 <section id="coverWrap" class="transbox clearfix">
<div id="titleBox">
<p><span class="nfm-label">東京都中野区の取り組み</span></p>
<p>地域包括ケアに関する情報発信①</p>
<h3>鮮度の高い医療・介護情報を、サイト更新の手間なく発信する</h3>
<div class="profile-name">中野区<br />地域支えあい推進部 地域包括ケア推進担当部長　藤井 多希子<br />地域支えあい推進部 介護・高齢者支援課　能登谷 幸輝</div>
<div class="spHomePostCompany">[提供] トーテックアメニティ株式会社</div>
</div>
<section id="content">
<div class="nfm-volume">
<p class="caution">※下記は自治体通信 Vol.29(2021年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。</p>
</div>
<hr class="divider" />
<div class="nfm-lead">
<p>医療・介護に関するサービスや事業所の最新情報をいかに漏れなく住民に発信するかは、地域包括ケアシステムの効果的な推進を目指す自治体の課題となっている。こうしたなかで中野区(東京都)は、職員が情報の収集や更新を行うことなく、地域包括ケアに関する最新情報をWebサイトで発信している。取り組みの詳細について、同区の藤井氏と能登谷氏に聞いた。</p>
</div>
<div class="jump-to-material-area"><a href="#material-area"> 本記事で紹介しているサービス概要資料はこちら</a></div>
<div class="municipality-data">
<div class="municipality-heading">中野区データ</div>
<div class="municipality-body">人口：33万3,952人(令和3年3月1日現在) ／ 世帯数：20万7,048世帯(令和3年3月1日現在) ／ 予算規模：2,115億6,600万円(令和3年度当初案) ／ 面積：15.59km² ／ 概要：東京23区の西方に位置し、東は新宿・豊島、西は杉並、南は渋谷、北は練馬の各区に接している。地名の由来は、武蔵野台地の真ん中に位置しているためといわれ、中野の名は、和歌山県の熊野那智大社に伝わる貞治元年(1362年)の古文書に初めて登場する。新宿へのアクセスの良さから住宅地として発展し、人口密度と単身世帯率の高さは東京23区内でも上位を占める。</div>
</div>
<div class="person-box">
<div class="person-photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210524/20210524124831.jpg" alt="" /></div>
<div class="person-meta">
<div class="person-organization">中野区</div>
<div class="person-position">地域支えあい推進部 地域包括ケア推進担当部長</div>
<div class="person-name">藤井 多希子<span class="person-kana">ふじい たきこ</span></div>
</div>
</div>
<div class="person-box">
<div class="person-photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210524/20210524124834.jpg" alt="" /></div>
<div class="person-meta">
<div class="person-organization">中野区</div>
<div class="person-position">地域支えあい推進部 介護・高齢者支援課</div>
<div class="person-name">能登谷 幸輝<span class="person-kana">のとや こうき</span></div>
</div>
</div>
<h4>事業所から申し出がなければ、古い情報も掲載されたままに</h4>
<p class="content-q">―中野区ではもともと、地域包括ケアに関する情報をどのように発信していましたか。</p>
<p><span class="content-speaker-name">藤井</span>　区内の介護予防・生活支援サービスや介護サービス事業所といった地域包括ケアに関する「資源情報」を、区のWebサイトを使って発信していました。このWebサイトは、職員が1ヵ月に1回の頻度で内容を更新して運用していました。</p>
<p class="content-q">―サイトの更新はどのように行っていたのでしょう。</p>
<p><span class="content-speaker-name">藤井</span>　「指定事項」の変更や、新規開業した事業所の詳細など、事業所から申し出のあった情報を区の職員が収集。それをさらにPDFファイル化し、サイトに反映していました。しかしこの業務は手間や時間がかかるうえ、事業所から申し出がなければ古い情報が掲載されたままになってしまうこともありました。そのため、「いかに職員の手間をかけずに鮮度の高い情報を発信できるか」は、サイト運営上の課題となっていました。</p>
<p><span class="content-speaker-name">能登谷</span>　そこで当区では、サイト運営の大幅な見直しを検討。トーテックアメニティが提供する社会資源把握支援サービス『けあプロ・navi』を導入し、昨年11月に新たなWebサイトを開設しました。このサービスの最大の特徴は、地域資源情報の収集や更新を自治体に代わって行ってくれるところで、この点が導入の決め手となりました。</p>
<h4>利用者は地図やサービス別に、必要な情報へ簡単にアクセス</h4>
<p class="content-q">―情報はどのように収集・更新されるのですか。</p>
<p><span class="content-speaker-name">藤井</span>　トーテックアメニティの情報センターで、医療・介護の専門的な知見をもったスタッフが、事業所から申し出のあった指定事項の変更といった情報を収集し、サイト上で更新してくれています。そのうえ、同社が各事業所に対して定期的な調査を主体的に実施してくれるため、かりに事業所から申し出がない場合でも、情報の抜け・漏れを防げています。調査内容には、従来は区が収集していなかった「施設の空き状況」といった項目も含まれており、以前よりも充実した情報を発信できるようになりました。こうした支援を受けることにより、情報の収集・更新にかかる職員の負担はほとんどなくなっています。</p>
<p><span class="content-speaker-name">能登谷</span>　このほかサイトの刷新では、利用者にとってのメリットも得られています。</p>
<p class="content-q">―どのようなメリットですか。</p>
<p><span class="content-speaker-name">能登谷</span>　住民は、地図や地名、サービスといった条件で事業者情報を検索できるため、利用シーンに合わせて必要な最新情報を簡単に得られるようになっています。また、「関係者向けサイト」では、区や東京都、厚生労働省から事業に関する情報が一括で提供されるため、医療・介護従事者やケアマネジャーといった関係者は、異なる機関に散在する情報も単一のサイトから簡単に得られます。</p>
<figure class="content-figure thumbnail" style="text-align: center;"><a href="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210524/20210524124820.jpg"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210524/20210524124820.jpg" alt="" /></a></figure>
<p class="content-q">―地域包括ケアをめぐる今後の運用方針を聞かせてください。</p>
<p><span class="content-speaker-name">藤井</span>　中野区における地域包括ケアの最大の特徴は、地区担当の「アウトリーチチーム」が生活支援コーディネーターとして、さまざまな事業主体と連携しながら活動していることです。『けあプロ・navi』では、生活支援コーディネーター向けの業務支援ツールも提供されているので、今後はそうしたツールの活用も検討していきたいです。行政と民間、住民が一体となった地域包括ケアシステムの構築をいっそう強く推進していきたいですね。</p>
</section>
</section>
<hr />
<section id="coverWrap" class="transbox clearfix transbox2">
<div id="titleBox">
<p><span class="nfm-label">支援企業の取り組み</span></p>
<p>地域包括ケアに関する情報発信②</p>
<h3>情報の「更新と共有」を効率化し、福祉サービスの充実に専念を</h3>
<div class="profile-name">トーテックアメニティ株式会社<br />公共医療システム事業部 公共東日本営業部 第2営業グループ 課長　本間 大士</div>
</div>
<section id="content"><hr class="divider" />
<p>前ページでは、「地域資源情報」の収集とWebサイト上での発信を、職員の負担なく行っている中野区の事例を紹介した。ここでは、同区の情報発信を支援したトーテックアメニティを取材。充実した地域包括ケアシステムの運用を目指す自治体が「地域資源情報」の収集で抱えがちな課題について、同社の本間氏に聞いた。</p>
<div class="person-box">
<div class="person-photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210524/20210524124837.jpg" alt="" /></div>
<div class="person-meta">
<div class="person-organization">トーテックアメニティ株式会社</div>
<div class="person-position">公共医療システム事業部 公共東日本営業部 第2営業グループ 課長</div>
<div class="person-name">本間 大士<span class="person-kana">ほんま ひろし</span></div>
</div>
</div>
<h4>7割以上の自治体が感じる「資源把握に改善の必要性」</h4>
<p class="content-q">―自治体における地域包括ケアに関する情報発信の現状を教えてください。</p>
<p>　平成30年度より「在宅医療・介護連携推進事業」の実施がすべての市区町村に義務づけられました。これを受け、各自治体は、地域住民がより適切な医療・介護を受けられるよう、地域資源の把握を行い、その情報の発信に取り組んでいます。<br /><br />　しかし、重要なのは、地域で把握した資源情報を活用して、より充実した地域包括ケアシステムを確立させていくことであり、情報の収集や更新そのものではありません。ある調査結果(※)によると、実際に自治体の7割以上が「資源の把握について改善の必要性を感じる」と回答しています。</p>
<p class="content-note">※出所:野村総合研究所『2018年 在宅医療・介護連携推進事業における全市町村の取り組み状況報告書』</p>
<p class="content-q">―つまり、情報の収集にかかる職員の負担はできるだけ軽減したいと。</p>
<p>　はい。そこで当社が提供する『けあプロ・navi』では、自治体に代わって地域資源情報の収集・更新を実施しているのです。情報の収集・更新を行う当社の「情報センター」は、医療・介護事務の有資格者や実務経験が10年以上のベテランスタッフにより構成。こうした高い専門性をもつスタッフが各種調査を通じ、鮮度の高い情報発信を支援しているのです。</p>
<h4>サービスにあわせて、頻度の異なる調査を実施</h4>
<p class="content-q">―具体的にどのような調査を行っているのですか。</p>
<p>　調査の実施頻度が高い「空き状況」を例に説明しましょう。たとえば「短期入所生活介護」の場合、「男女別に、向こう2週間の施設の空き状況」を週に1回、「居宅介護支援」であれば、「ケアプランの作成が可能な数」を、隔週でそれぞれ調査します。このように、サービスごとに情報鮮度を保ちつつ、事業所側の負担が重くならない頻度で、これまでの調査経験を活かして調査を行っています。<br /><br />　当社は、こうして得られた情報をさらにニーズごとに切り分け、住民だけでなく、医療・介護事業所やケアマネジャーといった関係者にも専用のWebサイトを通じて発信しています。<br /><br />　昨年からは新たに、生活支援コーディネーター向けの業務支援ツールも『けあプロ・navi』に実装しました。これは、「生活支援体制整備事業」に関する課題を抱える自治体の要望に応えるカタチで、新たに提供を始めたものです。</p>
<figure class="content-figure thumbnail" style="text-align: center;"><a href="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210524/20210524124823.jpg"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210524/20210524124823.jpg" alt="" /></a></figure>
<h4>生活支援体制整備事業では「組織間の情報共有」が課題</h4>
<p class="content-q">―生活支援体制整備事業に関する課題とは、どのようなものですか。</p>
<p>　生活支援コーディネーターが地域で発掘したインフォーマルサービス(※)について、「サービスのリストや地図といった情報が整理・共有できていない」という課題です。課題の背景には、生活支援コーディネーターの所属が、自治体や社会福祉協議会、地域包括支援センターなど異なる複数の組織に分かれていることにあります。そこで、生活支援コーディネーター向け支援ツールでは、「資源情報の登録」や「コーディネーターの活動記録」「イベント情報の周知」といった情報を集約できる、共通のプラットフォームを提供。異なる組織間でも情報を一元的に共有することが可能になります。</p>
<p class="content-note">※インフォーマルサービス:家族や地域住民、ボランティア、NPOなど、公的な機関や制度にもとづかずに民間が提供する介護サービスのこと</p>
<figure class="content-figure thumbnail" style="text-align: center;"><a href="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210524/20210524124827.jpg"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210524/20210524124827.jpg" alt="" /></a></figure>
<p class="content-q">―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。</p>
<p>　『けあプロ・navi』は、介護保険制度が始まった平成12年度に提供を始め、現在は約70の自治体での採用実績があります。今後も自治体のさまざまなニーズにあわせて、『けあプロ・navi』のサービスや機能を充実させていきます。それにより、地域包括ケアにかかわる職員や関係者の業務を支援することで、地域社会に貢献していきたいですね。</p>
<div class="content-profile">
<div class="content-profile-heading">本間 大士 (ほんま ひろし) プロフィール</div>
<div class="content-profile-body">昭和57年、宮城県生まれ。平成16年に宮城大学を卒業後、イートス株式会社に入社。自治体向けパッケージソフトの営業・企画を担当。平成30年、トーテックアメニティ株式会社に入社。令和元年より現職。おもに自治体福祉部門向け自社ソリューションの営業全般を担う。</div>
</div>
<div class="company-info-heading">トーテックアメニティ株式会社</div>
<table class="company-table">
<tbody>
<tr>
<th>設立</th>
<td>昭和46年5月</td>
</tr>
<tr>
<th>資本金</th>
<td>1億円</td>
</tr>
<tr>
<th>売上高</th>
<td>255億3,877万円(令和2年3月期)</td>
</tr>
<tr>
<th>従業員数</th>
<td>2,328人(令和3年1月末現在)</td>
</tr>
<tr>
<th>事業内容</th>
<td>ITソリューション事業、エンジニアリングソリューション事業</td>
</tr>
<tr>
<th>URL</th>
<td><a href="https://www.totec.jp/" target="_blank">https://www.totec.jp/</a></td>
</tr>
<tr>
<th>お問い合わせ電話番号</th>
<td><span class="contact-tel-number">03-5657-3201</span>(平日9:00〜17:00)</td>
</tr>
</tbody>
</table>
<div id="material-area">
<div class="single-inquiry-form text-center">
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<div class="form-button-group"><a href="https://raban.jt-tsushin.jp/materials/health/ccrc/271" target="_blank" class="button button-primary">【たった1分で完了！】資料ダウンロードフォーム</a></div>
</div>
</div>
</section>
</section>


