日本では急速に高齢化が進行しており、それに伴い高齢運転者が引き起こす交通事故の割合も増加しています。 また、各自治体には高齢運転者の安全運転の継続を支援し、交通事故を未然に防止することによって、市民の安全を守ることが求められています。
そのため、以下にて各自治体様向けに高齢運転者の安全運転可能な状態維持の⽀援を⽬的として開発された、高齢運転者認知機能支援ツール「ABCD」の貸出サービスについてご紹介いたします。
1.高齢運転者認知機能支援ツール「ABCD」とは
「ABCD」とはActive Brain CLUB for Driverの略であり、高齢運転者の運転寿命延伸のために開発された対策ツールです。貸出期間中に高齢運転者向けイベントでの体験を通じて、認知機能や視機能の維持が大切であることへの気づきを与えることができます。
2.高齢運転者のリスク
①認知機能低下
感覚器官から受容した情報を分析し、判断・指令を出すのが脳の役割であり、総称して「認知機能」といいます。認知機能は加齢に伴い低下します。
認知機能については、脳のさまざまな部位が関与しますが、特に注意機能、⽬的決定や動作選択、感情の制御に関与する「前頭前野」が重要な役割を担っています。
②視機能低下
感覚器官の中でも運転に最も影響が大きいのが「眼の⽼化」です。運転中に動いている交通環境を⾒極めるのに必要な「動体視⼒」や、明暗差に対応する「明暗順応」、両眼をバランスよく使って距離を把握する「深視⼒」、動きのあるものに気づく「有効視野」などの衰えは、発⾒の遅れや⾒落としなどの原因となります。
3.「ABCD」活用によって期待できる効果
高齢運転者認知機能支援ツール「ABCD」では、高齢運転者のリスクとしてあげられる「視機能低下」「認知機能低下」の改善が期待できます。
①認知機能改善
本「ABCD」では下図のとおり運転に必要な認知機能の改善が期待できるトレーニングツールを導入しています。
脳トレ中の脳活動をタブレットの背景色で表示します。脳トレをすることで、脳活動が活性化し、画面の色が、青から黄色、赤へと変化します。
②視機能改善
本「ABCD」では下図のとおり運転に必要な視機能の改善が期待できるトレーニングツールを導入しています。
飛び出しを未然に防ぐ、車間距離を正しく把握するなど、安全運転を続けるためには、目の衰えを防ぐことが大切です。研究に基づいた独自の目のトレーニングでは、視線移動、動体視力、周辺視野を鍛えます。
4.本「ABCD」にて導入している運転継続判定アプリ「運転脳チェック11」について
2020年5月NPO法人高齢者安全運転支援研究会は,研究から導き出した認知機能低下が招きやすい運転上の不具合をセルフチェックできるアプリ「運転脳チェック11」を開発しHP上で公開しました。
本ABCDではこの運転継続判定アプリ「運転脳チェック11」を導入。チェック機能として目的別にNeU社※より提供される「脳年齢チェック」「脳活動測定ブレインメーター」なども組み込んでおり、アプリによるチェック機能や学習機能で運転⾏動の変化の促進が期待できます。
※NeU社・・・東北大学と日立ハイテクの共同で設立
脳科学研究成果の社会実装化を目的とし、脳計測ツールを活⽤したニューロマーケティングを展開
下図はアプリ使用例
5.最後に
MS&ADインターリスク総研の持つ安全運転指導ノウハウを⽣かすため、高齢運転者向けの学習用読み物を作成しました。本ABCDではコラム形式による高齢運転者の「安全運転のポイント」を20篇用意し、川島 隆太博士※の「運転と脳」の解説動画も収録しております。
講習会やセミナーでの動画公開、待合時間にコラムを読んでいただくなどが可能です。
※川島 隆太博士・・・「脳トレ」の第一人者である脳科学者(東北⼤学加齢医学研究所所⻑)
下図は川島 隆太博士解説動画例
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