自治体通信ONLINE
  1. HOME
  2. 自治体向けサービス最新情報
  3. 国が推す教育現場の負担軽減策、学校給食費の「公会計化」を促進せよ

国が推す教育現場の負担軽減策、学校給食費の「公会計化」を促進せよ

[提供] NTTファイナンス株式会社
国が推す教育現場の負担軽減策、学校給食費の「公会計化」を促進せよ
この記事の配信元
NTTファイナンス株式会社
NTTファイナンス株式会社

文部科学省の取り組み

教育現場の働き方改革①

国が推す教育現場の負担軽減策、学校給食費の「公会計化」を促進せよ

文部科学省 初等中等教育局 健康教育・食育課長 平山 直子

※下記は自治体通信 Vol.28(2021年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


昨今、社会問題化する教員の業務負担増大。これを受け、国はこれまで学校現場の管掌とされることの多かった学校給食費の徴収・管理業務を自治体へ移管し、その歳入と歳出を管理する「公会計化」を進めている。そうしたなか、文部科学省では公会計化の推進状況について調査を行い、その結果を発表。調査の背景やその結果に対する分析、さらには今後の取り組み方針などについて、同省初等中等教育局健康教育・食育課長の平山氏に聞いた。

文部科学省
初等中等教育局 健康教育・食育課長
平山 直子ひらやま なおこ

公会計化未着手の自治体が、まだ多いのが実情

―国が学校給食費の公会計化を進める背景を教えてください。

 平成31年2月の中央教育審議会の答申において、学校給食費をはじめとする学校徴収金の徴収・管理業務は「学校・教師の本来的な業務ではない」と整理されました。これを受け本省としては、教員の働き方改革の観点からも重要と考え、学校給食費の公会計化を促進してきました。

 ただし、公会計化の背景には、教員の業務負担軽減のほかに、もうひとつ重要な目的があります。

―それはなんでしょう。

 従来の制度では、支払われない給食費の回収責任は学校長に帰属しますが、現実問題として、学校長が裁判などを通じて家庭から取り立てることは難しいです。そうなると、欠損額はPTA会費から充てたり、給食のメニューを変えたりするなどの処置がとられ、事実上ほかの家庭の負担となってしまっている現実があります。こうした問題を解消するために、学校給食費を自治体の歳入・歳出予算に組み入れ、欠損分は自治体の責任で回収する。それが、公会計化を進めるもうひとつの目的です。

 「徴収は口座振替を利用しているので、教員の負担はない」として、公会計化を進めていない自治体がまだ多いのが実情です。そこに対しては、本省としても公会計化の趣旨をあらためて周知していく必要があると考えています。

―文部科学省では先ごろ、公会計化の進捗状況を調査していますね。目的はなんだったのですか。

 先ほど指摘した、学校給食費の未払い問題に関しては、公会計化の動きとともに、もうひとつの議論があります。先の地方分権改革に関する提案募集では、学校給食費を徴収できなかった家庭に対しては、児童手当から強制的に徴収できるよう制度改正を望む声が自治体から寄せられているのです。

 かりにこうした法改正を進める場合、その前提として、たとえば、債権回収の手続きを踏んできた実績などが必要になります。従来は、未払い問題は学校現場に任せきりだったため、回収手続きが徹底されていたとは言えない現実があります。そこで、まずは公会計化を徹底する必要があることから、全国の進捗状況を調べることにしたのです。

運用負担を軽減できる、最新ITツールは有効な方法

―調査結果は、どのようなものだったのでしょう。

 調査は、令和元年12月1日を基準日としたもので、学校給食を実施している全国1,779の教育委員会などから回答を得ました。その結果、実施している教育委員会は26%にとどまり、準備・検討をしている教育委員会を含めても、全体の57.1%という結果でした。

 逆に、実施を予定していない教育委員会が42・9%もあり、非常に多かったと受け止めています。予定していない教育委員会では、「業務システムの導入経費や運用負担」や「人員が確保できない」といった理由が多かったです。

―文部科学省として、どのような支援を考えていますか。

 最新のITツールを導入し、運用の負担や人員確保の問題を解消していくことは、有効な方法だと考えています。新しいシステムを単独で開発・導入するのではなく、既存システムへの機能追加やクラウド技術の導入もひとつの方法でしょう。本省としても、先行する成功事例の情報を発信していくことで、公会計化の動きを後押ししていく考えです。

 いま、貧困や児童虐待など社会のひずみが生み出している家庭問題は多く、その解決は、学校だけではできません。子どもの成長は社会全体で見守っていくべきものです。その意味からも、学校給食費の公会計化は非常に象徴的な取り組みと位置づけており、着実に進めていかなければならないと考えています。