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鮮度の高い医療・介護情報を、サイト更新の手間なく発信する

 <section id="coverWrap" class="transbox clearfix">
<p><span class="nfm-label">荒川区社会福祉協議会 の取り組み</span></p>
<div id="titleBox">
<p>ポータブル サウンドシステムの整備</p>
<h3>円滑な地域コミュニケーションは手軽で高機能な音響機器を使って実現【荒川区社会福祉協議会の取組事例】</h3>
<div class="profile-name">地域ネットワーク課　指定特定相談支援事業所・指定障害児相談支援事業所　荒川区立障害者福祉会館アクロスあらかわ 嘉松 敏樹</div>
</div>
<section id="lead">
<p>近年、民間企業や自治体において、さまざまなシーンでもち運びが簡単な音響設備・ポータブルサウンドシステムが活用されている。荒川区社会福祉協議会においても、約1年半前に新しくポータブルサウンドシステムを導入した。担当の嘉松氏に、導入した背景や製品選びのポイント、導入後の利用法などを聞いた。</p>
<p class="caution">※下記は自治体通信 Vol.19（2019年8月号）から抜粋し、記事は取材時のものです。</p>
</section>
<section id="content">
<div class="interviewImg thumbnail"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526074005.jpg" alt="" /></div>
<h4>大きくて重い音響機器では、運営するのもひと苦労だった</h4>
<p class="content-q">―新たにポータブルサウンドシステムを導入した理由を教えてください。</p>
<p>講座やイベントなどで、もっと円滑に地域コミュニケーションを図るためです。<br /> <br /> 当協議会が運営する『アクロスあらかわ』では、おもに障害のある方の自主活動の場として、また障害のある方・ない方の枠を超えたコミュニケーションの場として、講座やイベントなどが随時開催されています。会議室に音響設備はありますが、たとえば交流ロビーなどには音響設備もマイクもない。以前はボランティアセンターからポータブルサウンドシステムを借りていたんですが、大きくて重く、電源をつながなくてはならないなど、けっこう運営が大変で。そのため、新たに購入を検討していたのです。</p>
<p class="content-q">―購入する際のポイントはなんでしたか。</p>
<div class="right thumbnail"><a href="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526073958.jpg" class="cboxElement"> <img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526073958.jpg" alt="" /> </a></div>
<p>やはり、コンパクトで軽い点ですね。当会館は女性スタッフが多く、手軽にもち運べることは重視しました。さらに、操作が簡単である点。そうすれば、お客さまがスムーズに利用できるうえに、職員も説明の手間が省けますから。あとは、機能面の多様さ。お客さまにはいろんな方がいらっしゃいます。「スマホに入っている音楽を流したい」など、個別の要望もあります。機能が多様なほど、多くのお客さまに使っていただけるはずですからね。<br /> <br /> そうした観点を満たしていたのが、ある民間企業のポータブルサウンドシステムでした。同種の製品と比べると、コストが抑えられるのも決め手でしたね。</p>
<h4>災害による停電時でも、活用できると期待</h4>
<p class="content-q">―導入後の反応はいかがですか。</p>
<p>お客さまからは「軽くてマイクもワイヤレスで使いやすく、音質がいいので聞き取りやすい」といった声が聞かれています。また、使い方を説明すると、だいたいみなさん一回で覚えてくれますね。さらにBluetoothやSDカード、USBなど入力手段も多様なため、お客さまの使い勝手もいいと思います。<br /> <br /> また、機能を活かした新しい利用の仕方もされています。</p>
<p class="content-q">―どのような使い方でしょう。</p>
<p>小・中学生を対象に、電動車椅子に乗った方を講師に迎えてバリアフリーにかんする勉強会を開催しているのですが、そこで活用しています。たとえば勉強会では、実際に参加者に車椅子体験をしてもらうのですが、館内や館外で実際に乗ってもらっているんです。その際、電動車椅子に機器を積んで、もち運びながら講師の方にワイヤレスマイクで説明してもらうのです。以前は肉声だったので、後ろのほうにまで声が届きにくかったのですが、いまではすべての子どもたちに声が届き、しっかり話を聞いてくれるようになったようです。</p>
<p class="content-q">―これからの活用方針を教えてください。</p>
<p>『アクロスあらかわ』は荒川区における障害者の福祉避難所に設定されているため、災害による停電の際などに活用できると考えております。また、平常時でも積極的に活用して、円滑なコミュニケーション支援をしていきたいですね。</p>
</section>
</section>

