民間企業の取り組み
窓口業務のシステム導入
オンライン化を見すえた、窓口業務のシステム構築を急げ
日本ソフトウェアマネジメント株式会社
IS部 シニアエンジニア 森 一浩
製品企画部 松井 瑞菜
全国の自治体において、デジタル・トランスフォーメーション(以下、DX)が推進されている。自治体に向けてシステム導入を支援してきた日本ソフトウェアマネジメントの森氏は、「なかでも、窓口業務のオンライン化が注目を集めている」と話す。どうすれば、業務のオンライン化をスムーズに行えるのだろうか。同社の松井氏を含めた両氏に、詳細を聞いた。
※下記は自治体通信 Vol.32(2021年8月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
コロナ禍で再認識された、自治体DX推進の必要性
―窓口業務のオンライン化に注目する自治体は増えているのでしょうか。
森 実際に増えていますね。その背景として、やはり新型コロナウイルスの感染拡大があげられます。もともと、住民窓口は繁忙期も含め、混雑する傾向にありました。それが、新型コロナウイルスの影響で「とにかく住民を待たせない」「庁舎内に長く滞在させない」ことが重要視されるように。そしていちばんの理想は、「そもそも住民に来庁させない」ことです。総務省も住民窓口業務のオンライン化を重要な取り組みと位置づけているため、大きな注目を集めているのです。
―窓口業務のオンライン化をスムーズに進めていくにはどうすればいいでしょう。
松井 まずは、オンライン化を前提としたシステム導入が重要だと考えています。せっかく窓口業務のDXを図ったとしても、その延長線上に「オンライン化」が見通せなければムダな投資になりかねませんから。そのために、まずは従来における窓口受付業務のやり方から見直すことをおススメしています。たとえば、当社が提供している窓口システム『かめさぽ』を活用すれば、オンライン化に向けたDXの導入準備ができます。
職員が行う申請書作成から、住民自ら行う申請書作成へ
―詳しく教えてください。
森 従来の住民窓口業務の多くは、住民票や印鑑登録証明書の交付などの比較的簡単なものをのぞき、申請に必要な情報を職員が住民からヒアリングするカタチで申請書を作成する手順になっています。なぜなら、住民の家族構成によっても申請するジャンルは多岐にわたり、必要な申請書や用意しておくものも異なるため、職員のサポートが必要だからです。
しかし、その仕組みでは業務をオンライン化するのは難しい。そこで当社では、自治体庁舎に設置した専用端末から『かめさぽ』を使い、住民自らが申請書を入力、作成するモデルを用意しています。そうすれば、オンライン化した場合、住民は同じ作業を自宅のパソコンやスマートフォンで行うだけですから、スムーズな移行ができるというわけです。
―どのようにして住民自らが申請書を入力、作成できるようにしているのですか。
松井 『かめさぽ』のシステムでは、当社独自の「Q&Aガイド」を用意。ライフイベントや世帯構成などの質問に答えていくだけで、住民に必要な申請がわかります。そして、画面上に用意された「申請書」に必要な情報を記入していけばいいのです。複数記入が必要な場合は、当然名前や住所といった基本情報は自動転記されますし、プルダウンでの項目選択や金額などの自動計算なども可能です。
―今後における自治体の支援方針を教えてください。
森 『かめさぽ』により、窓口業務のオンライン化に貢献していきたいですね。どうしても来庁する必要がある場合は、『かめさぽ』を使って自宅から事前に窓口予約を行ったり、空いている支所を選択したりすることも可能です。
今後窓口業務のDXを図っていくには、オンライン化を既定路線と考えた準備を行っていくことが重要になります。『かめさぽ』はソフトウェアのため、従来の基幹システムと連携するカタチで導入でき、既存のシステム自体を見直す必要はありません。将来に向けて、ぜひ『かめさぽ』の導入を検討してほしいですね。
森 一浩 (もり かずひろ) プロフィール
昭和49年、神奈川県生まれ。平成9年、日本ソフトウェアマネジメント株式会社に入社。医療・公共のシステム導入・保守業務を担当する。令和3年から、自社製品の導入・保守部門に配属。
松井 瑞菜 (まつい みずな) プロフィール
平成9年、神奈川県生まれ。令和2年、日本ソフトウェアマネジメント株式会社に入社。学校徴収金の管理システムを普及・拡大する業務に携わり、システム操作研修や新規製品企画を担当している。
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