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民間企業の取り組み
先進事例2023.12.14

応募者増につながる「CBT試験」で、職員採用の門戸を広げよ

[提供] 株式会社シー・ビー・ティ・ソリューションズ
応募者増につながる「CBT試験」で、職員採用の門戸を広げよ
この記事の配信元
株式会社シー・ビー・ティ・ソリューションズ
株式会社シー・ビー・ティ・ソリューションズ

※下記は自治体通信 Vol.54(2023年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

少子化に加え、民間企業の人材獲得強化の影響も受けて、採用試験における受験者数の減少に悩む自治体は多い。そうしたなか、「CBT試験*」を通じた潜在応募者の受験機会拡大を提案するのが、試験運営の委託サービスを手がけるシー・ビー・ティ・ソリューションズ(以下、CBTS社)代表の野口氏だ。同氏が「職員採用の門戸を広げる手段」と語るCBT試験とは、どのようなものか。自治体へ採用試験を提供している日本経営協会総合研究所の長谷川氏を交えて、詳しく聞いた。

*CBT試験 : Computer Based Testingの略で、コンピュータを利用して実施する試験のこと

インタビュー
野口 功司
株式会社シー・ビー・ティ・ ソリューションズ
代表取締役
野口 功司のぐち こうじ
昭和48年、宮崎県生まれ。宮崎大学工学部卒業。富士ソフト株式会社、日本オラクル株式会社などを経て、平成21年に株式会社シー・ビー・ティ・ソリューションズを設立、代表取締役に就任。情報経営イノベーション専門職大学(iU)客員教授。
インタビュー
長谷川 達哉
日本経営協会総合研究所
執行役員 営業統括部長 兼 事業戦略推進室長
長谷川 達哉はせがわ たつや
昭和46年、大阪府生まれ。平成5年、関西学院大学商学部卒業。大手住宅メーカーを経て、平成15年に株式会社日本経営協会総合研究所へ入社。令和2年から現職。

受験のしやすさから、Uターン希望の応募者が増加

―職員採用で、自治体はどのような悩みを抱えていますか。

野口 「受験者数の減少」です。特に地方では、都会へ出た若者が戻らない「都市集中」が問題になっています。そうしたなか、たとえばわざわざ地元に帰らなければ採用試験を受験できない環境だと、実は地元での就職を1つの選択肢に考えている潜在的な応募者にさえ受験が敬遠され、都市集中に拍車がかかります。地元で働きたい優秀な応募者を増やすには、受験しやすい環境づくりは必須です。

―解決策はありますか。

野口 職員採用に「CBT試験」を導入することは、1つの解になり得ます。応募者は希望日時のもと、全国各地で受験できる仕組みのため、受験機会が大幅に拡大します。出身地以外に住んでいるUターン希望の応募者増が期待できます。

長谷川 実際、民間企業のほか自治体でも導入が進んでいます。当社は現在、約500自治体に「SCOA総合適性検査*」を提供していますが、そのうち約200自治体がCBTS社の提供するCBT試験を通じてご利用いただいています。

―試験はどのように行われますか。

野口 受験者は、試験期間内の希望日時に、試験用のコンピュータが設置されたテストセンターに行き、会場のパソコンを使って受験します。問題は1問ずつモニター上に映し出され、マウスやキーボードで回答します。当社は、全国47都道府県に360ヵ所以上のテストセンターを有しており、民間企業や自治体の採用試験以外に、「日商簿記」「漢字検定」など、国家資格を含め200団体以上の試験会場として利用されています。試験会場では専属スタッフが書類による本人確認を行い、試験監督は「認定試験官*」が行うなど不正防止対策もしっかり講じています。

*SCOA総合適性検査 : 年間3,000社を超える企業・団体への提供実績がある総合適性検査
*認定試験官 : CBTS社が独自に実施する試験に合格した試験官

試験運営の負担も軽減

―導入の成果はいかがでしょう。

長谷川 多くの自治体で応募者が増え、「例年の2倍になった」「全国各地から応募があった」といった例も見られます。また、試験会場の用意や試験監督員の手配が不要で、試験実施から結果の受領まで、試験実施に関する工程はWeb上で完結するため、試験運営の負担軽減も評価されています。

野口 CBT試験は、人材採用の門戸を広げる大きな手段だと考えています。たとえば、金銭的に苦しく、試験だけで地元に戻るのが困難な学生も受験できます。また、受験の事実そのものが、就職の決断を後押しするきっかけにもなり得ます。そのため、自治体が地元企業にもCBT試験導入を働きかけることは、企業の人材確保や組織の存続に寄与するものだと思います。さらに、自治体がテストセンター自体を管内に設けることも、地域振興につながると考えます。

―具体的に教えてください。

野口 200団体以上の資格試験を受験できる当社のテストセンターが近くにあれば、資格取得を目指す地域住民の利便性は高まります。また、有資格者が地域に増えれば、資格を活かした新たな職業や職場の創出も期待できます。そうした効果を見込み、実際にテストセンターを誘致した自治体もあります。CBT試験の導入や、テストセンターの誘致に関心のある方々は、お問い合わせください。

導入自治体事例 / 加古川市(兵庫県)
試験応募者数が約43%増加
優秀な人材確保につながると期待
[加古川市] ■人口:25万6,469人(令和5年11月1日現在) ■世帯数:10万9,683世帯(令和5年11月1日現在) ■予算規模:1,781億442万9,000円(令和5年度当初) ■面積:138.48km² ■概要:兵庫県南部の播磨灘に面し、播磨平野を貫流する加古川河口に広がる豊かな自然に囲まれた地域。海岸線には国内有数の鉄鋼工場があり、播磨臨海工業地帯の一翼を担う。ご当地グルメとして「かつめし」が有名。
インタビュー
濱田 慎矢
加古川市
総務部 人事課 人事係
濱田 慎矢はまだ しんや

 当市では、令和2年度の職員採用試験からSCOA総合適性検査のCBT試験を導入しました。当時は新型コロナウイルス感染症の流行時期で、例年通り密集した状態で長時間筆記試験を行うことによる感染リスクが懸念されていました。そこで、全国各地で分散して受験環境を提供できるCBT試験を導入しましたが、感染リスクを抑えられたこと以外に、試験応募者の大幅増という成果を得られました。具体的には、令和元年度の応募者は700人弱でしたが、令和2年度は約43%増の1,000人超にのぼりました。応募者の増加は、優秀な人材確保につながると期待できます。

 また、従来の試験では必要だった試験会場の確保や事前準備、試験当日の運営がなくなったため、採用担当職員の大きな業務改善につながっています。そこで生まれた時間を、もっと多くの応募者に当市のことを知ってもらい、選んでもらえるための情報発信や魅力発信にあてています。

株式会社日本経営協会総合研究所

創設/平成元年7月 資本金/6,000万円 従業員数/60人(役員、外部スタッフ含む) 事業内容/人事測定事業、昇進選抜支援事業、組織変革事業、能力開発事業など URL/https://www.noma.co.jp/ 一般社団法人日本経営協会(NOMA)グループ

株式会社シー・ビー・ティ・ソリューションズ
株式会社シー・ビー・ティ・ソリューションズ
設立

平成21年5月

資本金

3,000万円

売上高

73億9,500万円(令和5年4月期)

従業員数

100人(令和5年10月現在)

事業内容

試験運営総合委託サービスなど

URL

https://cbt-s.com/

お問い合わせ先
03-5209-0551(平日 9:00~18:00)
eigyou@cbt-s.com
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