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岡山県真庭市の取り組み
先進事例2025.03.10
安定したインターネット利用の維持

【クラウド・通信可視化】通信の不安定要因を「見える化」し、クラウド時代のネット利用に備える
ネットワーク可視化 / アラクサラネットワークス

[提供] アラクサラネットワークス株式会社
【クラウド・通信可視化】通信の不安定要因を「見える化」し、クラウド時代のネット利用に備える(ネットワーク可視化 / アラクサラネットワークス)
この記事の配信元
アラクサラネットワークス株式会社
アラクサラネットワークス株式会社

※下記は自治体通信 Vol.64(2025年3月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

国が提唱する「クラウド・バイ・デフォルト原則」のもと、自治体業務におけるクラウドサービスの活用が増えている。そこでは、職員がインターネットへ安定的に接続できる体制づくりが、情報政策部門の重要な役割となっている。そうしたなか、真庭市(岡山県)では、庁内の通信状態を「見える化」し、インターネットの安定的な利用を維持するための仕組みを構築した。取り組みの詳細について、同市の担当者2人に聞いた。

[真庭市] ■人口:4万778人(令和7年1月1日現在) ■世帯数:1万7,422世帯(令和7年1月1日現在) ■予算規模:549億2,822万8,000円(令和6年度当初) ■面積:828.53km² ■概要:岡山県の北部、中国山地のほぼ中央に位置する。北部に広がる蒜山高原では酪農が盛んで、ジャージー牛の乳製品は全国的に知られる。中南部を中心に農林業も盛んで、良質なスギ・ヒノキを産出する林業は古くから地域の雇用を支えてきた。現在でも多くの伐採事業者や木材加工会社、市場が操業し、市の象徴である木質バイオマス産業の中心地になっている。
インタビュー
植木 孝和
真庭市
総合政策部 総合政策課 主幹
植木 孝和うえき たかまさ
インタビュー
藤森 広祟
真庭市
総合政策部 総合政策課 主査
藤森 広祟ふじもり ひろたか

推測頼みの原因究明では、適切な解決策が見出せない

―通信状態の「見える化」を図った経緯を教えてください。

植木 当市では、クラウド・バイ・デフォルト原則に基づき、文書作成や表計算といった業務用ソフトをクラウドサービスへ切り替える計画を進めています。しかし、インターネットやクラウドの利用をめぐっては、それまでも「通信がつながりにくい」といった不安定な状況がしばしば起こり、課題に感じていました。一般的なネットワークの死活監視*では、機器のハードウエア面の問題しか検知できないため、通信が不安定化した際は、「特定のサービスの利用が集中したのだろう」といった推測に頼るしかなく、適切な解決策も見出せませんでした。

藤森 これから本格的な「クラウド時代」の到来を控えるなか、そうした通信トラブルは、業務の遂行や住民サービスの提供に大きな支障を来しかねないと懸念していたのです。そうした折、当市の通信ネットワーク管理を委託している事業者から、『AX-Network-Visualization(以下、AX-NV)』というシステムの提案を受け、関心を持ちました。

―どのようなシステムですか。

藤森 ネットワークにつながるあらゆる機器から通信データを収集し、トラフィック量*などを分析して可視化するものです。一般的な死活監視では特定できないような通信の不安定要因も究明できると聞き、問題発生時も適切な解決につなげられると期待しました。そこで我々は、このシステムの導入を決め、令和6年4月から運用を開始しました。

*死活監視: サーバやその上で実行されているソフトウエアの稼働状況を継続的にチェックすること
*トラフィック量: ネットワーク回線で送受信される通信データの量

通信量の異常な増大を把握し、問題を未然に防止できた

―導入効果はいかがでしたか。

藤森 通信速度の低下や通信の遮断といった問題の原因となる「トラフィック量の異常な増大」を検知でき、問題が顕在化する前に、適切な対策を打つことができました。トラフィック量が増大しているサービスや端末を『AX-NV』で掘り下げて分析していくと、市内の保育園などで配備を進めている数十台のタブレット端末すべてで、OSの更新がエラーとリトライをひたすら繰り返していることが判明したのです。これを受け、当市はインターネット接続の設定変更を行うことで、トラフィック量の異常な増大を解消することができました。

植木 当市では、職員の業務環境と住民をシームレスにつなぐDXを推進していくため、今後は業務用端末をインターネット接続系に配置する「β´モデル」への移行も検討しています。その際には、業務や住民サービスの「生命線」となるインターネットの安定的な利用を維持するために、『AX-NV』の活用は欠かせないと評価しています。

支援企業の視点
通信の網羅的かつ詳細な把握が、問題発生時の初動を早める
インタビュー
赤羽 真一
アラクサラネットワークス株式会社
開発本部 ソリューション開発部 主任技師
赤羽 真一あかはね しんいち
長野県生まれ。平成16年のアラクサラネットワークス株式会社の設立当初より、ルータ・スイッチのハードウエア開発に従事。近年では、おもにネットワーク可視化ソリューションの開発を担う。

―インターネット利用をめぐる自治体の課題はなんですか。

 トラフィック量の増大などによって通信品質の劣化が生じた際、その根本原因をただちに解明するのが難しいことです。帯域を圧迫している機器やサービスを特定するには、調査に数日間を要してしまうこともあります。これによって問題発生時の初動に遅れが生じれば、業務に重大な影響を及ぼしかねません。原因がはっきりとしないまま、「通信帯域を増やす」という対策を取り、ムダな設備投資を行ってしまうケースも少なくないようです。

―どうすればよいのでしょう。

 庁内で受発信されるあらゆる通信の状態を、網羅的かつ詳細に把握できるようにすることです。たとえば、当社の『AX-NV』は、通信ネットワークにつながるあらゆる機器から、「パケット」という小さな単位ごとに、トラフィック量やセッション数といったデータを詳細に収集・分析します。その結果は、拠点やサーバ、ユーザー、サービスごとに、マトリクス図やグラフといった形に可視化できるので、不具合の原因を迅速に特定し、問題の早期解決や未然防止につなげられるのです。

―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。

 今後は、検知した不具合に対して具体的な対処法をレコメンドするような機能も『AX-NV』に実装し、インターネット利用をめぐる自治体への支援を強化していきます。『AX-NV』はマルチベンダー対応のため、ベンダーロックインの制約も受けません。お気軽にご連絡ください。

アラクサラネットワークス株式会社
アラクサラネットワークス株式会社
設立

平成16年10月

資本金

20億円 

従業員数

約230人(令和6年3月末現在)

事業内容

ルータ、スイッチなどネットワーク機器の開発・製造・販売・保守など

URL

https://www.alaxala.com/jp/

お問い合わせ先
044-549-1531(平日 9:00〜17:00)
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