~全ての問い合わせが集約化されることによって利用する市民の皆さんも便利になり、職員も負担軽減が図れます~(鶴小屋様)
課題
・窓口の数が多く、市民がどこに問い合わせをすればよいかわからなかった
・市職員が問い合わせ対応に追われて、本来の業務に集中できなかった
導入サービス
・行政では珍しいオムニチャネル※による問い合わせ窓口の一元化
・コンタクトセンターのオペレーターによる原則ワンストップでの対応
・問い合わせ内容のナレッジ化とそれを活用したFAQのチューニング
成果
・市民が時間や場所にとらわれることなく、市役所に関する疑問を解消
・市職員の負担軽減
・ナレッジの活用による市民サービスの向上
※本事例におけるオムニチャネル・・・企業(行政)と顧客(市民)のタッチポイントを集約して、総合的に顧客(市民)にアプローチをする方法
2020年に「自治体DX推進計画」を国が策定以降、多くの自治体が計画策定を進めている中、いち早く計画だけでなく実行フェーズにまで取り組んでいる藤沢市様。
2021年までに累計567手続きのオンライン化を実現し、キャッシュレス化やRPAの導入なども進めています。
そうした藤沢市様のDX推進計画の中でも重要な一歩と考えられている「藤沢市コンタクトセンター」が2023年10月より開設されました。
その立ち上げに当たっては、運営面においてベルシステム24が深く関わりました。
今回は、自治体のデジタル化をけん引する藤沢市様に「藤沢市コンタクトセンター」について、またそのセンターにおけるベルシステム24の役割についてお話を伺いました。
お話を伺った方
市民相談情報課 鶴小屋 祥 様
デジタル推進室 宇田川 晟 様
取材日(2023年9月27日)時点
「藤沢市コンタクトセンター」とは?
~今後、さまざまな行政手続きやサービスをデジタルプラットフォームの中に載せていく上で、今回の取り組みがその第一歩と言えると思います~(宇田川様)
鶴小屋様
「市に関する情報や行政サービスの内容、手続きといった質問にお答えをする総合お問い合わせ窓口というのが端的に言うと説明になります。
コンタクトセンターでは、電話で直接オペレーターに問い合わせができるほか、ウェブ上に新たに開設する市民ポータルサイトにおいて、パソコンやスマートフォンを使って市役所に多く寄せられる質問と回答を閲覧することができます。そういったFAQを参照して疑問が解決しない場合には、そのままweb上に備わっているチャットやメールを通じてオペレーターに問い合わせをすることが可能になっています。
市民の皆さんが時間や場所にとらわれることなく、市役所に関する疑問を解決することができる仕組みというのが、藤沢市コンタクトセンターになります」
宇田川様
「このコンタクトセンターの取り組みは、藤沢市DX推進計画の中の最重点取り組み事項の一つでありますデジタルプラットフォーム構築の中に位置づけられているものになります。
このデジタルプラットフォーム構築ですが、市民と行政のタッチポイントを一つにして、それをデジタル上で全て実現をしていくといったところを最終ゴールにしている取り組みです。その中でまずコンタクトセンターにおいて、問い合わせにおけるタッチポイントを一つにしようとしています。
今後、さまざまな行政手続きやサービスをデジタルプラットフォームの中に載せていく上で、今回の取り組みがその第一歩と言えると思います」
鶴小屋様
「今までも、もちろん問い合わせに対応する窓口とか問い合わせを受け付けるツールというのは、数多くご用意していたんですけれども、一方で数が多くて入り口もバラバラでどこから問い合わせをしたらいいのかわかりづらいといった点が課題だったと思っています。
今回、このコンタクトセンターでオムニチャネル化することによって、市民はコンタクトセンターに聞くだけで、市役所について分からないことを教えてもらえるようになります。
また、市役所側としても、そのようにいろんな所から入る問い合わせに対して、職員がその対応に追われてしまっているという課題がありました。その解決策としてコンタクトセンターの導入に踏み切ったということになります」
コンタクトセンター立ち上げにあたってベルシステム24が運営面で参加
~これまで多くの自治体でコールセンターの業務を請け負われてきたという知見を活かして根拠を持ったご提案をしていただいた点が評価につながったと思っています~(鶴小屋様)
~一カ月にわたる長期の間、市に滞在をしていただいて、しっかりこの藤沢市を理解いただき、それを現場に持ち帰っていただいたというのは、すごい強みだったのかなというふうに思っています~(宇田川様)
鶴小屋様
「コンタクトセンター立ち上げにあたって事業者の選定についてはプロポーザル方式により実施をしました。主にコンタクトセンターにおけるシステムの構築の面と運営の面、この二点に関してどれだけ市民サービスの向上ですとか、職員の業務負担軽減の視点を念頭に置いた提案がなされているのかというところを評価の主なポイントとして実証しました。
その中でベルシステムさんのご提案については、万全なオペレーターの配置計画などをお示しいただくとともに、応答率や完結率といった市民サービスや職員の負担軽減に直結する数字ですね、こちらのSLAについて私たちがあらかじめ示していた数値を上回る提案をしていただきました。これまで多くの自治体でコールセンターの業務を請け負われてきたという知見を活かして根拠を持ったご提案をしていただいた点が評価につながったと思っています。
