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連載コラム「住民からの感謝状」
移住定住推進室の職員さんへ (東京都から市内へ移住した女性)

《「住民からの感謝状」7通目》初めての土地なのに一人じゃない。富士市に移住してきて良かった

《「住民からの感謝状」7通目》初めての土地なのに一人じゃない。富士市に移住してきて良かった

※下記は自治体通信 Vol.55(2024年1月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

自治体の職員は日々、住民生活の維持・向上を図るべく、業務に取り組んでいる。そうした日常でもらう住民からの「感謝の言葉」は、職員にとって励みとなり、ときには、業務の本質に改めて気づかせてくれるヒントにもなる。とはいえ、実際に住民から感謝の言葉をもらえる機会はそう多くはないに違いない。そこで本連載では、住民から感謝の言葉を受けた自治体職員をクローズアップ。エピソードを通じて、職員たちの誇るべき仕事ぶりを紹介する。

感謝の言葉を受けて
「初めて接する、富士市民の一人」この仕事の心構えに想いを強くした
インタビュー
齋藤 綾菜
静岡県富士市
総務部 シティプロモーション課 移住定住推進室 上席主事
齋藤 綾菜さいとう あやな

―感謝の言葉を伝えられた経緯を教えてください。

 私たちの部署では、移住に関する相談の受付や、移住前後における生活のサポートなどを行っています。あるとき開いた移住者同士の交流イベントで、幼いお子さん2人と一緒に移住してきた女性から、感謝の言葉を伝えられました。女性の旦那さんは、富士市と東京での2拠点生活をしています。そのため女性は、平日の間は初めての土地にお子さんと3人だけで住むことになったのですが、すぐにも「周りに支えてくれる人がいる」と感じてくれたのだそうです。もともとは補助金制度などを比較しながら移住先の自治体を検討していたそうですが、最終的には「人」を理由に富士市を選んだとも話してくれました。

―思い当たるところはありますか。

 多くの自治体が移住促進に力を入れるいま、職員はどうしても、移住者を増やすことや他自治体の動向ばかりに意識が向きがちです。しかし私たちの部署では、移住者が富士市での暮らしに「満足してくれること」を第一義に、一人ひとりとじっくり向き合うことを大切にしています。私も、職員であると同時に一人の生活者として、相手と同じ目線で相談を受けるよう心がけています。私の場合、富士市へUターンした後、娘を産み育ててきた経緯があります。そのため、もとからまちに馴染みがある点では多くの相談者と事情が違うかもしれません。それでも、育児に関することなど相手の不安の払拭に少しでも役立てられそうなポイントを対話から探って、私なりの経験やアドバイスを伝えるよう努めています。感謝の言葉を伝えてくれた女性は、そんな私の姿勢に安心感を抱いてくれたのだと思います。

―感謝の言葉をどのように受け止めましたか。

 移住者にとって、私たち職員の役割はとても重要なのだと改めて実感しました。各種制度を案内したり、生活のアドバイスをしたりするだけでなく、「初めて接する、富士市民の一人」として、移住者に安心感をもってもらう。そんな業務への心構えに改めて想いを強くしました。当市への移住者数は増え続け、職員の業務も忙しくなっています。そうしたなかでも業務の本質を見失うことなく、これからも一人でも多くの新しい市民を迎え入れていきたいですね。


『自治体通信』では、自治体職員のみなさんが住民に感謝されたエピソードを募集しています。
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jt_editorialdept@ishin1853.co.jp 『自治体通信』編集部

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