民間企業の視点

教育現場の働き方改革②

徴収・管理業務の徹底した自動化で、学校給食費の公会計化は実現できる

NTTファイナンス株式会社 取締役 ビリング事業本部 ビリングソリューション部長 渡邊 知男

文部科学省が進める学校給食費の公会計化。民間企業のあいだでも、この取り組みを支援する動きが出始めている。そのひとつとして、NTTファイナンスではこのほど、学校徴収金の徴収・管理業務を自動化する独自のクラウドシステムを開発。学校現場への導入支援に力を入れている。このシステムを統括する同社ビリング事業本部の渡邊氏に、学校給食費の公会計化を取り巻く状況や現場に求められる支援などについて、話を聞いた。

NTTファイナンス株式会社
取締役 ビリング事業本部 ビリングソリューション部長
渡邊 知男わたなべ ともお

4割以上が未導入の公会計化、徴収・管理の自動化が解決策に

―学校給食費の公会計化をめぐる自治体の状況はいかがでしょう。

 令和元年の文部科学省による調査を受けて、当社でも令和2年、独自に公会計化の検討状況について全国の自治体へアンケートを実施しました。その結果は前年の調査と大きく変わらず、4割を超える自治体が未導入で、学校給食費の公会計化は進展しているとは言い難い状況です。

 さらに詳しく学校現場の声を聞くと、「どのように進めていけばいいかわからない」「システムに詳しい人材がいない」「新たなシステムの導入予算が足りない」といった声が多かったです。現場の先生方は生徒とのお金のやり取りを負担に感じ、課題認識はありながらも、なかなか対策が進んでいないというのが実情のようです。

―なにか解決策はありますか。

 導入コストを抑え、運用に人手や手間がかからない徴収・管理の自動化サービスを導入するのは、有効な解決策になると考えています。

 たとえば当社では、NTTグループの電話料金の請求・回収業務を担ってきたノウハウを導入した『楽々クラウド決済サービス』を開発。この10月から社会福祉法人神戸市社会福祉協議会にお使いいただくとともに、全国の自治体や学校現場へのご提案を開始しています。これは、期初に名前や口座情報、徴収時期などの徴収計画を登録すれば、生徒管理から徴収、管理までの一連の業務をクラウド上で自動化できるサービスです。給食費のみならず、PTA会費や教材費といった学校徴収金全般に活用できるので、それらを登録することで毎月の徴収金額を自動計算し、一括で徴収を行うことも可能です。

徴収金業務から先生を解放し、子どもとの時間を増やしたい

―特徴を詳しく教えてください。

 まずは、クラウドサービスであるため、導入コストを大きく抑えている点です。教育委員会単位で導入し、複数の学校を一括管理できれば、さらに費用対効果を高めることができます。従来、学校徴収金の徴収・管理業務は学校単位で行っており、規模によっては事務員の方を雇って手作業で対応している学校もあります。そうした場合、最大で8割程度の業務効率化ができると試算しています。

 また、期初の登録データの入力といった煩雑な作業は、アウトソーシングサービスをご提供することで、現場でのシステム運用負担を抑えるサポートも行っています。

 さらに、あらゆる金融機関の口座振替やクレジットカードなど、多様な決済手段に対応することで、保護者の方の利便性を高めているのも特徴です。

―今後、学校給食費の公会計化をどのように支援していきますか。

 NTTグループでは、GIGAスクール構想をはじめとする教育ICT化支援を展開するなかで、教育現場のニーズにきめ細かく対応してきました。なかでも、全国津々浦々に展開する拠点ネットワークを駆使したサポート体制や、情報通信企業として提供する最高レベルの情報セキュリティ体制は、教育現場から高い評価を得てきたと自負しています。そのNTTグループの一員である当社がご提供する『楽々クラウド決済サービス』で、学校徴収金業務から先生たちを解放し、子どもたちと向き合う時間を増やすお手伝いをしたいと考えています。学校給食費の公会計化に関するご相談は、ぜひ当社までお問い合わせください。

渡邊 知男 (わたなべ ともお) プロフィール
昭和42年、兵庫県生まれ。平成2年4月に日本電信電話株式会社に入社。西日本電信電話株式会社ビジネス営業本部企画部長などを経て、令和2年6月より、現職。
NTTファイナンス株式会社
設立 昭和60年4月
資本金 167億7,096万円
売上高 4,538億円(令和2年3月期)
従業員数 5,997人(令和2年3月期)
事業内容 通信サービスなど料金の請求・回収業務、集金代行・支払代行および企業の計算事務代行、クレジットカード業など
URL https://www.ntt-finance.co.jp/
お問い合わせ電話番号 0800-555-05-50(担当:ユーザーサポートセンター、9:00〜17:00、土日祝日・年末年始を除く)
お問い合わせメールアドレス info-ml@ntt-finance.com
この記事で支援企業が提供している
ソリューションの資料をダウンロードする
NTTファイナンス株式会社
NTTファイナンス株式会社
電子印鑑ならGMOサイン 導入自治体数No.1 電子契約で自治体DXを支援します
自治体通信 事例ライブラリー
公務員のキャリアデザイン 自治体と民間企業の双方を知るイシンが、幅広い視点でキャリア相談にのります!