円滑な地域コミュニケーションは手軽で高機能な音響機器を使って実現【荒川区社会福祉協議会の取組事例】

 <section id="coverWrap" class="transbox clearfix">
<div id="titleBox">
<p><span class="nfm-label">宮崎県宮崎市／佐賀県佐賀市／千葉県市原市の取り組み</span></p>
<p>職員採用業務の電子化</p>
<h3>採用の“入口対策”で実現する「業務負荷軽減」と「受験者数増」</h3>
<div class="profile-name">宮崎市 総務部 人事課 竹内 悠起<br />佐賀市 総務部 人事課 主任 木下 実<br />市原市 総務部 人事課 主任 仲村 淳樹</div>
</div>
<section id="content">
<div class="nfm-volume">
<p class="caution">※下記は自治体通信 Vol.22(2020年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。</p>
</div>
<hr class="divider" />
<div class="nfm-lead">
<p>自治体業務のICT化が進むなか、採用領域においてはいまだアナログが主流だ。職種別に応募要項が異なるなど、多様な試験方式に対応する採用管理ツールが少ないことが背景にある。そうしたなか、宮崎市(宮崎県)、佐賀市(佐賀県)、市原市(千葉県)は、受験者数の確保や職員の業務負荷軽減を模索しながら、「採用の電子化」に踏み込んだ。各担当者に、その現状や展望を聞いた。</p>
</div>
<figure class="content-figure thumbnail" style="text-align: center;"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20220523/20220523163537.jpg" alt="" /></figure>
<div class="municipality-data">
<div class="municipality-heading">宮崎市データ</div>
<div class="municipality-body">人口：40万2,632人(令和2年1月1日現在) ／ 世帯数：19万6,861世帯(令和2年1月1日現在) ／ 予算規模：3,036億1,100万円(令和元年度当初) ／ 面積：644.61km² ／ 概要：南北約36kmにわたる海岸線を有し、温暖な気候風土に恵まれ、亜熱帯植物の繁殖する青島の国定公園日南海岸につらなる風光はまさに南国的。昭和40年代には、「新婚旅行のメッカ」といわれ、多くの新婚カップルが、式場から足を運んだ。平成4年5月には米国バージニアビーチ市と姉妹都市、平成16年5月には中華人民共和国葫芦島市と友好都市の盟約をそれぞれ締結し、交流を行うなど、国際リゾート都市としても発展を続けている。</div>
</div>
<div class="person-box">
<div class="person-photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20220523/20220523162811.jpg" alt="" /><noscript><img src="https://www.jt-tsushin.jp/wordpress/wp-content/uploads/2020/01/JT22_noma_01.jpg" alt=""></noscript></div>
<div class="person-meta">
<div class="person-organization">宮崎市</div>
<div class="person-position">総務部 人事課</div>
<div class="person-name">竹内 悠起<span class="person-kana">たけうち ゆうき</span></div>
</div>
</div>
<p class="content-q">―宮崎市の職員採用における業務効率化の現状を教えてください。</p>
<p>　業務効率化を実現するうえで、採用業務の見直しと業務プロセスの検討をつねに行うことが重要と考えています。BPR、いわゆる業務改革です。そのなかでの課題は、採用選考における「受験者側の応募時の負担」と「市役所側の事務負担」です。<br /><br />　これまでの応募手続きは、すべて紙で行われていました。そのため、受験者にとっては応募書類への記入、郵送や持ち込みによる応募手続きが負担となっていたことが考えられます。<br /><br />　一方、市役所側も、「応募書類の内容をExcelに入力する作業」や「受験票を発送する作業」「複数人でのミス確認作業」が発生し、業務負荷が増えていました。<br /><br />　そこで採用領域を電子化することを決め、採用管理システムを導入しました。</p>
<p class="content-q">―導入の経緯を教えてください。</p>
<p>　長年、採用管理システムの導入は検討しており、複数のシステム会社から情報を集めていました。そのなかで宮崎市の採用業務にマッチしていたのが、民間企業の採用管理システムでした。自治体向けの応募エントリー項目が用意されていた点やシステムを使った応募者への一斉連絡などが導入の決め手となりました。</p>
<p class="content-q">―どんな効果がありましたか。</p>
<p>　採用管理システムを導入したことで、受験者側はインターネットからの応募が可能になり、郵送などの負担が軽減されました。また24時間応募が可能となり、時間にとらわれずに応募できることも大きなメリットとなりました。<br /><br />　市役所側にとっては、約100時間の業務時間削減につながりました。内訳は、応募書類(約800人分)の入力作業が約66時間、確認作業や受験票発送作業が約26時間、合格通知の発送作業が約17時間、各作業時間の合計で約109時間かかっていたのがシステム導入で、約7時間に短縮できました。</p>
<p class="content-q">―採用におけるこれからの展望を聞かせてください。</p>
<p>　採用管理システムの導入により、受験者側の負担が軽減されたことで、さまざまな方が応募し、より多くの優秀な人材の確保にもつながることを期待しています。また、事務にかかわる約100時間の業務時間が削減できましたので、その時間を今後の採用活動に活かしたいと考えています。</p>
<figure class="content-figure thumbnail" style="text-align: center;"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20220523/20220523163022.jpg" alt="" /></figure>
<hr />
<figure class="content-figure thumbnail" style="text-align: center;"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20220523/20220523163327.jpg" alt="" /></figure>
<div class="municipality-data">
<div class="municipality-heading">佐賀市データ</div>
<div class="municipality-body">人口：23万2,484人(令和元年12月末日現在) ／ 世帯数：10万992世帯(令和元年12月末日現在) ／ 予算規模：1,524億900万円(令和元年度当初) ／ 面積：431.42km² ／ 概要：九州の北西部に位置し、東は福岡県、西は長崎県に接し、北は脊振山系、南は有明海に面している。年間の平均気温は16度前後の地域が多く、気候は穏やか。観光面では、山間部にある観光りんご園、温泉、スキー場、沿岸部の干拓の個性的な動植物など、多様な魅力を備える。平成27年7月には、日本で初めて実用蒸気船「凌風丸」が造られた「三重津海軍所跡」が、世界文化遺産に登録された。</div>
</div>
<div class="person-box">
<div class="person-photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20220523/20220523162926.jpg" alt="" /><noscript><img src="https://www.jt-tsushin.jp/wordpress/wp-content/uploads/2020/01/JT22_noma_02.jpg" alt=""></noscript></div>
<div class="person-meta">
<div class="person-organization">佐賀市</div>
<div class="person-position">総務部 人事課 主任</div>
<div class="person-name">木下 実<span class="person-kana">きのした みのる</span></div>
</div>
</div>
<p class="content-q">―佐賀市では採用においてどんな問題を抱えていたのですか。</p>
<p>　受験者数の減少が問題でした。そこで、従来からの公務員試験を廃止し、特別な試験対策を必要としない民間型の採用試験、しかも受験者が都合のよい日時、場所を予約して受験できるテストセンター方式での導入を検討していました。<br /><br />　平成30年度、一部職種の採用試験でテストセンター方式を導入したところ、受験者数の増加につながったので、今年度は全職種で導入することが決まりました。そこで懸念されたのが膨大な数の応募者情報の登録作業です。<br /><br />　その対策として、応募方法について郵送から電子化へのシフトを検討。過去に、佐賀県の電子申請システムの共同利用を検討しましたが、実現しませんでした。その時期にNOMA総研より採用管理システムの案内があり、導入にいたりました。</p>
<p class="content-q">―導入による効果を聞かせてください。</p>
<p>　懸念していた登録作業の負荷を大幅に削減できました。特にメールアドレスの確認作業の煩雑さがなくなったこと、Excelに手入力で管理していた部分をデータ抽出できるようになった点がよかったです。<br /><br />　新たにテストセンター方式を導入し、募集職種も異なるので一概にはいえないですが、応募者数も1.7倍になりました。従来通りの募集方法だと、かなりの負担だったはずです。また、採用の電子化はテストセンターとの相性もよく、連携もスムーズに行えました。<br /><br />　受験者への連絡がメールになり、取りやすくなった点も大きな成果でしたね。昨年の採用試験では、2次試験の日程で台風の接近がありました。いままでは電話対応だったので、実施判断を早くする必要がありました。九州は台風も多いので、こういった試験開催の判断を直前まで待ちつつ、詳細な情報を届けられるというのはメールの大きなメリットですね。</p>
<p class="content-q">―人材採用における業務効率化の方針を教えてください。</p>
<p>　採用管理システムの導入を契機にかなり採用業務の運用を変更しています。たとえば、最終選考以外の合否連絡はシステムからの通知のみにしました。合否連絡の郵送については間違いがないか入念な確認が必要でしたが、この作業も大幅に軽減でき、業務効率化につながりました。<br /><br />　人事課には採用以外にも業務がたくさんあります。抜本的な見直しというより、普段の業務を少しずつ改善していくことで、業務効率化に取り組んでいきたいですね。</p>
<figure class="content-figure thumbnail" style="text-align: center;"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20220523/20220523163034.jpg" alt="" /></figure>
<hr />
<figure class="content-figure thumbnail" style="text-align: center;"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20220523/20220523163118.jpg" alt="" /></figure>
<div class="municipality-data">
<div class="municipality-heading">市原市データ</div>
<div class="municipality-body">人口：27万5,385人(令和2年1月1日現在) ／ 世帯数：12万7,233世帯(令和2年1月1日現在) ／ 予算規模：1,616億6,150万円(令和元年度当初) ／ 面積：368.17km² ／ 概要：東京湾から房総丘陵にかけて、東西約22km、南北約36kmにおよび、東京都心から50km圏内に位置する。温暖な気候と海・山の幸に恵まれ、縄文・弥生時代を通じ、遺跡がおよそ2,500ヵ所、貝塚が45ヵ所ある。大化の改新後、上総国府が置かれ、文化や行政の中心として栄えた。昭和32年から臨海部の埋め立て造成が行われると、電力・石油精製・石油化学の大手企業が進出して京葉コンビナート地帯が形成され、わが国有数の工業地帯となった。</div>
</div>
<div class="person-box">
<div class="person-photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20220523/20220523163702.jpg" alt="" /><noscript><img src="https://www.jt-tsushin.jp/wordpress/wp-content/uploads/2020/01/JT22_noma_03.jpg" alt=""></noscript></div>
<div class="person-meta">
<div class="person-organization">市原市</div>
<div class="person-position">総務部 人事課 主任</div>
<div class="person-name">仲村 淳樹<span class="person-kana">なかむら あつき</span></div>
</div>
</div>
<p class="content-q">―市原市が採用の電子化に踏みきった理由はなんでしょう。</p>
<p>　職員採用における受験者の母集団確保が一番の課題でした。採用計画があるにもかかわらず、採用者数が定員を割る職種なども出てきていましたから。そうしたなか、まずはひとりでも多くの受験者に受けてもらう。そこに対策の焦点をあてました。<br /><br />　それまで受験者は、市のHPから書類をダウンロードし、紙ベースで提出。顔写真も撮って送り、郵送でやり取りしていました。民間企業はWeb上でエントリーするのがあたり前の時代に、受験者の負担になっていると考え、採用の電子化を検討したのです。<br /><br />　それに付随して、システムを導入したときのほかのメリットとしてなにがあるだろうかと考えました。従来は受験者から紙ベースで申込書類が送付され、職員がExcelに受験者情報を打ち込んでいました。しかし、このやり方だと、ダブルチェックを含め、時間が相当かかります。さらにその後に受験票を送り返すという、印刷と工数の手間がありました。そこのところの負担がWeb上の申請となることで軽減できるのでは、と考えました。</p>
<p class="content-q">―受験者の確保にはつながりましたか。</p>
<p>　募集職種や規模の違いがあるので単純比較はできませんが、一番応募の多い9月期でみると、全体で約300人の応募があるなかで、ほぼ6割がWebからエントリーいただけました。特に大学生をおもに対象とする上級事務職では、約7割がWebからのエントリーでした。実際にどのくらいWebから応募してもらえるのか不安でしたが、この結果は採用の電子化が望まれていたものだと判断できる数字だと思います。<br /><br />　また、電子化したことで、郵送期間を考慮する必要がなくなり、応募期間を1週間ほど延ばすことが可能になったので、さらなる受験者増も期待しています。</p>
<p class="content-q">―今後の採用における展望を聞かせてください。</p>
<p>　採用管理システムの導入で、職員の負担も大幅に軽減されました。全体の量でみると、ひとりが業務に取り組んだ場合の約2日分は削減されたのではないでしょうか。浮いた時間は、母集団の確保と並行して、これまで十分にできていなかった大学を訪問してのアピールなど、採用活動における質の向上につなげていきたいですね。</p>
<figure class="content-figure thumbnail" style="text-align: center;"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20220523/20220523163744.jpg" alt="" /></figure>
<br />
<div id="material-area"></div>
</section>
</section>

