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連載コラム「住民からの感謝状」
上下水道局の職員さんへ (上下水道局の公式アプリを利用する女性)

《「住民からの感謝状」15通目》納入通知書がデジタル化されて便利、冷蔵庫の扉もスッキリしました

《「住民からの感謝状」15通目》納入通知書がデジタル化されて便利、冷蔵庫の扉もスッキリしました

※下記は自治体通信 Vol.63(2025年1月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

自治体の職員は日々、住民生活の維持・向上を図るべく、業務に取り組んでいる。そうした日常でもらう住民からの「感謝の言葉」は、職員にとって励みとなり、ときには、業務の本質に改めて気づかせてくれるヒントにもなる。とはいえ、実際に住民から感謝の言葉受けた自治体職員をクローズアップ。エピソードを通じて、職員たちの誇るべき仕事ぶりを紹介する。

感謝の言葉を受けて
業務効率化のためのDXの先にも、住民の暮らしがあると実感しました
インタビュー
郷田 秀章
大阪府堺市
上下水道局 サービス推進部 事業サービス課 主幹
郷田 秀章ごうだ ひであき

―感謝の言葉を伝えられた経緯を教えてください。

 堺市では、水道料金の確認や支払いを行える「すいりん」というスマホアプリを提供しています。このアプリは私が所属していた係が主体となって開発したもので、検針票と納入通知書をペーパーレス化できるのが最大の特徴です。水道利用に関する住民と役所のやりとりがすべてスマホで完結できるため、多くの利用者から「便利だ」という反響が寄せられています。感謝の言葉を伝えてくれた女性は普段、納入通知書を無くしてしまわないよう冷蔵庫の扉に磁石で貼りつけていたそうですが、いまはその必要がなく、アプリから支払いのリマインド通知も受けられるようになったことにメリットを感じているようでした。

―郷田さんは、どのような想いからアプリを開発したのですか。

 「人口減少に伴い料金収益が減り続けるなか、事業経営にかかるコストを削減しなければならない」という危機感をもっていました。我々は限られた財源で水道インフラを維持し、耐震化も進めていかなくてはなりません。しかしその一方で、我々の業務は毎回、段ボール数箱ぶんの紙の通知書を扱うため、莫大な印刷費や郵送費などがかかっていました。当時、納入通知書の電子化は全国に事例がなく、情報セキュリティや法律の面でハードルもありましたが、水道事業の持続性を高めるためには徹底してペーパーレスを目指したDXが必須だと考え、アプリ開発を進めてきました。アプリ開発により、実際に大きなコスト削減効果が表れていますが、住民からの反響も大きいと感じています。

―感謝の言葉を受けて、得られた気づきはありますか。

 今回のペーパーレス化へのこだわりには、「住民や社会のためのインフラを維持したい」という想いが根底にありましたが、そうした想いはアプリといった成果物にも表れ、住民に伝わるものなのだと感じました。同時に、業務課題の解決を目指したDXであっても、その先には住民の暮らしがあることも実感できました。「冷蔵庫の扉」の話も含め、住民から得る声には我々が想定していなかったものが多くあります。いまはそうした声や意見も汲み取り、住民視点に立ったアプリの機能改善にも努めているところです。


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jt_editorialdept@ishin1853.co.jp 『自治体通信』編集部

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