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埼玉県の取り組み
先進事例2022.05.25
速やかな支援金支給体制の構築

申請・支給を一気通貫で行う体制で、コロナ禍で苦しむ事業者を支援

[提供] トランスコスモス株式会社 営業統括
申請・支給を一気通貫で行う体制で、コロナ禍で苦しむ事業者を支援
この記事の配信元
トランスコスモス株式会社 営業統括

※下記は自治体通信 Vol.38(2022年5月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

令和2年の緊急事態宣言後、各自治体は「新型コロナ」の影響を受けた事業者に対し、一日でも早く支援金や協力金を支給することに注力した。そうしたなか、埼玉県産業労働部では、県内の中小企業・個人事業主に向けて、速やかに支援金を給付する体制を構築。その後も、体制をブラッシュアップしているという。同県の担当者2人に、詳細を聞いた。

[埼玉県] ■人口:732万9,516人(令和4年3月1日現在) ■世帯数:320万2,524世帯(令和4年3月1日現在) ■予算規模:3兆6,455億5,320万1,000円(令和4年度当初) ■面積:3,797.75km2 ■概要:関東平野の内部に位置している内陸県で、山地面積が約3分の1、残りの約3分の2を平地が占めている。首都圏という立地に、6つの新幹線や6つの高速道路のほか、東西南北を結ぶ24の鉄道路線など充実した交通網をもつ。電気機器や自動車関連の輸送機器などの産業が多く、近年ではハイテク化が進み、地域を活性化させている。野菜や花き類をはじめとした、多彩な農産物が生産されており、埼玉農産物のブランド化に取り組んでいる。
インタビュー
岡野 秀以
埼玉県
産業労働部 産業労働政策課 企画調査担当 主幹(取材当時)
岡野 秀以おかの ひでゆき
インタビュー
吉川 和義
埼玉県
産業労働部 経済対策担当 主幹(取材当時)
吉川 和義よしかわ かずよし

申請から支給までの仕組みを、短期間で整える必要があった

―「新型コロナ」の影響を受けた中小企業・個人事業主向けに、どのような対策を講じたのでしょう。

吉川 まず本県では、業種や売上高にかかわらず休業などに至った事業者を幅広く支援する「埼玉県中小企業・個人事業主支援金」という制度を新たに設けました。ただ、こうした取り組みは県としても初めての経験です。申請から支給までの仕組みをゼロからつくる必要があり、しかも、苦しんでいる約5万7,000の事業者に対し、すぐにでも支給しなければならないという、待ったなしの状態でした。

―そうしたなか、いかに体制をつくっていったのですか。

岡野 まずは、制度が固まっていない段階で事業者からの問い合わせが多く寄せられていたため、コールセンターを外部委託で設置することにしました。委託先は、県の感染症対策で住民の問い合わせ対応をお願いしていたトランスコスモスに依頼しました。選定に際して詳しく聞くと、電子申請システムの構築・運営や申請書に不備がないかを確認する審査まで、同社で対応することが可能ということでした。それらの業務を一気通貫で委託すれば、申請から支給までスムーズに実施できます。当然ほかの事業者も検討しましたが、価格なども含め、一番有利な条件を提示いただいたことから、一連の業務をトランスコスモスに委託することに決定。同社と協働しながら、「埼玉方式」と言える仕組みを構築し、給付を実施したのです。

最短で申請から中2日で、支給できる体制を実現

―成果はいかがでしたか。

吉川 協力金など、これまでのすべての申請で営業時間の短縮などの要請期間が解除された日から申請受付を開始でき、最短で申請から中2日で支給できる体制を実現できました。電子申請にくわえて紙の申請も受け付けたのですが、こちらも速やかに対応できました。また、申請受付の初日に電子と紙を含めて、非常に多くの申請をいただいたのですが、スムーズに処理ができました。これは、システムに負荷がかかっても止まらない安全性はもちろん、繁閑差に応じた臨機応変な審査・問い合わせの人員対応を実現できたからこそ。事業者からは厳しいご意見が多かったなか、「迅速に支給してもらって助かった」といった意見も。こうした成果が表れたのも、申請システムの構築・運営から審査、問い合わせまでシームレスな連携が図れたからだと思います。

―今後における、県内の中小企業・個人事業主に向けた支援方針を教えてください。

岡野 当県はこれまで、各種支援金や協力金を実施しており、協力金は計18期にわたって支給しています。2度目以降の事業所名や住所といった電子申請の記載など各種手続きが簡略化されるため、事業者の利便性向上につながっています。今後も緊張感を持って、事業者に対するスムーズな支援を目指していきます。

吉川 引き続き、県内の事業者目線に立った支援体制のブラッシュアップを図っていきたいですね。

支援企業の視点
ワンストップ体制の外部委託で、スムーズな支援金の支給を
インタビュー
桑田 尚之
トランスコスモス株式会社
営業統括 第六営業本部 副本部長 兼 第二営業部 部長
桑田 尚之くわた なおゆき
平成2年、株式会社ぎょうせいに入社。法令の編纂、官公庁の営業支援を経て、平成17年、トランスコスモス株式会社に入社。営業部門に配属され、官公庁営業を担当。
インタビュー
高木 佳子
トランスコスモス株式会社
マーケティングテクノロジー統括部 Salesforceコンサルティング部 部長
高木 佳子たかぎ よしこ
昭和54年、東京都生まれ。平成14年に早稲田大学を卒業後、トランスコスモス株式会社に入社。現在は、クライアント企業のクラウドサービス導入・活用支援を担当。

―コロナ禍における事業者向けの支援金などの支給で、苦労した自治体は多かったのですか。

桑田 多かったですね。業務においては、事業者からの問い合わせに対応するコールセンターの設置や電子申請システムの構築・運営、書類の審査などに分かれています。それをすべて自治体で行うのは困難なため、「どの業務を外部に委託するか」を検討して業者の選定を行い、体制を構築する。これらを短期間で行う必要があり、自治体への負担は大きかったと推察されます。また「システムの構築はA社、コールセンターはB社」と分けて委託すると、スムーズな連携は図れません。その点当社では、データエントリーやシステム開発を行ってきた経験から、各業務をパッケージ化して支援できます。結果、埼玉県との協働でワンストップ体制を構築できたのです。

―支援パッケージの特徴を教えてください。

高木 一連の業務を、官公庁でも使用されている『Salesforce』のSaaS型システム内で実施・連携させており、高いセキュリティを担保しつつ、スムーズな運営を実現しています。そのため、審査の進捗をコールセンター担当者が事業者に伝えたり、事業者からの意見をシステム改善にすぐ活かしたりできるのです。

桑田 国内で67拠点を活用することで、フレキシブルな審査・問い合わせ対応が可能。今後はこのノウハウをコロナ関連だけでなく、各種給付金・補助金申請にも活用いただきたいです。

トランスコスモス株式会社 営業統括
設立

昭和60年6月

資本金

290億6,596万円

従業員数

6万5,787人(グループ全体:令和3年9月末現在)

事業内容

デジタルマーケティングサービス、ECワンストップサービス、コンタクトセンターサービス、ビジネスプロセスアウトソーシングサービス

URL

https://www.trans-cosmos.co.jp/

お問い合わせ先
050-1751-8981(平日9:00〜18:00)
koukyou_info@trans-cosmos.co.jp
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