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岡山県岡山市の取り組み
先進事例2024.06.14
郵便物発送業務の効率化①

「差出票不要」の郵便物発送を実現し、集計にかかる人数と時間を削減

[提供] ピツニーボウズジャパン株式会社
「差出票不要」の郵便物発送を実現し、集計にかかる人数と時間を削減
この記事の配信元
ピツニーボウズジャパン株式会社
ピツニーボウズジャパン株式会社

※下記は自治体通信 Vol.58(2024年6月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

自治体では日々、さまざまな通知物や帳票を郵便物として住民に発送する業務が行われている。そこでは、郵便物を郵便局員に手渡す前の、煩雑な「集計作業」が職員の頭を悩ませているケースが少なくない。この作業について、岡山市(岡山県)では早くから機械の活用によって自動化を行い、作業負担の軽減を実現しているという。同市庁舎管理課の担当者2人に取り組みの詳細を聞いた。

[岡山市] ■人口:69万6,280人(令和6年3月末現在) ■世帯数:34万187世帯(令和6年3月末現在) ■予算規模:6,602億7,800万円(令和6年度当初) ■面積:789.95km² ■概要:旭川と吉井川が瀬戸内海に注ぐ岡山平野の中央に位置し、南部は地味豊かな沃野、北部は吉備高原の山並みが広がる。古代吉備勢力の繁栄を伝える遺跡群など、個性ある歴史・文化資産が数多く存在する。平成30年には、「『桃太郎伝説』の生まれたまち おかやま~古代吉備の遺産が誘う鬼退治の物語~」が日本遺産として認定された。
インタビュー
杉本 敬子
岡山市
総務局 総務部 庁舎管理課 副主査
杉本 敬子すぎもと けいこ
インタビュー
鈴木 一司
岡山市
総務局 総務部 庁舎管理課
鈴木 一司すずき かずし

郵便物の種類が多いほど、差出票の作成が煩雑に

―岡山市では、郵便物の発送業務をどのように行っていますか。

杉本 形状や重量が同一で、かつ100通を超える郵便物については、私たち庁舎管理課の職員が、数と料金を記載した「差出票」を作成し、料金後納として郵便局員に手渡しています。ただし、同一の形状・重量のものが100通未満の郵便物は、発送元となる原課の職員がそれぞれ「郵便料金計器」という機械に通してから、私たちがまとめて郵便局員に手渡すという運用を行っています。この機械に通した郵便物には、郵便局から承認を得た印影と郵便料金が印字されるため、差出票の作成自体が不要になるのです。

―集計方法を人手と機械に分けているのはなぜでしょう。

鈴木 機械導入のメリットを最大限に発揮しながら人手も活用し、集計を効率的に行うための工夫です。たとえ郵便物の量が膨大でも形状と重量が同一であれば、差出票を作成する作業負担は小さく、集計は短時間で完了できます。逆に、量が少なくても形状や重量がバラバラであれば、それぞれの料金を一通ずつ調べていく必要があるため、差出票の作成作業が大変煩雑になります。当市が導入しているピツニーボウズ製の郵便料金計器は、郵便物の形状やサイズ、重量を自動で測定して処理できるため、種々雑多な郵便物を集計する際、特に活用メリットが発揮されるのです。

杉本 当市が郵便料金計器を導入したのは平成27年で、私たちはそれ以前の集計作業に直接かかわっていませんが、導入前の記録を読むと、作業負担は大きく軽減されたようです。

―具体的に、作業負担はどのように変わったのですか。

杉本 すべての郵便物を手作業で集計していた当時は、職員5人以上で対応していました。郵便物をできるだけ早く住民に届けるには、職員はその日の集荷時間に間に合うよう、手早くかつ正確に集計を済ませる必要があります。そのため、作業中の心理的負担も大きかったと想像できます。それに対して現在の集計作業は、職員2~3人で対応しています。郵便料金計器は郵便物を自動で高速処理できるため、集計にかかる職員の心理的負担は大きく軽減されています。ピツニーボウズ社によると、機械の処理スピードは1分当たり最高310通とのことです。

 当市が発送する郵便物は、母数となる全体量が多いため、郵便料金計器で集計するぶんの比率は5%程度ですが、それでも作業にかかる負担を大幅に軽減することができました。

鈴木 郵便料金計器の活用は、郵便物発送に伴うほかの関連業務の効率化にもつながっています。

郵便物をより早く住民へ発送できるようになった

―詳しく聞かせてください。

鈴木 手作業で集計を行う場合、庁舎管理課の職員には、発送した郵便物の料金を約450ある費目別に分け、データベースソフトに入力していく業務が発生します。それに対し、郵便料金計器に通す場合は、各原課の担当者が集計前に「費目コード」を機械で選択することで、発送データが費目別に自動で蓄積されていきます。そのため、庁舎管理課の職員は月末に機械からデータを取り込むだけで済んでいます。

杉本 機械の活用は、住民サービス向上にも寄与しているといえそうです。自動化により集計スピードが速まったことで、以前であれば翌日発送分として処理していた郵便物でも、当日処理できるようになったものが多くなり、郵便物をより早く市民に発送できるようになりました。

兵庫県西宮市の取り組み
郵便物発送業務の効率化②
封入・封かん作業の自動化が、業務に「3週間」のゆとりを生んだ

ここまでは、郵便物の煩雑な集計作業を効率化した岡山市の取り組みを紹介した。同じ郵便物発送業務をめぐっては、文書の「封入・封かん作業」に、時間や人手が割かれるといった課題を職員が抱えているケースも多い。西宮市(兵庫県)も、そうした自治体の1つだったが、作業の自動化により業務効率を大きく高められたという。取り組みの詳細を、同市保育入所課の担当者2人に聞いた。

