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アクティブラーニング教室の整備や職員室改善などのリニューアルから新校舎構築まで、主体的・対話的で深い学びや働き方改革の視点から、お客様それぞれに最適な空間をご提案しています。
今回は、東京都板橋区立板橋第十小学校の校長・副校長先生に「学校現場から始めた働き方改革」についてお話を伺った、特集記事を一部抜粋してご紹介します。
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【働き方改革実践事例:東京都 板橋区立板橋第十小学校】
■概要
令和2年度に改築を終えた板橋区立板橋第十小学校。改築を機に職員室のデスク類は新しいものに入れ替わり、レイアウトも変わりました。一方、将来的には教員数の増加により、執務スペース不足という課題が生じることが想定されていました。 この課題解決に、同校の教員と千葉工業大学創造工学部デザイン科学科の倉斗研究室とが協働で取り組みました。
席数が足りなくなる!?
小学校と大学研究室が手を取り、職員室の環境改善に取り組む
板橋第十小学校では、働き方改革の推進に伴い、職員室の環境改善に取り組んできました。
令和2年度には校舎改築を機に、キャスター付き・ワゴンレスのデスクや個人の所有物を保管するパーソナルロッカーを導入。同時に固定席制を廃止し、学年ごとにエリアを決めた上で、自分の席を自由に選択する「グループアドレス方式」を取り入れました。他の学年の教員とのコミュニケーション活性化を目的に、学年ごとのエリアも2週間に一度ローテーションして運用をしていました。
一方、学校建築を専門とする千葉工業大学創造工学部デザイン科学科の倉斗綾子教授は、以前から板橋区と協働し、子どもたちの主体的な学びに合わせた学習環境づくりの実践研究に取り組んできました。その一環として、板橋第十小学校の校舎に設けられた学年ごとの「オープンスペース」の使い方についての調査・研究を行ってきました。倉斗教授は、改築を終えた同校を訪れた際、前任の校長先生からこんな相談を受けました。
「近い将来、クラス数の増加に伴う教員数の増加が予想され、このままでは職員室のスペースが足りなくなる。フリーアドレス化を見据えてデスク類のレイアウト変更を検討中なのだが、一緒に考えてもらえないだろうか…」
実は、倉斗教授は、多くの小中学校に出入りするなかで、ある課題を感じてきたと言います。
「とにかく先生方が忙しいんです。皆さんたくさん仕事を抱えていて、子どもの学習環境について一緒に考えていきましょうと言っても、そこまで手が回らない。そんな状況を目の当たりにし、大きな問題だと感じてきました。とはいえ、職員室は外部の私たちにとってはアンタッチャブルな雰囲気で、これまでは職場環境の改善や働き方改革については関与してこれませんでした。そんな中で校長先生にお声がけいただき、ぜひ一緒に取り組んでみたいと思いました」(倉斗教授)
職員室に人がいない!?
職員室の稼働率の低さを数字で目の当たりにする
こうして令和3年度から始まったのが、板橋第十小学校の職員室改善プロジェクト。まずは、職員室の利用状況を調査するところからスタートしました。倉斗研究室の学生らが加わり、教員の職員室滞在率や滞在時間を測定。その結果、「全然、人がいない」という状況が浮き彫りになりました。
「なんとなく予想はしていましたが、実際にデータを見ると、驚くほど職員室に人がいなかったんです。民間企業の場合、オフィスの稼働率はコストに直結するためかなりシビアに見ますが、学校の場合はそういう視点がなかったなと気づかされました。同時にこの状況は、フリーアドレスが有効なケースだと思いました」(倉斗教授)
「本当に、小学校の職員室って人がいないんです。教員は自分の受け持つクラスの教室で仕事をするケースが多く、職員室で全員が揃うのは週3回の全体会議のときくらい。普段は空いている席がたくさんあります」(板井信孝副校長)
利用状況の調査と並行して、教員へのアンケート調査も実施。固定席をなくしてグループアドレスに切り替えたことに対しては、「最初は席替えが面倒だと思ったが、慣れた」「固定席の良さもあるが、グループアドレスも良い」「2週間に1回、デスク周りを片付ける強制力は悪くない」など、変化を受容する意見も多くみられたといいます。(つづく)
■板橋区立板橋第十小学校 特集記事
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