自治体通信ONLINE
  1. HOME
  2. 先進事例
  3. 【書かない窓口】「書かない」「待たない」「行かない」、窓口改革で3つの運用を同時に実現(ゆびナビぷらす / BSNアイネット)
青森県八戸市の取り組み
先進事例2025.03.14
窓口業務のデジタル化

【書かない窓口】「書かない」「待たない」「行かない」、窓口改革で3つの運用を同時に実現
ゆびナビぷらす / BSNアイネット

[提供] 株式会社BSNアイネット
【書かない窓口】「書かない」「待たない」「行かない」、窓口改革で3つの運用を同時に実現(ゆびナビぷらす / BSNアイネット)
この記事の配信元
株式会社BSNアイネット
株式会社BSNアイネット

※下記は自治体通信 Vol.64(2025年3月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

DX推進を迫られる自治体において、デジタル化による成果が問われる象徴的な業務の1つは、住民との接点となる「窓口業務」であろう。そこには、職員の業務負担軽減とともに、多様な住民の利便性向上を同時に達成しなければならない難しさがある。これに対して、八戸市(青森県)では、総務省の支援事業のもと、窓口業務の抜本的な改革で成果をあげている。同市担当者の古里氏に、取り組みの経緯とその効果について聞いた。

[八戸市] ■人口:21万5,080人(令和6年12月31日現在) ■世帯数:11万32世帯(令和6年12月31日現在) ■予算規模:1,484億1,240万円(令和6年度当初) ■面積:305.56km² ■概要:太平洋に臨む青森県の南東部に位置する。臨海部には大規模な工業港、漁港、商業港が整備され、その背後には工業地帯が形成されている。優れた漁港施設や背後施設を有する全国屈指の水産都市であり、北東北随一の工業都市となっている。
インタビュー
古里 陽一
八戸市
総務部 情報政策課 デジタル推進室 室長
古里 陽一ふるさと よういち

形だけで終わらない窓口改革。住民と職員双方の負担軽減へ

―八戸市が窓口業務の改革に乗り出した経緯を教えてください。

 当市は、令和5年に「八戸市デジタル推進計画」を策定し、限られた数の職員でも行政サービスの質を担保するための業務改革を進めてきました。その際、重要視してきた業務が、市役所業務の根幹をなす「窓口業務」でした。手続きによっては、何枚もの申請書へ同じ内容を繰り返し記入する負担やその処理は住民、職員双方にとって大きな負担でした。そこで「書かない窓口」の実現はその解決策になると考えました。

 ただし、人口20万人を超える中核市となると住民の事情やニーズもさまざまで、その対応で職員の負担が増すようでは本末転倒です。また、窓口改革を形だけで終わらせたくないとの決意もありました。そこで、住民の利便性向上と職員の負担軽減を両立する方法として考案したのが、「書かない」「待たない」「行かない」窓口でした。

―それはどういったものですか。

 「書かない」とは、住民が来庁して職員のサポートのもとで手続きを行うケースで、身分証明書や市保有の世帯情報を読み取り、記入作業をなくします。複数の申請を行う場合も自動転記によって、同じ内容を書くことはありません。この手続きを事前に自宅で済ませた状態で来庁するのが「待たない」窓口です。事前に発行された二次元コードを提示すれば手続きを進められるので、役所での滞在時間は大幅に短縮されます。さらに、決済を含めてすべての手続きを自宅で完結させるのが「行かない」窓口です。この3つの運用が互いにリンクし、同時に行える仕組みを検討していたところ、BSNアイネット社の『ゆびナビぷらす』がまさに当市が求めていたツールであったため、即座に導入を決めました。またこの時期、総務省が募集していた「自治体フロントヤード改革モデルプロジェクト」もこの「3パターンでの運用」が条件になっていたことから、同事業にも応募し採択されています。

対象業務は計132手続き、1ヵ月で約1.6万件を処理

―取り組みの成果はいかがですか。

 地元の青森共同計算センターの支援のもとシステム導入を進め、「はちのへスマート窓口」として、本庁のほか市内11のサービスセンターなどで令和6年11月から一斉に運用を開始しました。対象は7課の計132手続きに広げており、当初から大規模に開始することを意識してきました。一部の手続きのみに適用しても住民利便性や業務改善への寄与は小さいと考えたからです。運用から約1ヵ月で約1.6万件の手続きを処理していますが、今後は市全体の手続きの約40%をデジタル化するのが目標です。住民からの不満は寄せられておらず、業務改善効果も大きいと評判です。『ゆびナビぷらす』は汎用性が高く、庁内でのカスタマイズも容易なので、今後は要望の多い事業者向け手続きへと適用範囲を広げていく予定です。

支援企業の視点
基幹系システムの標準化を見据え、長期的な視点に立った窓口改革を
インタビュー
下越 淳平
株式会社BSNアイネット
公共ビジネス事業部 システム部 マネジャー代理
下越 淳平しもこし じゅんぺい
平成24年、株式会社BSNアイネットに入社。平成26年、タブレット端末による書かない窓口『ゆびナビ』の開発に従事。その後、令和2年にさまざまな申請チャネルに対応できる『ゆびナビぷらす』の開発にも携わる。現在は、窓口ソリューションサービスの開発・導入の統括を務める。

―自治体の窓口業務のDXをめぐる動きをどう見ていますか。

 思うような成果をあげられていない事例も多いと感じます。簡易的なシステムの部分導入で、かえって業務運用が複雑化し、負担が増してしまうケースがあります。重要なのは、住民の利便性のみならず、職員の業務効率化にも寄与し、その効果を庁内全体に波及させることです。そこで当社では、フロントヤード改革ソリューション『ゆびナビぷらす』を提案しています。

―特徴を教えてください。

 総務省の「自治体フロントヤード改革」で示されているような「来庁申請のデジタル化」「自宅からの事前申請による一部デジタル化」「自宅で完結する完全デジタル化」という3つの運用パターンを1つのサービスで実現している点です。職員が直感的に使いこなせるノーコードツールである点も特徴です。職員が入力フォームを追加費用なしで自由に追加・編集できるため、幅広い業務へ全庁的に横展開できます。業務運用ログによりデータドリブンな行政経営にも役立てることができます。

―今後の自治体への支援方針を聞かせてください。

 当社はデジタル庁が掲げる「自治体窓口DXSaaS」の採択事業者として、基幹系システム標準化に対応したシステムも提供しており、「自治体窓口DXSaaS」と『ゆびナビぷらす』を組み合わせたフロントヤード改革も実現できます。今後は、申請書が不要ともなる「行かない窓口」も注力して提案し、自治体のみなさまとともに未来の窓口を描いていきたいと考えています。

株式会社BSNアイネット
株式会社BSNアイネット
設立

昭和41年4月

資本金

2億円

売上高

136億円(令和6年3月期)

従業員数

386人(令和6年8月1日現在)

事業内容

自治体・官公庁分野向けの情報システムの構築および運用サポート事業など

URL

https://www.bsnnet.co.jp/

お問い合わせ先
025-242-2921『ゆびナビぷらす』担当
yubinaviplus_sales@bsnnet.co.jp
サービス資料を確認する
電子印鑑ならGMOサイン 導入自治体数No.1 電子契約で自治体DXを支援します
公務員のキャリアデザイン 自治体と民間企業の双方を知るイシンが、幅広い視点でキャリア相談にのります!