
2024年12月24日、「DXマインド醸成イベントSUMIDA×DX展2024」がすみだリバーサイドホール(墨田区役所隣接)にて開催されました。本イベントは墨田区役所職員を参加対象としており、0(ゼロ)予算で職員のボトムアップにより実施している職員啓発イベントです。
令和6年度は2回目の開催となりますが、枠数を超える出展意向が寄せられ、イベント内では企業出展やセミナーのほか、庁内システム体験、他自治体との交流、庁内のDX事例のDX AWARDが開催されました。
2024年度の来場者数は751名!注目は「SUMIDA DX AWARD」
「SUMIDA DX AWARD」の様子
昨年度の来場者数は約600名。今年度はさらに規模を拡大し、751名(区職員548名、視察者43団体203名)が来場しました。特に「SUMIDA DX AWARD」には126名が参加し、盛り上がりを見せていました。
「SUMIDA DX AWARD」には各課から寄せられた23件のDXの取り組みのうち7件がファイナリストとして登壇し、窓口DXSaaSの導入に向けた窓口改革といった「業務改善部門」や、各課手続のオンライン化といった「区民サービス向上部門」の取り組みを発表。全国的にも珍しい他自治体とのクロス窓口体験調査の結果が発表される等、墨田区長からは「『DXを進めよう』という熱い気持ちを感じた。各課の地道なDXの取り組みは素晴らしく、墨田区役所が一丸となってDXを進める雰囲気を誇りに思う」といったコメントが寄せられました。

(写真左)墨田区副区長 岸川 紀子(きしかわ のりこ)、(写真中央)大賞受賞者 子
育て支援課 伊藤 大地(いとう だいち)、(写真右)墨田区長 山本 亨(やまもと とおる)
開催2回目となるSUMIDA×DX展。墨田区の抱えるDX推進の課題とは?
SUMIDA×DX展は今回2度目の開催ですが、背景には墨田区がDX推進において以下のような課題を抱えていたことにあるとのことです。
- ICT部門や各課のICT担当以外、IT事業者との接点がない
- 外部のDX推進イベント距離的な課題等ハードルが高く、参加する職員が少ない
- システムに苦手意識をもつ職員が多い
- 他自治体との情報共有の場が少ない
これらの課題を解決するために、本イベントでは様々なソリューションの体験によるリテラシーの向上や事業者との接点創出、情報共有・収集の場の提供を実施し、職員のデジタルに対するハードルを下げることや各課の機運醸成、庁内DXの推進を目指しています。
また、同区担当者によると、本イベント実施にあたっては会場設営からスケジュール調整等の全体構成等を職員自らで作り上げ、人件費や展示費用は事業者持ちとすることで事業者からも出展料を徴収せずに0予算での事業実施を実現されたそうです。

来場者アンケートの結果
今回の開催を経て、墨田区役所内ではICT部門に対する業務改善に関する相談が増え、DXに関する機運醸成を実感しているといいます。
相談が増えたことで手続のオンライン化の推進や業務改善といった効果や、事業者と各課の接点創出につながり、最新ツール導入にあたっての検討も進んでいるそうです。
イベントに出展した事業者からも、「今回のSUMIDA×DX展のような内覧会を開くことで、IT関連に強い課や、上層部だけではなく現場職員様への勉強の機会になっていると感じた」「興味を持ってきてくださる関係者が多かったことから一回一回密度の高い商談ができた」といった声が寄せられており、本イベントを契機として、墨田区のDXはより一層推進されたことが伺えます。
今回のイベントを担当した墨田区 企画経営室 ICT推進担当にインタビュー
今回のイベントを担当された墨田区 企画経営室 ICT推進担当より、自治体通信をご覧の皆様へコメントをお預かりいたしましたのでこの場でご紹介いたします。
DXという言葉がでる前のデジタル部門はセキュリティの関係でお堅い相談しづらいイメージがあったと思います。実際、本区もそうでしたし、私も今の部署に異動するまでそう思ってました。
ただ、最近はICT推進担当は相談しやすいし、変わってきたと庁内でも言われています。
今後、更にデジタル化が進んでいった時に、それぞれの所管課が自分たちで考えていくことができる土台を支援することが重要だと思います。
本事業はデジタル部門と所管課が一緒にDXを推進し、信頼関係を構築するうえで、大事な施策だと思っています。0予算でボトムアップ、誰でもできる横展開しやすい事業なので、ぜひ皆さんにもやっていただきたいと思います。どんな風に実施したのか詳細を聞きたい場合はお気軽にご相談ください。
墨田区 企画経営室 ICT推進担当の皆様