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連載コラム「住民からの感謝状」
登米市 職員の小野寺さんへ (登米市在住 40代 女性)

《「住民からの感謝状」1通目》どんな小さな声も見逃さず、拾ってくれました

《「住民からの感謝状」1通目》どんな小さな声も見逃さず、拾ってくれました

※下記は自治体通信 Vol.49(2023年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

自治体の職員は日々、住民生活の維持・向上を図るべく、業務に取り組んでいる。そうした日常でもらう住民からの「感謝の言葉」は、職員にとって励みとなり、ときには、業務の本質に改めて気づかせてくれるヒントにもなる。とはいえ、実際に住民から感謝の言葉をもらえる機会はそう多くはないに違いない。そこで本連載では、住民から感謝の言葉を受けた自治体職員をクローズアップ。エピソードを通じて、職員たちの誇るべき仕事ぶりを紹介する。

感謝の言葉を受けて
その人の後ろに何千人の住民がいる、そう考えて窓口対応をしています
インタビュー
小野寺 崇
登米市
まちづくり推進部 観光シティプロモーション課 主査
小野寺 崇おのでら しゅう

―住民から感謝の言葉を伝えられたときの状況を教えてください。

 昨年、その女性が地元新聞に投稿して、私が知ることになりました。昨年は当市が朝ドラの舞台となり、朝ドラに関する市役所の問い合わせ対応を私が担当していたのです。「出演者に手紙を渡したい」など住民からさまざまな問い合わせがたくさん来るのですが、規約の問題などでお断りすることがほとんど。その女性からの要望にも、十分に応えられたとは言えませんでした。ですから、感謝の気持ちを投稿で示してもらったときは本当にびっくりしました。

―なぜ、その女性から感謝されたと考えますか。

 その女性に限らずですが、私が心がけているのは、1件1件の問い合わせに寄り添って対応することです。みなさん、地元や朝ドラのことを想って問い合わせてくるので、お断りをするのは私も本当に心苦しいのです。ですから、せめて「どんな想いを持って問い合わせてくれたのか」を詳しく聞くようにしているのです。ある意味、朝ドラに関して市役所を代表しているのは私です。その女性の後ろには何千人の住民がいて、朝ドラや地元のことを想ってくれている。その願いをお断りするのですから、それくらいはさせてもらいたいと思うのです。おそらく、そうした気持ちが伝わったのではないでしょうか。投稿でも「どんな小さな声も見逃さずに拾ってくれる姿勢は、置き去りにされた被災者や社会から取りこぼされた引きこもりの人に手を差し伸べていた朝ドラの世界そのもの」とまで書いていただき、本当にうれしかったですね。

―感謝されたことは、どう仕事に活かされていますか。

 喜びの一方で、「つねに住民の人たちに仕事ぶりを見られている」と、改めて気を引き締めて業務に取り組むようになりました。課内でも、「よかったな」といった声をかけられつつも、住民とていねいに接することの重要性を共有しています。朝ドラの問い合わせ窓口という、ある意味特殊な業務でしたが、こうした経験をほかの業務にも活かしていこうと思います。ちなみに女性からの新聞投稿は、コピーして机の引き出しにしまっており、ことあるごとに取り出しては励みにしていますよ。

本稿は株式会社ホルグにご協力いただきました。


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jt_editorialdept@ishin1853.co.jp 『自治体通信』編集部

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