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東京都葛飾区の取り組み
先進事例2025.04.14
SNS運用の改善

【シティプロモーション】専門家との共創で自治体SNSを進化、区の魅力の発信源として手応え
自治体・行政支援事業 / ホリプロデジタルエンターテインメント

[提供] 株式会社ホリプロデジタルエンターテインメント
【シティプロモーション】専門家との共創で自治体SNSを進化、区の魅力の発信源として手応え(自治体・行政支援事業 / ホリプロデジタルエンターテインメント)
この記事の配信元
株式会社ホリプロデジタルエンターテインメント
株式会社ホリプロデジタルエンターテインメント

※下記は自治体通信 Vol.65(2025年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

地域の活性化を図るため、いかに地域の魅力を広く、そして印象的に伝えるか。多くの自治体が共通して抱える課題である。葛飾区(東京都)もそうした課題を抱える自治体の1つであったが、専門的知見を有する民間企業による支援を受け、SNSの運用を改善。公開した動画は国内外から大きな注目を集めている。同区担当者の坂井氏に、SNS運用見直しの経緯やその効果について聞いた。

[葛飾区] ■人口:46万9,527人(令和7年3月1日現在) ■世帯数:25万2,884世帯(令和7年3月1日現在) ■予算規模:3,666億5,570万円(令和7年度当初案) ■面積:34.80km² ■概要:東京都の北東の端にあり、埼玉と千葉の両県に面している唯一の区。江戸川、中川、荒川が流れ、江戸時代には水田が集まる農村地帯だった。大正12年の関東大震災以降は、住宅や工場が増え、第二次大戦後の都市化により都心のベッドタウンへと発展してきた。
インタビュー
坂井 昌弘
葛飾区
総務部広報課シティセールス係
坂井 昌弘さかい まさひろ

情報過多のなか、どうすれば見てもらえるか

―葛飾区がSNS運用の改善に着手した経緯を教えてください。

 当区ではこれまで、『YouTube』や『X(旧Twitter)』、『Facebook』を運用していましたが、「潜在的に葛飾に興味を持ってくれそうな人へのアプローチ」が課題でした。まだ当区を知らない方々の関心を生み出すための改善策について検討するなかで、フォロワー以外にもリーチできる、つまり動画のおすすめ機能による拡散力が強いとされる『TikTok』による動画配信を令和5年度から始めることにしました。

―成果はいかがでしたか。

 着実に成果が出てきたように感じます。特にホリプロデジタルエンターテインメント社と共同でアカウントを運用するようになってからは、各動画の定性・定量的な反省点を次の企画へ活かすサイクルとなり、再生回数が多い動画や反応率が高い動画が出てきています。伝統工芸の「棕櫚たわし」がつくられる過程を、ショート動画で人気のあるASMRジャンル*として仕上げた動画は240万回以上再生され、表彰*されました。

*ASMRジャンル:聴覚や視覚への刺激により、心地よい感覚を得る動画や音声コンテンツのジャンル
*表彰:「TikTok Awards Japan」2024「Public Sector of the Year」において最優秀賞を受賞

―SNS運用は変わりましたか。

 企画方法が大きく変わりました。実例でいうと、花火大会のPR動画では「花火大会全般で役立つ知識」を紹介しています。他の花火大会にも応用可能な、当日を快適に過ごすための知識を紹介しつつも、冒頭には少し笑える「あるあるネタ」のようなエンタメ要素を入れた構成です。イベント告知の定型は、「イベントの目玉を中心に概要を伝える」形だと思います。それに囚われず、主題を踏まえつつもSNSのアルゴリズムに評価されるよう、既成概念を一度壊して企画や構成を検討しています。具体的には、「見た人が保存するような役立つ知識を入れられないか」「最後まで見てもらう仕掛けができないか」といった視点で検討しています。こうした、いかに見てもらうかという「攻め」の知見に加え、炎上対策等の「守り」でも専門業者の力を借りています。職員だけで直近の「炎上動向」をチェックするのは難しく、面白い動画を発信するためにも、リスクマネジメントの観点でアドバイスいただけるのは助かっています。

今までにない層から、新鮮な反応が寄せられた

―動画への反響はいかがでしたか。

 再生数が伸びた動画とは別の話ですが、これまでの発信が届いていなかった層からの反響が出てきています。区の学校を取り扱った動画を中心に、在学中と思われる小中学生からコメントをいただくようになりました。その年代の方々が自発的に地元の自治体に声を寄せるのは、これまであまりなかったと思います。街への愛着というと非常に複雑な概念ですが、主体的にかかわることはカギとなってくるのではないでしょうか。いただいた声をヒントに、SNSの双方向性に着目した取り組みに力を入れていきたいです。

支援企業の視点
若者層に対する情報発信力強化、カギはエンタメを駆使したSNS活用
インタビュー
久保山 裕
株式会社ホリプロデジタル エンターテインメント
執行役員
久保山 裕くぼやま ゆたか
平成3年、東京都生まれ。立教大学を卒業後、新卒で大手広告代理店の株式会社オプトに入社。令和3年に株式会社ホリプロデジタルエンターテインメントに入社。新規事業を立ち上げて、全社売上の約半分を占める規模にまで成長させる。令和6年4月、執行役員に就任。

―情報発信をめぐり、自治体にはどのような課題がありますか。

 若者層における情報取得の手段が大きく変化していることから、自治体では「どうすれば情報を効果的に届けられるか」といった課題に直面しています。そうしたなか、SNSの活用、特に若い層への訴求力が優れているといわれる『TikTok』の有効活用は、情報発信に力を入れたい自治体にとって必須の取り組みになると考えています。

―活用に際して、重要なポイントはなんですか。

 「エンタメ要素」をいかに盛り込めるかです。動画にメッセージをストレートに載せるだけでは、若い層には「スワイプ」されてしまいます。芸能事務所を起源とする当社は、「エンタメ×マーケティングで原石を磨き続ける」というミッションを掲げており、素材の魅力を引き出す知見には「一日の長」があると自信を持っています。さらに、タレントの数だけ検証を重ねてきた実績を背景に、SNSを再現性高く伸ばすノウハウも蓄積してきました。炎上やトラブルにかかわるリスクマネジメントに関しても、芸能事務所としての経験が力になります。

―今後の自治体への支援方針を聞かせてください。

 「エンタメ・観光・食」は、今後日本が競争力を発揮する重要な分野であり、そこでの自治体の役割は非常に大きいです。当社が腰を据えて「自治体・行政支援事業」を推進していく理由もそこにあります。その地域が持つ魅力を一緒に発掘・発信していきます。ぜひ当社へお問い合わせください。

株式会社ホリプロデジタルエンターテインメント
株式会社ホリプロデジタルエンターテインメント
設立

平成30年7月

資本金

5,000万円

事業内容

自治体・行政支援事業、タレント事業、マーケティング事業、e-Sports事業

URL

https://horipro-digital-entertainment.co.jp/

お問い合わせ先
03-3490-4632(平日 10:00~19:00、年末年始を除く)
contact@horipro.jp
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