コロナ禍を機に、フードデリバリーやテレワークといったオンライン環境を利用した仕組みが広く普及した。時間や場所に制約されないその利便性ゆえに、いまや生活の一部として定着した観がある。そうしたなか、本誌『自治体通信』では、課題解決に取り組む自治体関係者とそれを支える民間企業との新たな交流の場を提供すべく、「オンライン展示会」という新しい試みを企画し、去る8月2~4日の3日間にわたって開催した。ここでは、その内容をリポートする。
※下記は自治体通信 Vol.52(2023年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
民間企業22社が出展。登録来場者数は約400人
今回開催したオンライン展示会とは、オンライン上に構築されたイベントプラットフォームにおいて、出展企業が自社の商品やサービスを紹介する「展示ブース」の設置に加え、官民連携事例を紹介するウェビナー配信も行うことで、これまでにない形での情報収集を可能とする新しい試み。来場した自治体関係者は、興味をもった展示ブースにおいてサービス資料をダウンロードできるほか、その場で、もしくは時間を予約して企業担当者とチャットやオンライン面談で情報収集を行うこともできる。8月2日9時から4日21時までの開催期間中、来場者はいつでも何度でもアクセスが可能であり、時間や場所の制約を受けることなく参加できるのがメリットとなる。
「自治体通信オンライン展示会~自治体DX展~」と銘打たれた今回の企画には、「業務効率化」「情報セキュリティ」「DX人材育成」に関するソリューションを有する民間企業22社が出展した。自治体関係者に限定した登録来場者数は約400人にのぼり、当日は約240人が実際に来場、延べ約1,200回のブース訪問数が記録された。来場者は、資料ダウンロードやウェビナー視聴のみならず、チャットやオンライン面談を通じて実際に企業担当者との交流を図るシーンも見られた。
「今後もオンライン展示会のほうに参加したい」
本誌が行った来場者へのアンケートでは、ブース内の資料や動画コンテンツに対しての評価は高く、「電子請求に関する課題解決の参考になった」「窓口DXの形としてさまざまなあり方を検討する材料となった」といった声が寄せられた。業務の空き時間を利用して来場した参加者も多かったようで、「今後もリアル開催の展示会よりオンライン展示会のほうに参加したい」との声からは、今回の企画の利便性を実感した自治体関係者の姿が伝わってきた。
一方、出展企業からも、「自治体担当者との新しい接点が多数できた」「複数の商談につながっている」との声も確認でき、今後の新たな官民連携事例の創出に期待を感じさせる結果となった。
今回は、「自治体DX」をテーマとした開催となったが、本誌では今後もさまざまなテーマの設定を検討しており、さらなる企画の充実や運営の改善を図りながら、第2回目以降のオンライン展示会開催を計画している。
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