採用の“入口対策”で実現する「業務負荷軽減」と「受験者数増」

 <section id="coverWrap" class="transbox clearfix">
<div id="titleBox">
<p><span class="nfm-label">神奈川県藤沢市の取り組み</span></p>
<p>無人航空機を使った災害・危機管理対策①</p>
<h3>ライフセーバーの「目」と「声」となり、ドローンが海岸の安全を見守った</h3>
<div class="profile-name">藤沢市<br />経済部 観光シティプロモーション課 主幹　木村 嘉文</div>
<div class="spHomePostCompany">[提供] 株式会社JDRONE</div>
</div>
<section id="content">
<div class="nfm-volume">
<p class="caution">※下記は自治体通信 Vol.28(2021年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。</p>
</div>
<hr class="divider" />
<div class="nfm-lead">
<p>災害や事故の発生時には、迅速な現場状況の確認や人命救助が自治体に求められるが、海や河川、山中では、ときに、人が立ち入りにくい場所での活動が求められることも多い。こうしたなか、藤沢市(神奈川県)では、ドローンを活用した海岸パトロールを実施した。パトロールにドローンを活用した経緯や、その成果について、観光シティプロモーション課の木村氏に聞いた。</p>
</div>
<div class="jto-p-jumoToMaterial"><a href="#material-area"><span class="fa fa-chevron-circle-down"> </span> 本記事で紹介しているサービス概要資料はこちら</a></div>
<div class="municipality-data">
<div class="municipality-heading">藤沢市データ</div>
<div class="municipality-body">人口：43万7,664人(令和2年12月1日現在) ／ 世帯数：19万4,365世帯(令和2年12月1日現在) ／ 予算規模：2,685億6,461万1,000円(令和2年度当初) ／ 面積：69.56km² ／ 概要：東京から約50km、神奈川県の中央南部に位置する。周囲は、横浜市と鎌倉市、茅ヶ崎市、大和市、綾瀬市、海老名市、寒川町に囲まれ、南は相模湾に面し、おおむね平坦な地形を形成している。全国的に有名な江の島や、片瀬・鵠沼・辻堂の各海岸を有し、「湘南」地域の中心的な観光都市としての性格をもつ。</div>
</div>
<div class="person-box">
<div class="person-photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526084048.jpg" alt="" /><noscript><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526084048.jpg" alt=""></noscript></div>
<div class="person-meta">
<div class="person-organization">藤沢市</div>
<div class="person-position">経済部 観光シティプロモーション課 主幹</div>
<div class="person-name">木村 嘉文<span class="person-kana">きむら よしふみ</span></div>
</div>
</div>
<h4>例年より少ない数の人員で、海岸を監視することに</h4>
<p class="content-q">―藤沢市では海岸の安全を守るために、どのような取り組みを行っていますか。</p>
<p>　毎年、「藤沢 海・浜のルールブック」という夏期の海岸利用ルールを作成、運用しています。これは、海水浴場の開設を前提に神奈川県が定めるガイドラインにもとづくものです。しかし令和2年は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、神奈川県が「海水浴場を開設しない」と発表。これにより、海の家や関連施設が設置されないことになりました。ただ、毎年約150万人が訪れる当市の片瀬海岸には、やはり一定数の人が訪れることを予測。そこで、市独自の海岸利用ルール「夏期海岸藤沢モデル2020」を策定し、運用することにしたのです。</p>
<p class="content-q">―どのような内容なのでしょう。</p>
<p>　たとえば、マリンスポーツを楽しむ人と海水浴客の接触を防ぐために、海上の利用エリアをすみ分けました。また、民間団体の協力でライフセーバーの活動拠点も設置されることに。しかし、ライフセーバーの数は例年よりも少なく、限りある人員で広い海岸をいかに監視するかが課題となりました。そうしたなか、慶應義塾大学でドローンの運用を研究するコンソーシアムからドローン活用の提案を受けました。さらに、神奈川県の支援も得ながら、7月18日から約3週間にわたり、実験的な意味合いも兼ね、ドローンを活用した海岸パトロールを実施することになったのです。実際の運用では、消防分野でのドローン活用で豊富な実績があるJDRONEの支援を受けました。「人が多い砂浜の上を飛行させない」といった安全性を考慮し、実運用を開始できました。</p>
<p class="content-q">―どのようにパトロールを行ったのですか。</p>
<p>　1時間に1回、片瀬海岸西浜の海岸1.2㎞にドローンを専門のパイロットが飛行させました。ドローンに搭載された最大200倍ズームが可能なカメラが陸上の様子を撮影し、ライフセーバーが監視するのです。その際、禁止エリアでマリンスポーツを行っている人がいれば、スピーカーを搭載したドローンで注意を呼びかけます。このほか、浮力体を投下することで溺者救出を支援するドローンも訓練で使用。浮力体は水に落ちると膨らむ特殊なもので、「ドローンの実用性は活用次第で大きく広がる」ということを実感しました。</p>
<figure class="content-figure thumbnail" style="text-align: center;"><a href="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526084029.png" class="cboxElement"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526084029.png" alt="" /></a></figure>
<h4>遠方の禁止行為にも、スピーカーで注意を促せた</h4>
<p class="content-q">―実際にドローンを活用したパトロールを実施して、どのような効果を感じましたか。</p>
<p>　多くのライフセーバーが、「人の目や声が届かない場所も監視できた」と、ドローンの有効性を実感したそうです。たとえば、「離岸流(※)が発生しそうなので、沖の方も見てきてほしい」といったライフセーバーからパイロットへのリクエストは日を追うごとに増え、ライフセーバーのニーズにドローンが応える場面が多くありました。また、落雷があってライフセーバーが海へ入れないときも、ドローンが海上を監視し、泳いでいる人がいないかどうかを確認できました。このほか、対岸の江の島の岩場で、禁止されているバーベキューをしている人をドローンが発見したことも。その場所まで人が移動するには時間がかかりますが、ドローンがスピーカーを使ってすぐに注意できました。</p>
<p class="content-note">※離岸流 : 海岸に打ち寄せた波が沖に戻ろうとする時に発生する強い流れ</p>
<p class="content-q">―海岸の安全対策に関する今後の方針を聞かせてください。</p>
<p>　コロナ禍が収束し、本来のように海水浴場が開設されることがもちろん望ましいですが、海岸パトロールにドローンを活用した実績を活かし、今後も海岸の安全を守っていきたいです。また、今回の取り組みを通して得られた経験や、ドローン運用に関するデータを広めることで、海岸の安全に限らず、広く災害・危機管理対策の強化につなげられたらと考えています。</p>
</section>
</section>
<hr />
<section id="coverWrap" class="transbox clearfix transbox2">
<div id="titleBox">
<p><span class="nfm-label">支援企業の視点</span></p>
<p>無人航空機を使った災害・危機管理対策②</p>
<h3>情報収集から救助支援まで、実用の幅は大きく広げられる</h3>
<div class="profile-name">株式会社JDRONE<br />ソリューション営業部 部長代行　天野 武正<br />ソリューション営業部 法人営業グループ　安心院 日向</div>
<div class="spHomePostCompany">[提供] 株式会社JDRONE</div>
</div>
<section id="content">
<div class="nfm-volume">
<p class="caution">※下記は自治体通信 Vol.28(2021年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。</p>
</div>
<hr class="divider" />
<p>前ページでは、海岸のパトロールにドローンを活用した藤沢市(神奈川県)の事例を紹介した。ここでは、同市のドローン運用を支援したJDRONEに取材。災害・危機管理分野におけるドローンの活用状況や、活用のポイントについて、同社の担当者2人に聞いた。</p>
