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連載コラム「住民からの感謝状」
高齢障がい支援課の佐野さんへ (市内在住の女性)

《「住民からの感謝状」11通目》みなさんの仕事ぶりに感激し、不安があるなかでも前向きになれた

《「住民からの感謝状」11通目》みなさんの仕事ぶりに感激し、不安があるなかでも前向きになれた

※下記は自治体通信 Vol.59(2024年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

自治体の職員は日々、住民生活の維持・向上を図るべく、業務に取り組んでいる。そうした日常でもらう住民からの「感謝の言葉」は、職員にとって励みとなり、ときには、業務の本質に改めて気づかせてくれるヒントにもなる。とはいえ、実際に住民から感謝の言葉をもらえる機会はそう多くはないに違いない。そこで本連載では、住民から感謝の言葉を受けた自治体職員をクローズアップ。エピソードを通じて、職員たちの誇るべき仕事ぶりを紹介する。

感謝の言葉を受けて
市を代表して住民に接する自覚。その重要性を改めて実感しました
インタビュー
佐野 隆造
愛知県大府市
福祉部 高齢障がい支援課 高齢福祉係長
佐野 隆造さの りゅうぞう

―感謝の言葉を伝えられた経緯を教えてください。

 ある日、「介護中の母親が骨折した」という女性から電話があり、対応しました。女性は、病院から介護保険の利用を検討するよう助言を受けて問い合わせてきたのです。高齢の母親との将来の生活に対する不安から、彼女は途方に暮れた様子でした。このとき、担当係員が不在だったため、電話を取った私が続けて話を聞いたのですが、女性にはより詳細な説明や手続きが必要と判断したため、面談時間を決め、窓口でも私が対応しました。数日後、女性から手紙が届き、「大変親切にしてくれた」と感謝の言葉を伝えられたのです。

―自身で窓口対応を行ったのはなぜでしょう。

 対応する職員が変わることで、状況を繰り返し説明する負担を感じさせたくなかったからです。我々の部署を訪れる住民の多くは、その時点で生活に困難や不安を抱えています。私は、そうした住民には余分な負担をかけさせず、不安を少しでも払拭させることが大切だと考えています。そのため、相手の状況を把握したうえで、「介護保険制度がより適切な支援につながること」、「自治体の独自サービスで支援が可能なこと、かなわないこと」、「住民が自身で行える高齢者ケアに関すること」など、相手に寄り添い伝えることを心がけてきました。今回もそれを実践しただけですが、女性は「丁寧な提案を受け、一歩ずつがんばろうと思えた」と前向きな気持ちになれたとのことです。

―感謝の手紙から、どのようなことを感じましたか。

 印象的だったのは、手紙は会計年度任用職員の対応にも触れ、「みなさんのすばらしい仕事ぶりに感激した」という感謝の言葉も綴られていたことでした。私はここから、住民は職員の役職や職務に関係なく我々の仕事を見ているという、ある意味当然の事実に改めて気づかされました。それと同時に、窓口対応、電話対応のいずれにせよ、役職を問わず「市を代表して住民と接している」という自覚を持つことの大切さも改めて考えさせられました。その後、手紙は部署内で回覧させてもらいました。この貴重な手紙を励みに、今後も住民が気持ちよく思ってもらえるような対応を係員みんなに継続してもらいたいと考えています。


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jt_editorialdept@ishin1853.co.jp 『自治体通信』編集部

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