コクヨは、教育施設づくりを総合的に支援する事業を展開しています。
アクティブラーニング教室の整備や職員室改善などのリニューアルから新校舎構築まで、主体的・対話的で深い学びや働き方改革の視点から、お客様それぞれに最適な空間をご提案しています。
今回は、コクヨが家具納品を支援した大分県玖珠町教育委員会のICTを活用した学びにおけるご担当者様へのインタビュー記事を一部抜粋してご紹介します。
【納入事例:大分県 玖珠町教育委員会】
■概要
大分県中西部に位置する玖珠町(くすまち)は、豊かな緑に囲まれた人口14,000人あまりの町。2019年度に町内の7つの中学校が1校に統合されたのを機に、国のGIGAスクール構想に先立ち教育のICT化に取り組んできました。町内の小中学校に一人一台のタブレット端末を整備し、授業での活用も進んでいます。
さらに、2022年度には児童生徒用デスク拡張ツール「つくえ+(つくえたす)」を導入し、教育環境の拡充を図っています。
ICTは地域の子どもを育てるためのツールの一つ
地域と学校が一体となって子どもたちを育てる「コミュニティスクール事業」に取り組んできた玖珠町。その素地のもと2019年度より進めてきたのが、教育のICT化です。きっかけは、町内の7つの中学校が1校に統合されたことでした。
「世間的に、都会の公立学校や私立学校の方が教育環境が恵まれているという印象が少なからずあると思います。田舎の公立学校であっても、ICT化に取り組むことで教育環境を拡充し、都会ではできない教育が実践できるのではないか。そんな思いから、新しい中学校のコンセプトの一つに教育のICT化の推進を盛り込みました。そして、国のGIGAスクール構想に先立ち、校舎にハイスペックな通信環境を整備し、生徒に一人一台のChromebookを配備しました」(玖珠町教育委員会 教育政策課 教育政策班 兼 GIGAスクール推進室 主任・平川拓也さん)
玖珠町教育委員会が重視してきたのが、教育のICT化推進の先にある目的、つまり、子どもたちにどうなってほしいか、です。
「玖珠町は、人口流出・減少、生産年齢の低下など、多くの課題を抱えています。地域の子どもたちに玖珠町はどんなところかを尋ねると、『〜がない』とネガティブな声が出てきがちで、玖珠町のいいところについても、『自然が豊か』以上のことを言えません。一方、玖珠町の魅力を求めて都会から足を運ぶ人々もいます。5年後、10年後に選挙権を得てまちづくりの主体者になる子どもたちに、地域のことを知ってほしい、気づいていない地域の魅力を発見してほしいというのが、私たちの願いです。教育のICT化は、この願いを実現するための手段の一つ。あくまでもツールであり、大事なのはそれをいかに活用して地域の子どもたちを育てるかということなのです」(玖珠町教育委員会 教育政策課 指導企画監 GIGAスクール推進室 室長・衛藤公彦さん)
子どもたちが発見した地域の魅力を、子どもたち自身が発信する
こうした背景から2021年度に立ち上がったのが、「玖珠町ジュニアICTリーダー事業」です。子どもたちが発見した地域の魅力を子どもたち自身が発信するというコンセプトのもと、小学校高学年(2021年度は5年生以上、2022年度以降は4年生以上)から中学生の「ジュニアICTリーダー」が活動。ICTの専門家らの指導のもとタブレット端末の活用法やWebサイト構築のノウハウなどを学び、玖珠町の魅力を発信する公式サイト「玖珠町大百科」の制作に取り組んでいます。
2021年度は54人が参加し、2022年度は新たに17人が加入(2023年度は募集中)。「わたしたちが考える玖珠町の魅力」として、お祭りやグルメ情報のほか、地域の高齢者の活動の様子なども取材・発信しています。
「ジュニアICTリーダーの活動をきっかけに、総合的な学習の時間で地域について調べて町の執行部に提言した生徒、観光客や関係人口を増やすためのリソースの活用法を調査して大分県のプレゼンテーションコンテストで優勝した生徒なども出ています。地域の魅力発見やICTのスキルアップだけでなく、それをアウトプットする力や積極性も身についていると感じます。ICTに長けた子が学校の先生のサポートをしたり周囲の子に教えたりする姿も見られ、どんどん力をつけて活躍する姿に驚かされています」(衛藤さん)
校務や授業で進むICT活用。
教科・科目の特性に合わせた柔軟な判断がカギ
学校でもICTツールの活用が進んでいます。「先生方は、書類の配信・共有といった校務で使いはじめ、それが次第に授業にも浸透していった」と平川さん。導入から3年あまり経った今では、Google Classroomを使った授業のレジュメの配信や提出物の収集、出欠確認などは「中学校ではほぼスタンダードになっている」と衛藤さん。教員により多少の差はあるものの、小学校でも活用が進んでいます。
「Google Earthで教室にいながら世界中を見て回ったり、英語のリアルな発音に触れたりと、デジタルの活用により学びの幅を広げることができます。一方で、従来のやり方が向いている教科・科目もあるので、さまざまなものを使ってみながら柔軟に判断していくべきだと考えています。また、子どもにどこまで自由にタブレット端末を使わせるかという課題もありますが、教員や保護者の声も聞きながら判断し、リテラシー教育も並行して進めています」(玖珠町立塚脇小学校 校長・平原一幸さん)
授業中に机の上が物でいっぱいに…。
課題を解決するために、「つくえ+(つくえたす)」を導入
一方、タブレット端末、教科書、ノート、筆箱…と、授業中に使うツールが増えると、どうしても机の上が物でいっぱいになってしまいます。この課題を解決するために導入したのが、「つくえ+(つくえたす)」です。
「タブレット端末は、一度閉じて机にしまってしまうと使わなくなりがちなので、常に机上にある状態にしておきたかったんです。とはいえ、物が多すぎると机の上が乱雑になりますし、端末を落として壊してしまうリスクもあって。机を拡張する製品があることは聞いていたので、複数のメーカーの製品を取り寄せ、小中学校の校長先生たちにも立ち会ってもらい実際に試してみました」(平川さん)
「最初は、つくえ+では拡張幅が短いかなと思ったのですが、長すぎると机間巡視の際や机を移動する際に邪魔になってしまって。つくえ+は溝があることで教材を立てて立体的にスペースを使えるため、机上の空間が拡張できる、かつ、教室が狭くならないという2点においてバランスがよく、いいなと思いました」(平原校長)
■玖珠町教育委員会 インタビュー記事詳細
コクヨの教育空間ウェブサイトでは、玖珠町教育委員会の学びのICT化に携わられた教育委員会ご担当者様等へのインタビュー記事全文をご紹介しています。
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