<div class="person-box">
<div class="person-photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526084051.jpg" alt="" /><noscript><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526084051.jpg" alt=""></noscript></div>
<div class="person-meta">
<div class="person-organization">株式会社JDRONE</div>
<div class="person-position">ソリューション営業部 部長代行</div>
<div class="person-name">天野 武正<span class="person-kana">あまの たけまさ</span></div>
</div>
</div>
<div class="person-box">
<div class="person-photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526084054.jpg" alt="" /><noscript><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526084054.jpg" alt=""></noscript></div>
<div class="person-meta">
<div class="person-organization">株式会社JDRONE</div>
<div class="person-position">ソリューション営業部 法人営業グループ</div>
<div class="person-name">安心院 日向<span class="person-kana">あじみ ひなた</span></div>
</div>
</div>
<h4>地形データの収集で、詳細な土砂被害推定にも寄与</h4>
<p class="content-q">―自治体の災害・危機管理対策におけるドローンの活用状況を教えてください。</p>
<p><span class="content-speaker-name">安心院</span>　実際には、まだ活用が少ないのが現状です。しかし、ドローンによる空撮影像がテレビで放映されるようになり、災害・危機管理対策への活用に関心をもつ自治体は増えています。ドローンは、人が入り込めない危険な場所に入れるだけでなく、ヘリコプターが航空法の規定で飛行できない高度150m以下の高さで機動的に飛行できるのが強みです。<br /><br />　また、平時においても、災害対策として活用することが可能です。</p>
<p class="content-q">―どのような活用が想定できるのでしょう。</p>
<p><span class="content-speaker-name">安心院</span>　たとえば、土砂災害や洪水の危険がある指定箇所の空撮です。これまでも、災害が発生する可能性が高い場所は航空撮影によって特定できていました。ドローンではさらに、低空でより詳細に地形のデータを収集することが可能。そのデータから、「どのくらいの量の土砂が流れ出す恐れがあるのか」といった、さらに詳細な被害を推定することが可能です。</p>
<p class="content-q">―実際にドローンを効果的に活用するには、どのようなポイントがありますか。</p>
<p><span class="content-speaker-name">安心院</span>　まずは、実運用に備え、飛行を想定する場所の事前調査を行うことです。ドローンのパイロットは画面の映像だけを見て操縦するので、機体の先に障害物がないかどうかを把握しておく必要があります。場所によってはドローンに発信する電波が届かないこともあり、機体の整備が必要になることもあるでしょう。こうした準備を含め、ドローン活用には専門家の支援が必須です。そこで当社では、ドローンの実力を最大限に発揮できるよう、事前調査を含めた総合的な支援を行っています。</p>
<figure class="content-figure thumbnail" style="text-align: center;"><a href="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526084034.png" class="cboxElement"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526084034.png" alt="" /></a></figure>
<h4>実運用の実績が評価され、神奈川県と防災協定を締結</h4>
<p class="content-q">―具体的にどのような支援を行うのでしょう。</p>
<p><span class="content-speaker-name">天野</span>　まず、機体をカスタマイズすることで、ドローン活用の幅を広げる支援を行っています。たとえば、災害時に住民が孤立した際、スピーカーとウインチを搭載したドローンを使えば、被災者に声をかけたり、紙とペンを渡して必要な物資を書いてもらったりすることが可能になるでしょう。<br /><br />　じつは、こうしたカスタマイズは、ただ機材を搭載すればよいわけではなく、専門的な技術や知識が必要なのです。たとえば、ドローンでは、機体を操縦する電波のほかに、映像や音声を伝送する電波を使いますが、これらの電波が混信すれば思い通りに操作できません。通信分野を含めた専門的な知見と、ドローン実運用の豊富な経験を積んできた当社だから可能な支援だと言えます。</p>
<p><span class="content-speaker-name">安心院</span>　当社ではさらに、ドローンのパイロットの育成も行っています。首都圏有数の広さをもつドローン飛行の訓練施設を所有しており、公的機関でも、警察や消防分野への育成支援実績が豊富です。</p>
<p class="content-q">―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。</p>
<p><span class="content-speaker-name">天野</span>　導入に向けたコンサルティングから実運用まで、ドローンの活用に関する幅広い支援を行っていきます。当社の前身となった事業部は、平成26年からドローンの研究を開始し、実用に向けた実績を重ねてきました。こうした実績や知見が評価され、昨年は神奈川県と、ドローンを活用した情報収集や捜索活動などで協力する防災協定も結んでいます。今後も、災害・危機管理分野へのドローン活用を広めていきたいですね。</p>
<figure class="content-figure thumbnail" style="text-align: center;"><a href="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526084039.png" class="cboxElement"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526084039.png" alt="" /></a></figure>
<div class="company-info-heading">株式会社JDRONE</div>
<table class="company-table">
<tbody>
<tr>
<th>設立</th>
<td>令和元年7月</td>
</tr>
<tr>
<th>資本金</th>
<td>8,000万円(令和元年7月現在)</td>
</tr>
<tr>
<th>従業員数</th>
<td>34人(令和元年11月2日現在)</td>
</tr>
<tr>
<th>事業内容</th>
<td>ドローンに関する導入コンサルティング、ソリューション開発、空撮サービス、航空調査、インフラ点検サービス、スクールなど</td>
</tr>
<tr>
<th>URL</th>
<td><a href="https://jdrone.tokyo/" target="_blank">https://jdrone.tokyo/</a></td>
</tr>
<tr>
<th>お問い合わせ電話番号</th>
<td><span class="contact-tel-number">03-4236-0080</span>(平日9:00〜18:00)</td>
</tr>
<tr>
<th>お問い合わせメールアドレス</th>
<td><a href="mailto:contact@jdrone.tokyo">contact@jdrone.tokyo</a></td>
</tr>
</tbody>
</table>
<div id="material-area" class="jto-p-material">
<div class="jto-p-material__lead">この記事で支援企業が提供している<br />ソリューションの資料をダウンロードする</div>
<div class="jto-p-buttonGroup">
<div class="jto-p-buttonGroup__aboveButtonText">＼ たった1分で完了！ ／</div>
<a href="https://raban.jt-tsushin.jp/materials/disaster/earthquake-tsunami/189" target="_blank" class="jto-c-button jto-c-button__primary"><span class="fa fa-chevron-circle-right"> </span>資料ダウンロードフォーム</a></div>
</div>
</section>
</section>

