民間企業の取り組み
オンライン申請の推進
各自治体で進むオンライン申請、導入のポイントはテンプレート活用
株式会社グラファー 行政支援本部 柏野 幸大
※下記は自治体通信 Vol.36(2022年3月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
住民の利便性向上と職員の業務効率化を図るため、各自治体において行政手続きに対するオンライン申請の導入が進んでいる。行政のデジタル化を支援するグラファーの柏野氏は、「申請フォームのテンプレートが充実したシステムなら、導入がスムーズになる」と話す。同氏に、自治体におけるオンライン申請導入の状況や詳細を聞いた。
他自治体の事例を盛り込んだシステムでDXを推進
―オンライン申請を導入する自治体は増えていますか。
デジタル庁の設置といったことを背景に増えています。当社が提供する、行政手続きをスマートフォンで完結できる『グラファー スマート申請』においても、多くの自治体で導入が進み、手続きの種類は多岐にわたります。一方、デジタルに精通した人員の不足や後続事務に対する懸念が、デジタル化の障壁となるという当社の調査結果もあります。「オンライン申請の導入や手続きの拡大は大変」というイメージを持つ、職員は多いのではないでしょうか。
―そうした自治体が、オンライン申請をスムーズに導入するポイントはなんでしょう。
申請フォームがテンプレート化されたシステムを活用すれば、スムーズに導入・運用が進められます。たとえば『グラファー スマート申請』では、他自治体で利用実績がある申請フォームをテンプレートとして提供。導入の負荷を軽減でき、業務フローの改善につなげることができます。テンプレートは、そのまま活用することはもちろん、カスタマイズも可能。制度改正による変更にも対応できます。
―自治体に対する今後の支援方針を教えてください。
『グラファー スマート申請』の利用拡大で、自治体のDXに貢献していきたいですね。同サービスには、マイナンバーカードを使った本人確認や、キャッシュレスでの手数料支払い機能を搭載。こうしたサービスを提供できるのも、市民の利便性を追求する当社ならではだと自負しています。ぜひ、気軽にお問い合わせください。
柏野 幸大 (かしわの ゆきひろ) プロフィール
東京都生まれ。株式会社リクルートライフスタイルにおいて、データの分析や活用を通じた、サービス改善および新規事業開発を手がける。株式会社グラファーに入社後は、全自治体を横断したデータ分析に携わり、データをもとにした業務運用の改善やサービス設計に従事。
秋田県秋田市 / 兵庫県神戸市 / 大阪府泉大津市 / 広島県呉市 / 滋賀県湖南市 / 長崎県佐世保市
オンライン申請を導入した自治体の声
さまざまな手続きに オンライン申請を活用
引っ越しシーズンの窓口の混雑解消に向けて転出届のオンライン申請を導入したところ、想定よりも多くの市民が利用。ほかにも、住民票、身分証明書、独身証明書、戸籍請求などにオンライン申請を活用しています。市民からは「手続きが簡単にすんでラクでした」といった声をいただきました。
オンライン化によって、来庁者が2割減少
「国民健康保険の脱退届」をオンライン化することによって、来庁者の割合が2割減少。市民サービスの向上を目指した結果、「会社を休んで役所にいかなくてもよくなった」「(新型コロナウイルス感染拡大のなか)市役所に行かなくても手続きができるので、安心」といった声をいただきました。
平日に市役所に行かなくても、スマホで申請
オンライン申請を導入したことで、市民は時間を気にすることなく、職場や自宅から申請できるようになりました。システムに関する問い合わせは、今のところありません。職員目線では、業務を中断することなく、自分自身の都合の良いタイミングで申請を処理できる点がメリットだと感じています。
保護者は仕事を休まず、空いた時間に申請が可能
「放課後児童会」のオンライン申請を公開したところ、ほぼすべての保護者がスマホやPCから申請を行いました。申請の約3分の2が、早朝や夜間、休日、昼休みの時間帯に行われていました。24時間いつでも申請できるため、保護者は仕事を休むことなく、空いた時間に申請していることがわかります。
応募者が2.6倍に増加し、潜在層の応募に結びついた
オンライン申請の導入後、職員採用試験の応募者数は2.6倍に増加し、受験者の居住エリアも広がりました。オンライン化によって、潜在層の応募に結びついたと考えています。事務視点では、受付時の窓口対応や、封筒の開封、書類の整理、データ入力といった事務が不要になりました。
遠方の事業者も、簡単に届出ができる
「火災とまぎらわしい行為の届出」「防火対象物使用開始届出」「道路工事届出」「露店等の開設届出」に関してオンライン申請を導入したところ、東京の事業者から届出がありました。オンライン申請は郵送より早く処理できることもあり、遠方の人が簡単に届出をできるのがメリットですね。
株式会社グラファー
設立 |
平成29年7月 |
資本金 |
17億4,939万5,865円(資本準備金を含む) |
従業員数 |
57人 |
事業内容 |
行政インターフェース事業、行政ソリューション事業、データプラットフォーム事業、マーケティングソリューション事業 |
URL |
https://graffer.jp/ |
お問い合わせ電話番号 |
03-3405-7007 (平日10:00〜17:00) |
お問い合わせメールアドレス |
supportgov@graffer.jp |