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連載コラム「住民からの感謝状」
協働センターの野嶋さんへ (高校卒業を控えたボランティアの男性)

《「住民からの感謝状」9通目》人とのつながりの大切さを知り、「人生が変わった」と感じた

《「住民からの感謝状」9通目》人とのつながりの大切さを知り、「人生が変わった」と感じた

※下記は自治体通信 Vol.57(2024年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

自治体の職員は日々、住民生活の維持・向上を図るべく、業務に取り組んでいる。そうした日常でもらう住民からの「感謝の言葉」は、職員にとって励みとなり、ときには、業務の本質に改めて気づかせてくれるヒントにもなる。とはいえ、実際に住民から感謝の言葉をもらえる機会はそう多くはないに違いない。そこで本連載では、住民から感謝の言葉を受けた自治体職員をクローズアップ。エピソードを通じて、職員たちの誇るべき仕事ぶりを紹介する。

感謝の言葉を受けて
社会教育施設としての公民館。その役割の重さを改めて実感した
インタビュー
野嶋 京登
静岡県浜松市 富塚協働センター
主任 コミュニティ担当
野嶋 京登のじま きょうと

―感謝の言葉を伝えられた経緯を教えてください。

 私が勤務する富塚協働センター(公民館)では、独自のボランティア制度に約40人の高校生以上の若者が登録し、みんなで地域づくりの活動を企画・開催しています。あるとき、そのボランティアの高校生から「就職先が決まった」と報告を受けました。その際に、「協働センターの活動にかかわり続けるなかで、価値観や人生が変わっていった」と、感謝の言葉を伝えられたのです。彼は中学生の頃、「学校に行く意味を見出せない」と、不登校を続けていた時期があったようです。しかし、世代・ジャンルを越えた音楽祭や、ごみゼロイベントの開催といった地域ぐるみの活動を通じ、みんなで協力してなにかを成し遂げることの大切さを知ったというのでした。

―そのような活動の場をつくれているのはなぜだと思いますか。

 私は、地域づくりを進めるうえでは最低限、かかわるすべての人の名前と顔、特技を覚えることを心がけています。さらに、相手が若者で、ある程度親しい関係を築けたら、苗字ではなく名前で呼ぶことにもこだわっています。シンプルではありますが、こうしてできる限り相手のことを知り、一人ひとりとじっくり向き合っていく。そうしてこそ、地域が抱える課題が見えてきたり、それを解決するためのアイデアが集まってきたりすると考えるからです。「チームワークの醸成」や「人とのつながりをつくること」の大切さは、口で言うのは簡単です。しかし、時間をかけてそれを地道に実践し、地域づくりに取り組む私の姿勢から、その高校生はなんらかの気づきを得てくれたのかもしれません。

―感謝の言葉を受けて、どのようなことを感じましたか。

 私たち協働センターの仕事が、若者にとって成長の糧になるということ。その事実を彼の言葉から感じ、逆に私のほうがはっとさせられました。人を育てる社会教育施設として、協働センターの役割の重さを改めて強く実感したのです。人と信頼関係を築くには長い時間がかかりますが、今後も引き続き、一人ひとりとじっくり向き合う姿勢を大事にしながら、協働センターを人づくり、地域づくりの場として盛り上げていきたいですね。


『自治体通信』では、自治体職員のみなさんが住民に感謝されたエピソードを募集しています。
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jt_editorialdept@ishin1853.co.jp 『自治体通信』編集部

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