山林や河川、防災、警備などエリアに根ざした調査を継続的に実施し、また有事に即応できるようにするためには、そのエリアに詳しい企業や官公庁が自らドローンを運用できる体制を構築しておく必要があります。JDRONEでは、プロフェッショナルチームを派遣し、ドローンを導入する背景や課題をしっかりとヒヤリングしたうえで、機体選定、運用方法や飛行ルート策定、パイロットやエンジニアの訓練、現場へのドローン実装、さらには導入後の機体メンテナンスや運用変更まで、ドローンの導入・運用をトータルにサポート。企業や官公庁による継続的なドローン運用と課題可決を可能にします。

ライフセーバーの「目」と「声」となり、ドローンが海岸の安全を見守った

 <section id="coverWrap" class="transbox clearfix">
<section id="content">
<div class="material-date">2021/01/08</div>
<h2 class="content-title">「ひらかた de オンライン産前産後クラス」 枚方市が江崎グリコ株式会社提供「Co育てPROJECT」と連携</h2>
<p>枚方市はコロナ禍でも妊産婦や家族の不安や悩みに寄り添えるようにと「ひらかた de オンライン産前産後クラス」（以下、本講座）と題した、オンライン形式による妊産婦向け講座を12 月 22 日（火曜日）に初めて実施した。</p>
<div class="text-center" style="margin-bottom: 60px;"><a href="https://osakameikan.news/news/hirakata-grico-co/" target="_blank" class="button">このプレスリリースを開く <span class="fa fa-external-link"> </span></a></div>
</section>
</section>

「ひらかた de オンライン産前産後クラス」 枚方市が江崎グリコ株式会社提供「Co育てPROJECT」と連携

 <section id="coverWrap" class="transbox clearfix">
<div id="titleBox">
<p><span class="nfm-label">豊田市</span></p>
<p>一大自動車産業都市に受け継がれる「チャレンジ精神」</p>
<h3>公民連携をどこよりも推進し「未来を先取り」し続けるまちに</h3>
<div class="profile-name">豊田市長　太田 稔彦</div>
</div>
<section id="content">
<div class="nfm-volume">
<p class="caution">※下記は自治体通信 Vol.28(2021年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。</p>
</div>
<hr class="divider" />
<div class="nfm-lead">
<p>複雑化、高度化していく一方の行政課題を解決するにあたり、公民連携はもはや不可欠と言える。その公民連携を、複数のアプローチから多面的に進めているのが豊田市(愛知県)だ。同市ではその基盤を活かし、令和2年5月から、新型コロナウイルスとの共存を前提にした「新たな生活様式」を具体的に示す「ミライのフツーをつくろうプロジェクト」に着手している。市長の太田氏に、同プロジェクトへの取り組み方や、公民連携に対する考え方などを聞いた。</p>
</div>
<h4>地域の身近な課題から、先端技術の開発まで</h4>
<p class="content-q">―いま大きく打ち出している「ミライのフツーをつくろうプロジェクト」とは、どのような取り組みですか。</p>
<p>　私たちの生活は今後、新型コロナウイルスとの共存が前提となるでしょう。その生活様式を具体的に示すことで、市民に安心して生活していただきたいという想いで推進するプロジェクトです。多くの自治体でも同様の取り組みに着手していると思いますが、このプロジェクトの特徴は、私たちが長年かけて培ってきた多方面な公民連携のプラットフォームの経験が活かされていることなんです。</p>
<p class="content-q">―公民連携のプラットフォームとは、どのようなものですか。</p>
<p>　具体的には、「とよたSDGsパートナー」と「豊田市つながる社会実証推進協議会」という2つのプラットフォームです。<br /> <br /> 　前者は、コロナ禍で市民が感じる「困りごと」や、今後顕在化が予想される課題を募集し、それらを解決する方法を、パートナーとして登録した企業・団体が提供するものです。言わば、市民と企業・団体との公民連携ですね。<br /> <br /> 　一方の後者は、先端技術の開発・実証を目的とした公民連携プラットフォームです。一例では、万が一の災害発生時における避難所での感染拡大を避けるために、「SAKURAプロジェクト」という名称で開発を進めた「ハイブリッド車などの次世代自動車の外部給電機能」を活用した、在宅避難の推奨活動などがありますね。</p>
<h4>公民連携を迅速に推進すべく、プラットフォームを構築</h4>
<p class="content-q">―なぜ豊田市では、こうした公民連携のプラットフォーム化を行っているのでしょう。</p>
<p>　課題解決のための多様なソリューションが提供できる基盤を構築することで、幅広い分野にわたる公民連携を迅速に推進したいと考えているからです。<br /> <br /> 　私は、平成24年の市長就任時から職員に言い続けてきたことがあります。それは、今回のプロジェクト名にもあるように、「ミライのフツーをつくろう」ということです。テクノロジーの進展で、社会や経済における変化のスピードがどんなに速まっても、「近い将来、普通になりそうなことを先取りし、一歩先を行く自治体であり続けること」を、職員とともに目指してきました。これまでも、スマートシティなど多方面で公民連携を推進してきたなか、「プロジェクトごとの連携ではなく、大きな枠組みとしていつでも公民連携を進めていける体制を整えよう」と。</p>
<p class="content-q">―それが今回の2つのプラットフォームなのですね。</p>
<p>　ええ。そうすれば、どんな課題にもスピーディに対応でき、「ミライのフツー」への取り組みがより積極化すると考えました。先の「とよたSDGsパートナー」は、187の企業・団体が集まるプラットフォームで、地元中心のさまざまな業種・業態の集まりとして、地域の身近な課題解決に向けた公民連携を進められます。一方、「豊田市つながる社会実証推進協議会」は、AI、IoT、新エネルギー、ビッグデータなど先端技術の開発・実証といった、10年、20年先を見すえた公民連携に取り組むプラットフォームと位置づけています。</p>
<figure class="content-figure thumbnail" style="text-align: center;"><a href="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526084319.png" class="cboxElement"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526084319.png" alt="" /></a></figure>
<h4>「市民発」の公民連携で、約4,000の課題を解決</h4>
<p class="content-q">―太田さんの公民連携に対する考え方を聞かせてください。</p>
<p>　行政のリソースだけだと、できることは限られています。それに限界を感じるのではなく、たとえ自分たちだけではできなくても、行政のプロとして、みんなが幸せになる理想のまちづくりを徹底的に考え抜く。そのために不足している部分は民間の知見とノウハウで補い、行政のリソースと融合させて進めるのが公民連携の姿だと考えています。そう考えたときに私は、なにも企業や団体だけが「民間」ではないと思っています。</p>
<p class="content-q">―どういうことでしょう。</p>
<p>　市民一人ひとりも、その重要な対象だと思っています。地方分権の推進における「地方のことは、地方がわかっている」という言葉のように、「地域のことは、地域住民がわかっている」のです。行政は、地域課題の一つひとつをすべて把握できません。ならば、地域住民の力を借りて、その課題を解決してもらおうと。この考えを具現化するために、私が市の職員だった平成17年から「地域自治システム」として推進しています。</p>
<p class="content-q">―どんな成果が上がっていますか。</p>
<p>　代表的取り組みのひとつに「わくわく事業」というものがあります。市内28の地域協議会にそれぞれ毎年500万円の予算を配分し、地域課題の解決方法を住民に考えてもらい、その活動資金を助成するのです。これまでに「まちを明るくして安全安心な地域にする」という「駅前広場のイルミネーション事業」など、じつに約4,000もの事業が具体化しています。その数だけの課題が解決できたということです。私はこの取り組みを、「草の根からの公民連携」だととらえ、ひとつの立派なプラットフォームと考えているんです。</p>
<h4>チャレンジ精神を発揮し、未来を切り開いていく</h4>
<p class="content-q">―公民連携の促進を通じて、どのようなまちを目指しますか。</p>
<p>　「チャレンジ精神にあふれるまち」を目指します。やってくる未来に対し、来たものをただ受け入れるだけか、それとも、自分の手で実現した未来を受け取るか。一大自動車産業を育んだ豊田市には、未来を切り開くチャレンジ精神が、DNAに刻み込まれているはずです。幅広く用意する公民連携の場で、豊田市のチャレンジ精神をどんどん発揮していきたいと考えています。<br /> <br /> 　そんななか、先進的な公民連携の取り組みや実証実験の受け皿となりえる企業を紹介してくれる『自治体通信』という情報プラットフォームは、公民連携を促進するうえでの大切な「つなぎ役」になってくれていると感じますね。</p>
<p class="content-q">―今後の行政ビジョンを教えてください。</p>
<p>　50年後の「未来都市とよた」が目指す「豊かな暮らし」のビジョンとして、「『モノ』づくりのまちから、『モノ・コト・ヒト』がつくるまちへ」を掲げています。この根底にあるのは、豊かな人こそが、豊かなまちをつくるという考えです。公民連携の促進を通じて、課題解決への高い意識をもった自立的な市民がどんどん育っていくと思います。そういった市民と公民連携の取り組みを続け、自治体としての課題解決力も高めながら、50年後の「豊かな暮らし」を実現していきます。</p>
<figure class="content-figure thumbnail" style="text-align: center;"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526084322.png" alt="" /></figure>
<div class="content-profile">
<div class="content-profile-heading">太田 稔彦 (おおた としひこ) プロフィール</div>
<div class="content-profile-body">昭和29年、愛知県豊田市生まれ。早稲田大学商学部卒業。昭和52年、豊田市役所へ入庁。行政経営課長、経営政策本部長、総合企画部長を経て、平成24年2月、豊田市長に就任した。その後、全国市長会副会長、中核市市長会会長などの要職を歴任。現在、3期目。</div>
</div>
<div id="material-area"> </div>
</section>
</section>

