方は気軽に問い合わせてほしいですね。

西本 有佑 (にしもと ゆうすけ) プロフィール
昭和59年、北海道生まれ。平成21年に早稲田大学を卒業後、アドバンスデザイン株式会社に入社。おもに営業企画、広報宣伝などに携わる。
アドバンスデザイン株式会社
設立 平成7年6月
資本金 3億6,460万円
資本 株式会社メルコホールディングス100%出資
事業内容 データリカバリーサービス、データ消去製品製造販売、データ消去サービス、データ変換サービス、デジタルフォレンジック製品販売
URL https://www.a-d.co.jp/
お問い合わせ電話番号 0120-290-459(平日9:00〜17:30)
お問い合わせメールアドレス nishimoto@a-d.co.jp
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