※下記は自治体通信 Vol.24(2020年6月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
現在、新型コロナウイルス感染症の対策として、「3密」(密閉・密集・密接)を避けることが重要となっている。自治体の窓口業務においても、それは同様だ。自治体に向けてシステムの導入を行ってきた日本ソフトウェアマネジメントの平田氏は、「窓口の混雑を緩和する方法はある」と話す。担当者の田中氏も含めた両氏に、詳細を聞いた。
窓口受付で待つ住民を、根本的に減らす施策が必要
―自治体の窓口受付における混雑状況はいかがでしょう。
平田 各自治体がHPや広報誌などを通じて、不要不急の来庁を控えるよう情報を発信していることもあり、通常より来庁者は少ないようです。しかし、もう時期は過ぎましたが、転入・転居、国民健康保険や後期高齢者医療に関する手続きが多い3、4月の繁忙期はどうしても混雑してしまいます。そのほか、来庁して行わなければならない各種手続きはありますし、今後は助成金や給付金の申請といった対応も増えていくでしょう。
田中 待合スペースにある椅子の間隔を広げたり、待合スペースそのものを拡大するなどの対策が各自治体で行われています。それも大切な取り組みですが、根本的に窓口受付で待つ住民を減らすための施策が必要です。
―どのような施策を行えばいいのですか。
平田 とにかく、「住民を待たせない」「庁舎内に滞在させない」「混雑時には来庁を控えてもらう」ための施策を行うことです。そうすれば、窓口対応における「3密」を防ぐことができます。当社では、そうした施策に対応できる窓口連携システム『かめさぽ』を提供しています。
Webとの連携で、混雑状態を緩和させる
―詳しく教えてください。
田中 もともとは、繁忙期の混雑を緩和するためにつくられたシステムです。まず、複数の課をまわる必要がある場合、いちばん最初の窓口でその日にまわる予定の窓口を一括して予約することが可能です。住民は受付終了時に発券機から番号札を受け取るのですが、すべて同一の番号で各課をまわれ、優先的に呼び出されます。その都度受付して並びなおす必要がないため、早く来庁した人は早く退庁できるというわけです。
平田 番号札には、二次元バーコードがついています。それをスマートフォンで読み込んでシステムにアクセスすれば、どこにいても自分の待ち状況がわかり、順番が近づくとお知らせ通知がきます。つまり、庁舎内にいなくても順番を待つことが可能なのです。
―そのほかに機能面の特徴はありますか。
田中 Webを通じて、日時を指定した窓口予約ができます。混雑が多い業務を事前予約にして、混雑をさせないという考え方です。予定した日に発券して時間がくれば、待つことなく呼び出されるのです。また、Webでは「市民課では現在30人が待っている」といったように、当日の混雑状況を事前に把握することも可能。そうすれば「今日は混んでいるから別の日にしよう」といった来庁の抑止にもつながるのです。ちなみに窓口支所がある場合は、本庁と連携して混雑状況を確認することも可能です。「本庁は混んでいるけど、家に近い支所が空いているので行こう」という判断ができるのです。
―自治体に対する今後の支援方針を教えてください。
平田 新型コロナウイルスの登場で、窓口業務における混雑対応の考え方を変える必要が生じています。当社では、「混雑した状況をいかに解決するか」から「混雑をさせない」という新たな発想で、特にこの窓口連携システムの事前予約機能を提案したいと思っています。
これにより、職員の方も住民の方も計画的に行動をすることができるようになり、新型コロナウイルス感染症のストレスからも解放されます。
平田 春幸 (ひらた はるゆき) プロフィール
昭和38年、福岡県生まれ。昭和60年、日本ソフトウェアマネジメント株式会社に入社。医療や公共などの開発業務を担当。平成22年から、自社製品の営業部に配属。
田中 諒 (たなか りょう) プロフィール
平成3年、東京都生まれ。平成26年、日本ソフトウェアマネジメント株式会社に入社。公共系(医療)のシステム導入・保守業務を担当。令和2年から、自社製品の営業部に配属。
日本ソフトウェアマネジメント株式会社
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