公民連携をどこよりも推進し「未来を先取り」し続けるまちに

 <section id="coverWrap" class="transbox clearfix">
<div class="jto-p-headline">
<p><span class="jto-c-label">民間企業の取り組み</span></p>
<p class="jto-c-topic">水害監視対策</p>
<h3 class="jto-p-headline__heading jto-c-heading">低コストで設置しやすい小型水位計が、河川監視システムの普及を後押しする</h3>
<div class="jto-c-interviewee">太陽誘電株式会社 新事業推進室 理事 統括室長　髙木 亨<br />福山市 建設局 土木部 港湾河川課 課長　児玉 信治</div>
<div class="jto-c-sponsored">[提供] 太陽誘電株式会社</div>
</div>

<section id="content">
<div class="nfm-volume">
<p class="caution">※下記は自治体通信 Vol.28(2021年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。</p>
</div>
<hr class="divider" />
<div class="nfm-lead">
<p>日本列島を度々襲う大型台風や豪雨の被害を防ぐため、水害を未然に察知し、住民の避難行動を早める河川監視が、中小河川を管理する自治体にも求められている。こうしたなか、電子部品の開発・製造・販売を手がける太陽誘電の髙木氏は、「中小河川に監視システムが普及するには、解決すべき課題がある」と指摘する。その課題とはなにか。システム設置の現状とあわせて、同氏に聞いた。</p>
</div>

<div class="jto-p-person">
<div class="jto-p-person__photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526083955.jpg" alt="" /></div>
<div class="jto-p-person__meta">
<div class="jto-p-person__organization">太陽誘電株式会社</div>
<div class="jto-p-person__position">新事業推進室 理事 統括室長</div>
<div class="jto-p-person__name">髙木 亨 <span class="jto-p-person__kana">たかぎ とおる</span></div>
</div>
</div>

<h4>監視が必要な河川は、1万9,000本にのぼる</h4>
<p class="content-q">―自治体における河川氾濫対策の現状について聞かせてください。</p>
<p>　台風や豪雨で中小河川の流域でも大きな浸水被害が相次ぐようになったことで、中小河川への対策が以前よりも求められるようになっています。特に中小河川の水位監視については、国や県が管理する大型河川と比べ、監視システムの設置が遅れており、急務の取り組みとして国から求められている状況です。</p>
<p class="content-q">―システムの設置が遅れているのはなぜでしょう。</p>
<p>　対象が中小河川となると、設置しなければならない箇所が多くなり、結果的に機材や工費を含め高額な費用がかかるからです。国土交通省によると、監視が必要な河川は1万9,000河川ありますが、現在、監視できているのは2,000河川ほど。今後、自治体が河川監視体制を整備していくには、いかにコストや工事の手間を抑えたシステムを導入できるかが課題です。そこで当社は、多くの箇所に設置可能な低コストの河川監視システムを開発しました。</p>
<p class="content-q">―どのようにしてコストを抑えられるのですか。</p>
<p>　水位計を低消費電力化、小型・軽量化したことで、コスト低減を実現しました。まず、低消費電力化により、ソーラーパネルと蓄電池を使った独立電源で必要な電力をまかなえ、高額な電気ケーブル敷設が不要になります。また、小型化によって水位計自体の価格も抑えました。水位計は、縦横10cm、高さ6cmの手のひらサイズで、重量は390g。全体のコスト低減を図れると同時に、システム設置の自由度も高められます。</p>
<h2 class="content-title">独自のノイズ除去技術で、水位計の小型化を実現</h2>
<p class="content-q">―水位計を低消費電力化・小型化できたのはなぜでしょう。</p>
<p>　当社が光ディスク事業や通信デバイス事業で長年培ってきた、ノイズ除去技術や、部品の小型化技術を応用しているからです。これらの技術により、電波式水位計として、国が使用する既存製品と同等の精度を担保しつつ、低消費電力化と小型化を実現できたのです。<br /><br />　また、当社の河川監視システムは、高感度カメラや冠水センサーなど、河川監視に必要な機材を統合。表示システムが使いやすい点も特徴です。</p>
<h4>将来はリース形式での提供も</h4>
<p class="content-q">―どのような表示システムなのですか。</p>
<p>　高感度カメラが撮影した画像により、夜間でも昼間のように明るく水面や護岸の様子を見ることができます。水位計やカメラで得たデータは、LTE経由でパソコンやスマートフォンにリアルタイムで送信し、現場の状況を画像で遠隔監視できます。その管理画面は、現時点では自治体向け限定で公開していますが、将来は、浸水時などに危険地域にいる住民に直接公開できるようにする予定です。</p>
<figure class="content-figure thumbnail" style="text-align: center;"><a href="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526083946.jpg" class="cboxElement"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526083946.jpg" alt="" /></a></figure>
<p class="content-q">―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。</p>
<p>　防災・減災に寄与するソリューションとして、河川監視システムをいち早く社会に実装する支援をしていきたいですね。たとえば、データ使用料だけを負担してもらったり、リース形式でシステムを提供したり、予算に縛られずに導入してもらえる体制も整えていきたいと考えています。当社が製造業として培ってきた知見で、安全安心なまちづくりの促進に貢献していきます。</p>
<figure class="content-figure thumbnail" style="text-align: center;"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526083949.jpg" alt="" /></figure>
<div class="municipality-data">
<div class="municipality-heading">福山市データ</div>
<div class="municipality-body">人口：46万6,842人(令和2年11月末現在)世帯数：21万2,132世帯(令和2年11月末現在)予算規模：3,328億6,065万7,000円(令和2年度当初)面積：518.14km²</div>
</div>

<div class="jto-p-person">
<div class="jto-p-person__photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526083958.jpg" alt="" /></div>
<div class="jto-p-person__meta">
<div class="jto-p-person__organization">福山市</div>
<div class="jto-p-person__position">建設局 土木部 港湾河川課 課長</div>
<div class="jto-p-person__name">児玉 信治 <span class="jto-p-person__kana">こだま しんじ</span></div>
</div>
</div>

