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福井県高浜町の取り組み
先進事例2024.04.19
窓口業務のDX

申請書類の個人情報記入を自動化し、住民と職員にやさしい窓口を実現

[提供] 株式会社PFU
申請書類の個人情報記入を自動化し、住民と職員にやさしい窓口を実現
この記事の配信元

※下記は自治体通信 Vol.57(2024年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

各自治体が積極的にDXを進めているなか、「書かない窓口」を実現するために、窓口業務でのデジタル活用に着手するケースは多い。そうしたなか高浜町(福井県)は、各種申請書の作成において、個人情報を自動転記できるソリューションを導入することで、住民だけでなく職員のメリットにもつなげているという。同町担当者の田渕氏と竹中氏に、詳細を聞いた。

[高浜町] ■人口:9,657人(令和6年2月末現在) ■世帯数:4,286世帯(令和6年2月末現在) ■予算規模:170億1,436万1,000円(令和6年度当初) ■面積:72.40km² ■概要:福井県の最西端に位置し、南東はおおい町、西は京都府と境する。南西の飯盛山脈を背にして、北は日本海に面する。リアス式海岸の特徴を示す内浦地区には原子力発電所があり、和田地区から高浜町を経て青郷地区に至る8kmは白い砂浜の海岸と松林など変化に富み、夏は関西・中京方面よりの海水浴客でにぎわう。ふぐやカニをはじめ、年間を通して若狭ぐじと呼ばれる甘鯛など、海の幸に恵まれている。
インタビュー
田渕 晴之
高浜町
総務課 DX推進室 主査
田渕 晴之たぶち はるゆき
インタビュー
竹中 絵里子
高浜町
税務課 主査
竹中 絵里子たけなか えりこ

現場の職員とも相談し、実証実験を開始

―窓口業務のDXに取り組んだ経緯を教えてください。

田渕 当町では、令和4年度から総務課にDX推進室を設置し、Web会議システムやチャットツールなどを導入し、庁内DXを進めてきました。その一環として、令和4年5月に自治体向けのソリューションフェアに参加したのが、きっかけです。そのなかでPFU社の申請書作成ソリューションに着目しました。それが『Caora』です。マイナンバーカードなどを機器にかざし、顔認証を経て本人確認ができれば、カードに記録されている氏名、住所、生年月日、性別の個人情報が自動転記された申請書が印刷されるというものでした。大がかりなシステム改修が必要ないため導入がしやすく、住民サービス向上につながるという印象を持ったことから、現場の職員に相談することにしたのです。

―現場では相談を受けて、どのような判断をしたのでしょう。

竹中 率直に「住民サービスの向上に寄与する」と思いました。もともと申請書を作成してもらう際、手が震えたりよく見えなかったりして文字を書くのが苦手な高齢者がおり、そうした方々に役立つイメージが浮かんだのです。デジタルに対して苦手意識を持つ人がいる懸念はありましたが、我々職員がフォローすれば大丈夫だろうと。

田渕 そこで、『Caora』を住民生活課に2台、税務課に1台設置して、実証実験を開始したのです。

「記入が楽になった」という住民の声も

―成果はありましたか。

竹中 高齢者でも、何回か案内するうちに1人で操作できるようになるケースがみられました。また、外国人居住者は日本語の文字を書くのが苦手な方々が多く、その人たちに対しても、サービス向上につながりました。申請書の個人情報は活字で印刷されるため、職員も文字の判別に苦労しなくなりました。さらに、当町の申請書には生年月日の記載欄を設けていませんが、『Caora』では小さく印刷されるので、同姓同名による間違いの防止確認に役立っています。

田渕 こうした結果を総合的に判断し、令和5年9月から正式に導入することにしたのです。

―活用状況はいかがでしょう。

田渕 現在、導入した住民生活課と税務課において、半数以上の住民が『Caora』を利用しています。「記入が楽になった」という住民の声もありました。「自分で書いたほうが早い」という住民もいますが、そういった人のために現場では従来通り手書きする申請書の案内もしています。住民と職員の双方にとって、申請書作成の選択肢が増えたのが、今回の意義だったのではないかと思います。

支援企業の視点
各種本人確認書類に対応していれば、住民はより利用しやすくなる
インタビュー
石幡 隼一
株式会社PFU
事業開発本部 KYC事業部 Caoraビジネス開発部 ビジネス推進課
石幡 隼一いしはた じゅんいち
平成6年、東京都生まれ。平成29年、株式会社PFUに入社。ICT機器の設置・保守ビジネスを経験し、現在は顔認証付き本人確認装置『Caora』を起点としたビジネス企画・営業を担当している。

―窓口業務のDXを進めるうえでのポイントはなんでしょう。

 導入時に手間がかからないソリューションを選ぶことです。大規模なシステムはできることが多い一方でコストが高く、検討事項も多くなるため、職員の負担になるケースがあります。また、住民と職員の双方にメリットがないと、利用率が低迷する可能性が高くなります。当社は、こうした課題を認識したうえで『Caora』を開発しています。「自治体職員が『導入してよかった』と心から思える製品を提供したい」。そうした想いで、開発当初から高浜町職員の方々に現場ならではのアドバイスを得て、約1年もの歳月をかけ、改善を重ねてつくり上げたこだわりの製品だと自負しています。

―特長を教えてください。

 庁内のネットワークにつながずに簡単に利用開始ができるほか、使用中の申請書フォーマットに合わせて自動転記ができるため、導入負担が軽く、住民の申請書作成の効率化、職員の判読性向上に寄与します。マイナンバーカードのみならず、運転免許証や在留カードを含む計5券種の本人確認書類に対応しており、住民が利用しやすいのも大きな特長です。

―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。

 現在、約600の自治体から引き合いがあるほか、多くの自治体に導入効果を実感してもらっています。今後も職員からの声に基づき、さまざまなアプローチで本製品を進化させていきます。『Caora』を活用してもらうことで、1つでも多くの業務を変革させていきたいですね。

創立

昭和35年11月

資本金

150億円

売上高

1,345億円(令和4年度:連結)

従業員数

4,207人(グループ全体:令和5年5月現在)

事業内容

コンピュータ開発で培った技術をもとに、イメージスキャナー、組込みコンピュータなどのハードウェアおよび、セキュリティ、文書管理などのソフトウェアやサービス、ITインフラ構築や他企業と提携したマルチベンダーサービスなど、ITに関する製品・サービスの提供

URL

https://www.pfu.ricoh.com/

お問い合わせ先
pfu-caora-application@ml.ricoh.com
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