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佐賀県・ 神奈川県平塚市の取り組み
先進事例2023.09.20
環境に適した防災服の選定

長年変わらなかった防災服を、自然環境変化を機に見直した

[提供] ミズノ株式会社
長年変わらなかった防災服を、自然環境変化を機に見直した
この記事の配信元
ミズノ株式会社
ミズノ株式会社

※下記は自治体通信 Vol.52(2023年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

長年、同じ防災服を着用し続けてきた自治体が、猛暑といった自然環境の変化を機に見直すケースが増えている。佐賀県と平塚市(神奈川県)もそうした自治体であり、佐賀県は一度刷新したうえで追加検討、平塚市は完全リニューアルを図ったという。それぞれの担当者に、取り組みの詳細を聞いた。

[佐賀県] ■人口:79万5,054人(令和5年7月1日現在) ■世帯数:31万9,089世帯(令和5年7月1日現在) ■予算規模:7,430億4,800万円(令和5年度当初) ■面積:2,440.67km² ■概要:九州北部に位置し、北は玄界灘、南は有明海に面している。農林水産業が盛んで、特に有明海の海苔は有名。
インタビュー
渋田 雄飛
佐賀県
政策部 危機管理・報道局 危機管理防災課 災害対策・国民保護担当 主任主査
渋田 雄飛しぶた ゆうひ

暑い時期でも着用できる、防災服を追加検討

―防災服を見直した背景を教えてください。

 じつは、平成27年に長年使用していた防災服を一度刷新しました。それ以前のものは「佐賀県」の表記がどこにもなく、現場で活動しても当県職員として認識されにくいという課題がありました。そこで、背中部分に「佐賀県」と表記された防災服を選定したのです。それ自体は良かったのですが、通年用で厚手の生地だったため、夏場の着用には向いていませんでした。近年当県では、出水期の災害対応が増えていたため、暑い時期でも着用できる防災服を追加検討することにしたのです。

―追加検討に際し、求めたことはなんでしょう。

 大前提として、当県では環境に配慮した物品を調達するという方針があるため、そうした素材であることを一番重視しました。ほかにも、夏場でも活動しやすい快適性と、上着だけでも日常的に羽織れる機能性を重視。それらの条件を満たしていたミズノ社の防災服を採用することを決定し、令和4年度末に導入しました。

 「エコ素材の生地は着心地が悪いのでは」という懸念があったのですが、職員からは「着心地が良い」と評判です。今後は、通年用の防災服と併用していきます。


[平塚市] ■人口:25万8,230人(令和5年8月1日現在) ■世帯数:11万6,326世帯(令和5年8月1日現在) ■予算規模:2,057億8,350万円(令和5年度当初) ■面積:67.88km² ■概要:相模平野の南部に位置している。交通の便の良さから、ベッドタウンとしての役割を果たしている。
インタビュー
秦野 真樹
平塚市
市長室 災害対策課 訓練担当 主任
秦野 真樹はたの まさき

昔の防災服を着続ける、前例踏襲の状況を疑問視

―令和5年8月に、防災服をリニューアルしたそうですね。

 はい。当課では、自治会など各団体からの依頼で年100回超の訓練に職員が出向しています。特に夏から秋にかけての訓練が多く、昔から着用していた防災服は綿100%のため、炎天下の際は職員が文字通り悲鳴をあげている状態でした。そのため、「前例踏襲で昔の防災服を着続けているのはどうか」という問題意識をもっていたのです。そんな折、『自治体通信』でミズノ社が提供している防災服の記事を読み、近年における防災服の機能性の高さなどを知り、改めて「見直すべきだ」との思いを強めました。そこで、予算化できた今年にリニューアルしたのです。

―リニューアルにあたり、重視した点を教えてください。

 軽くて通気性の良い素材であることを前提としつつ、せっかくリニューアルするので、防災服だと認識されやすいオレンジ色であることを重視しました。そして、ワークジャケットとして利用できる点です。検討した結果、以前から注目していたことに加え、条件を満たしていたミズノ社の防災服を導入。「以前と比べて暑さを感じなくなった」と、職員にも好評です。

支援企業の視点
機能性や着心地などに加え、今後はエコ素材であることも重要に
インタビュー
山下 浩二
ミズノ株式会社
ワークビジネス事業部 企画課
山下 浩二やました こうじ
昭和45年、香川県生まれ。平成4年に名古屋商科大学を卒業後、ミズノ株式会社に入社。現在、ワークビジネス事業部に所属。

―防災服の見直しを検討する自治体は増えているのですか。

 増えていると感じます。自治体職員に話を聞くと、何十年も前に導入した防災服をいまだに着用しているケースが多く、それが時流に合わなくなってきているようです。従来の防災服は安全性を重視して厚手生地を採用しているものがほとんどですが、特に近年の夏季は猛暑が続くうえに、自然災害の頻発化で防災服を着用する機会が増えています。厚手生地だと暑さに耐えられなくなったり、雨などで水を吸って重くなり機動性が失われたりしてしまうのです。

―見直す際のポイントはなんでしょう。

 やはり過酷な現場でも作業がしやすく、自治体職員の身体的負担を軽減できるような機能性や着心地などがポイントになってくるでしょう。たとえば当社が提供している防災服の場合、長年にわたってスポーツウェアを研究・開発して培ってきた当社のノウハウを活かすことで、そうしたポイントを高い次元でクリアしていると自負しています。

 また近年は、世界的な脱炭素化の動きを受けて「グリーン購入」に取り組む自治体が増えています。当社としても脱炭素化社会の実現に向けての一環として、令和5年4月からエコ素材を使った防災服の提供を開始。問い合わせも増えています。

―自治体に対する今後の支援方針を教えてください。

 さらなる高機能な防災服を追求していくとともに、10年、20年先を見すえた、エコ素材の開発にも取り組むことで、自治体を支援していきたいと思います。

ミズノ株式会社
ミズノ株式会社
創業

明治39年4月

資本金

261億3,700万円(令和4年3月31日現在)

従業員数

3,782人(連結:令和4年3月31日現在)

事業内容

スポーツにかかわる製品の製造・卸売・販売、各種スクール事業の運営など

URL

https://www.mizuno.jp/

お問い合わせ先
0120-320-799(平日 10:00~17:00※同社休日を除く)

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