例えば、事前にオペレーターの方への研修資料ですとか、研修計画などを作成いただき、お示しいただいたのですけれども、そういったものをひとつ見ても万全の準備を行っていただけているなというのが非常に心強く感じている部分になります」
宇田川様
「今回、庁舎外でセンターを開設することに関しては、当初、庁内的にはちょっと反対意見じゃないですけど、藤沢市を理解してない方々が市民の応対をして、例えば市役所までどうやって行くのみたいな質問を聞かれたときにうまく答えられるんだろうかとか、そういう懸念はあったんですね。そんな中、立ち上げに当たって、担当者さんが一カ月にわたる長期の間、市に滞在していただいて、しっかりこの藤沢市を理解いただき、それを現場に持ち帰っていただいたというのはすごい強みだったのかなというふうに思っています」
行政では珍しいマルチチャネルではなくオムニチャネルでの対応
鶴小屋様
「問い合わせの受付機能がオムニチャネル化することによって、コンタクトセンターのオペレーターが原則ワンストップで対応することになりますので、全ての問い合わせが集約化されることによって利用する市民の皆さんとか、職員っていうのは負担軽減が図れる一方で、問い合わせに一元的に対応するコンタクトセンターのオペレーターの方っていうのは負荷が非常に大きいものになるだろうなっていう認識はございます。
ただ、ベルシステムさんのこれまでの知見などを活かしていただいて、そのような状況であっても問い合わせを滞留させることなくSLA等を維持しながら、コンタクトセンターを円滑に運営していっていただけるだろうと大きな期待をしております」
対応履歴をナレッジ化していく
鶴小屋様
「市民から多く寄せられている問い合わせに関しては、FAQに不備があったり、足りていない部分があるだろうなという推測ができますので、そういうナレッジを活かしてFAQの更新をすることによって、市民がオペレーターや市職員に問い合わせをすることなく、ご自身で検索するだけで問題の解決につなげていけると考えています。
また、そのナレッジで集まってきたものを分析することによって、市の施策の立案の資料としても活用できるのかなとも考えております。そのナレッジをベルシステムさんの方でも確認もいただいて、市のFAQで足りない部分があったりとか、そういったことがあれば積極的にご指摘をいただき、市と一緒にFAQとか、そういうものを作り上げていただくご協力をいただけると助かるかなと思っています」
宇田川様
「ナレッジというのをデータ基盤みたいなものとして、将来的には市民のあらゆる情報がそこに蓄積がされていって、それをベースに例えばコンタクトセンターでもその情報を見ながら応対をするみたいな、ちょっとこれ個人情報の問題もあるので、一筋縄ではいかない部分があると思いつつも、民間が当たり前のようにやっているような顧客対応っていうのを何で自治体ができないんだってところが、結構あったりするんです。
結局縦割りになってしまっているっていうところはすごい課題意識としてあるので、そこはやっぱカスタマーサービスとしてコンタクトセンターというところに集約させていくように将来的にはしていきたいですし、そういうところも見据えてプラットフォームというのを作っていかないといけないっていうのはありますね」
「藤沢市コンタクトセンター」の次の一歩へ
~一緒に乗り越えていって、より良いサービスを市民の方に提供できるお力添えをいただきたいと思っています~(鶴小屋様)
鶴小屋様
「藤沢市の場合、三年ほど前に代表電話とコールセンターを外注したっていう経緯がありまして、その業務委託化した際に電話が繋がりづらいなど上手くいかなかった点が多かったんですね。
その失敗を繰り返さないためには、市役所側だけではなく、ベルシステムさんのご協力があってこそ乗り切れるものだと思っていますので、そこの部分について一緒に乗り越えていって、より良いサービスを市民に提供できるお力添えをいただきたいと思っています」
宇田川様
「今回の業務を遂行していただくこともそうなんですけれども、デジタルプラットフォームの構築を見据えたお話合いをベルシステムさんと今後もやり続けさせていただきたいと思っていまして、やっぱりそこが最初にあってこそのコンタクトセンターだと思っていますので、そういったディスカッションを引き続きやらせていただければと思っています。
DX推進において、この問い合わせというところに対してフォーカスを当てている自治体は意外と少ないっていうことが最近わかってきまして、いろんな自治体から注目をいただいていて、現在、先進的なDXの取り組みをしている自治体からも話を聞きたいと言われています」
インタビュー中、お二人の言葉の端々から行政のDX化や、市民サービスの向上に対する熱い想いが溢れていました。文面からもそうした想いが伝わってくるのではないかと思います。
今回、DX推進計画の大きな一歩として開始された「藤沢市コンタクトセンター」、その裏側にはベルシステム24の250以上の自治体向けコンタクトセンターやバックオフィス業務で培った知見による、プラットフォーム構築、FAQのチューニングや、ナレッジの蓄積、分析などがありました。
これを皮切りに藤沢市様は将来的に、プラットフォーム上にて、子育てに関する様々な申請、市保有施設のオンライン予約の受付など、市民の利便性向上を目指したサービスを次々に展開していく予定です。
ベルシステム24はそうした藤沢市様のデジタル市役所を目指した活動に寄り添い、様々な形でサポートしていきたいと考えています。
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