[西宮市] ■人口:48万3,274人(令和6年5月1日現在) ■世帯数:22万1,760世帯(令和6年5月1日現在) ■予算規模:3,440億3,668万6,000円(令和6年度当初) ■面積:100.18km² ■概要:兵庫県の南東部にあり、大阪と神戸の中間に位置する。高校野球のメッカ「甲子園球場」のあるまちとしても有名。工業は酒造業を中心に食品加工業が約8割を占め、食品加工業の出荷額は全国でもトップクラスにある。市南部の阪神高速道路や北部の中国自動車道など、物流拠点としての条件もよいことから、運輸・通信業も盛ん。
インタビュー
檜垣 貴也
西宮市
こども支援局 子育て事業部 保育入所課 主査
檜垣 貴也ひがき たかや
インタビュー
林 健一
西宮市
こども支援局 子育て事業部 保育入所課 係長
林 健一はやし けんいち

外部に委託した作業では、毎回手戻りが発生していた

―保育入所課では、どのような郵便物発送業務を行っていますか。

檜垣 年間を通じて、保育所への入所や保育料などに関する通知物を発送しています。この業務は、印刷した通知物を封入・封かんする作業が中心となります。原則的にはすべて我々職員が自ら行っていますが、年2回発送する「保育料の決定通知」については、1回の発送量が約1万2,000通と膨大なため、職員の負担軽減を目的に、作業を外部に委託していました。しかし、それにより委託期間中の変更分の差し替えなど、大きな手戻りが毎回生じてしまっていることを課題と捉えていました。

―詳しく聞かせてください。

檜垣 委託先事業者が封入・封かん作業を完了させるまでのリードタイムを約3週間確保していたため、その間、宛先の住民の引っ越しや婚姻などの事情により、一部の発送物に宛名などの変更が生じます。我々はこの変更に対応するため、事業者による作業の完了後、文書を差し替え、封かんし直すという作業も行っていたのです。その作業が必要な発送物は毎回300通ほどあり、その度に職員が3~4人がかりで半日をかけて封入・封かん作業を行っていました。

 そうした課題を感じていたさなか、我々は近隣自治体と情報交換するなかで「封入・封かん機」という機械の存在を知りました。この機械は、紙折りから封入、のりづけまでの作業を、自動でスピーディに行えるものです。これによって作業を内製化すれば、迅速かつ柔軟な発送業務を実現できそうだと期待しました。そこで、自治体への納入実績が豊富なピツニーボウズ製の機械の導入を決め、令和5年6月から運用しています。

内製化により捻出した時間は、コア業務に充てられている

―導入効果はいかがですか。

 封入・封かん作業そのものに限らず、発送業務全体に大きなゆとりが生まれました。具体的には、3週間を確保して外部に委託していた封入・封かん作業は、わずか2営業日で完結できます。これによって捻出した約3週間は、コア業務ともいえる「保育料の算定」にたっぷりと充てられるようになりました。封入・封かん作業は発送直前にまとめて行っても間に合うようになったため、「変更のあった文書を封かん後に差し替える」というムダも減らせています。

檜垣 いまでは、ほかの通知書の発送業務にも封入・封かん機の活用を始めており、それまで数時間かかっていた作業時間を十数分程度に短縮できたといった効果が表れています。

支援企業の視点
郵便物発送に伴う多様な課題は、「自動化」による抜本的な解決を目指せ
インタビュー
高倉 慎平
ピツニーボウズジャパン株式会社
Sending Technology ソリューションズ 営業本部 西日本営業部
高倉 慎平たかくら しんぺい
平成3年、大分県生まれ。平成25年に大分大学を卒業後、物流会社や医療機器メーカーを経て令和3年、ピツニーボウズジャパン株式会社に入社。おもに兵庫県内の自治体や企業に対する、郵便関連業務や封入・封かん業務の改善提案を担う。

―自治体での郵便物発送業務の現状をどう見ていますか。

 職員数の減少に伴い、郵便物発送業務の負担は増大傾向にあります。特に最近では、給付金事業など新たな施策が行われる度に、職員が封入・封かん作業に忙殺されるといったケースが目立ちます。作業を外部に委託する自治体も増え、事業者の処理能力が逼迫することで、発送までのリードタイムが長引いてしまうといった課題もよく聞きます。そこで当社では、自動化ソリューションの提供を通じ、そうした課題の抜本的な解決を支援しています。

―詳しく聞かせてください。

 たとえば、当社の「封入・封かん機」の場合、1時間最高5,400通という速度で封入・封かん作業を自動化できるうえ、郵便物を宛先ごとにまとめる「名寄せ」も行えます。これにより自治体は、「作業時間の削減」と「誤封入の防止」を同時に図ることができます。大量の封入・封かん作業も無理なく行えるようになるため、作業を外部に委託している自治体は、内製化によって「発送リードタイムの長期化」や「個人情報を外部に預けるリスク」といった課題の解決にもつなげられます。

 当社では、機械の提供だけでなく、他自治体における機械の運用方法や、業務効率化の事例といった情報も共有しながら、自治体の郵便物発送業務を幅広く支援します。サポート体制については、東北から九州まで6ヵ所に拠点をもつことなどが、導入自治体から「安心できる」と評価されています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

ピツニーボウズジャパン株式会社
ピツニーボウズジャパン株式会社
設立

昭和56年1月

資本金

4億円

従業員数

134人(令和5年3月現在)

事業内容

郵便と小包の発送業務の効率化およびデジタル・トランザクションの分野における製品とソリューション、サービス

URL

https://www.pitneybowes.com/jp

お問い合わせ先
0120-00-9537(平日 9:00~17:00)

Webからの問い合わせはこちら
https://www.pitneybowes.com/jp/smb-inquiry/

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