<p>　当市では、平成30年7月豪雨によって市域約2,000haで浸水被害が発生し、被災後から、国や県などと連携して河川の掘削や改修などのハード面の整備を加速させました。こうしたなか、令和2年10月に太陽誘電の河川監視システムの実証実験が、本市の河川や用水路など計6ヵ所で始まりました。<br /><br />　同社のシステムは小型で、電源が太陽光でありケーブル敷設が不要なことなどから、設置は迅速に進み、わずか2日で水位の計測を開始できました。データはリアルタイムで表示システムに発信され、水位を河川の断面図上で確認できるので、非常に見やすいです。高感度カメラが撮影する水面の様子も非常に鮮明です。表示システムのカレンダー上からは、過去のデータをダウンロードできるなど、直感的に操作できる点も評価しています。<br /><br />　水害を防ぐためにハード面の整備は重要ですが、近年、頻発する自然災害への備えには、ソフト対策として市民の避難行動を促せる体制も必要です。そのために河川監視システムを導入するとなると、「点」や「線」ではなく、「面」でカバーする必要があるので、設置のしやすさや低コストは大きな魅力となります。太陽誘電のシステムは、ほかの複数の自治体でも実証実験が進んでいると聞いており、技術のさらなる進歩に期待しています。</p>
<div class="content-profile">
<div class="content-profile-heading">髙木 亨 (たかぎ とおる) プロフィール</div>
<div class="content-profile-body">昭和33年、千葉県生まれ。昭和61年に東京大学大学院工学系研究科博士課程を修了後、三菱電機株式会社に入社。コンサルティング会社勤務を経て、令和元年、太陽誘電株式会社に入社し、現職。新事業の立ち上げを担う。</div>
</div>
<div class="company-info-heading">太陽誘電株式会社</div>
<table class="company-table">
<tbody>
<tr>
<th>設立</th>
<td>昭和25年3月</td>
</tr>
<tr>
<th>資本金</th>
<td>335億7,500万円(令和2年3月31日現在)</td>
</tr>
<tr>
<th>売上高</th>
<td>2,823億2,900万円(令和2年3月期、連結)</td>
</tr>
<tr>
<th>従業員数</th>
<td>2万1,723人 (令和2年3月31日現在、連結)</td>
</tr>
<tr>
<th>事業内容</th>
<td>各種電子部品の開発・製造・販売 ほか</td>
</tr>
<tr>
<th>URL</th>
<td><a href="https://www.yuden.co.jp/jp/" target="_blank">https://www.yuden.co.jp/jp/</a></td>
</tr>
<tr>
<th>お問い合わせ電話番号</th>
<td><span class="contact-tel-number">03-6757-8369</span>(平日9:00〜17:00)</td>
</tr>
<tr>
<th>お問い合わせURL</th>
<td><a href="https://www.yuden.co.jp/jp/contact/pro_priv.php" target="_blank">https://www.yuden.co.jp/jp/contact/pro_priv.php</a></td>
</tr>
</tbody>
</table>
</section>
</section>

低コストで設置しやすい小型水位計が、河川監視システムの普及を後押しする

多くの地域では、「ヒト」「モノ」「お金」「情報」が十分に循環せずに、域外から入ってくるお金が少なくなっているだけでなく、域外に流出するお金が多い状態です。それらを日本中に循環させ、地域内循環を生み出すことがビジョンである「自立した持続可能な地域」に繋がると考え、日本最大級のふるさと納税総合サイト"ふるさとチョイス"を運営している「ふるさと納税事業」や、自治体職員の仕事の効率化を支援し、付加価値の高い住民サービスの提供に繋げる「パブリテック事業」、エネルギーの地産地消を推進する「エネルギー事業」、地域内経済の活性化を推進する「地域通貨事業」など、多角的な事業を積極的に展開しています。

LGWAN内でも業務改善を進める、自治体専用チャットツールの実力

 <section id="coverWrap" class="transbox clearfix">
<div id="titleBox">
<p><span class="nfm-label">和歌山県和歌山市の取り組み</span></p>
<p>災害時の情報伝達</p>
<h3>たった一度のテキスト入力で、あらゆる媒体に緊急情報を一斉配信</h3>
<div class="profile-name">和歌山市<br />危機管理局 危機管理部 総合防災課 課長 柏谷 佳邦<br />危機管理局 危機管理部 総合防災課 防災対策班 班長 八牟禮 敏之</div>
</div>
<section id="content">
<div class="nfm-volume">
<p class="caution">※下記は自治体通信 Vol.21(2019年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。</p>
</div>
<hr class="divider" />
<div class="nfm-lead">
<p>頻発する自然災害を受け、多くの自治体が万全の防災・減災体制を整えようと腐心している。情報伝達手段の見直しは、その主要な施策のひとつといえる。和歌山市(和歌山県)では、従来の防災行政無線の運用を見直し、メールや電話との一体運用が可能な新たな情報伝達の仕組みを導入したという。同市担当者に、そのシステムの詳細を聞いた。</p>
</div>
<div class="municipality-data">
<div class="municipality-heading">和歌山市データ</div>
<div class="municipality-body">人口：35万5,686人(令和元年10月1日現在) ／ 世帯数：15万5,636世帯(令和元年10月1日現在) ／ 予算規模：2,955億3,616万8,000円(令和元年度当初) ／ 面積：208.84km² ／ 概要：徳川御三家のひとつ、紀州藩55万5千石の城下町として栄えた。悠々と流れる紀の川や和歌の浦・加太などの海岸美、豊かな緑をたたえた山々など恵まれた自然環境と、万葉の時代からつながる歴史文化を兼ね備える。関西国際空港まで約40分と至近距離にあり、「世界」にもっとも近い中核市を自認している。令和元年には市制130周年を迎える。</div>
</div>
<div class="person-box">
<div class="person-photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526074711.jpg" alt="" /><noscript><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526074711.jpg" alt=""></noscript></div>
<div class="person-meta">
<div class="person-organization">和歌山市</div>
<div class="person-position">危機管理局 危機管理部 総合防災課 課長</div>
<div class="person-name">柏谷 佳邦<span class="person-kana">かしたに よしくに</span></div>
</div>
</div>
<div class="person-box">
<div class="person-photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526074714.jpg" alt="" /><noscript><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526074714.jpg" alt=""></noscript></div>
<div class="person-meta">
<div class="person-organization">和歌山市</div>
<div class="person-position">危機管理局 危機管理部 総合防災課 防災対策班 班長</div>
<div class="person-name">八牟禮 敏之<span class="person-kana">やむれ としゆき</span></div>
</div>
</div>
<h4>音声合成技術が、防災情報の配信を変える</h4>
<p class="content-q">―これまで、どのような防災対策を進めてきましたか。</p>
<p><span class="content-speaker-name">柏谷</span>　当市には毎年台風が来襲し、深刻な風水害をもたらしてきました。また、南海トラフ地震では大きな津波被害も予想される地域もあるため、土砂災害や津波など各種ハザードマップを作成し、住民の防災意識を喚起してきました。</p>
<p><span class="content-speaker-name">八牟禮</span>　一方で、災害発生時には、いち早く気象警報や避難勧告を発令する体制を整えており、防災行政無線や防災メールなどを通じて情報を発信してきました。しかし、従来の無線は職員がマイクを手に原稿を読んだ内容を放送していたため、「聞き取りにくい」との苦情が絶えませんでした。</p>
<p class="content-q">―そうした苦情に対し、どのように対応したのでしょう。</p>
<p><span class="content-speaker-name">柏谷</span>　防災行政無線を補完する意味から、平成25年に「和歌山市防災情報メール」というサービスを開始しました。これは防災行政無線で発信した内容をメールでも同時に配信する仕組みですが、これに合わせて当市では、新たなシステムを導入しました。</p>
<p class="content-q">―どのようなシステムですか。</p>
<p><span class="content-speaker-name">八牟禮</span>　音声合成ソフトウエアを搭載しており、提供元の民間企業によると、「入力したテキストを音声変換したうえ、電話、メール、FAX、SNSといった複数の媒体に一斉配信する仕組み」とのこと。専用サーバを経由すれば、既存の防災行政無線と接続でき、合成音声による無線放送も可能ということでした。たった一度の入力、あるいは定型文をクリックするだけで一斉配信できるので、情報配信のスピードや精度が大きく向上し、緊急時に肉声で無線放送を行っていた職員の精神的負担も軽減できました。</p>
<p><span class="content-speaker-name">柏谷</span>　さらに、J-ALERTとの連携も可能になったことで、緊急速報メールの運用が大きく改善されました。従来は、携帯キャリア3社のネットワークへ別々に配信しなければなりませんでしたが、これも統合して一斉配信することができるようになり、この点でも効率化が図れています。</p>
<figure class="content-figure thumbnail" style="text-align: center;"><a href="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526074716.jpg" class="cboxElement"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526074716.jpg" alt="" /></a></figure>
<h2 class="content-title">苦情は大きく減った</h2>
<p class="content-q">―住民の反応はいかがでしょう。</p>
<p><span class="content-speaker-name">八牟禮</span>　合成音声は声音を調整でき、ノイズも入らず明瞭で、「聞き取りにくい」との苦情は大きく減りました。このシステムには拡張性があるため、今後検討している「和歌山市防災情報電話」サービスとも連携し、情報伝達体制をさらに充実させていく考えです。</p>
<div id="material-area"></div>
</section>
</section>

たった一度のテキスト入力で、あらゆる媒体に緊急情報を一斉配信

 <section id="coverWrap" class="transbox clearfix">
<div id="titleBox">
<p><span class="nfm-label">東京都豊島区</span></p>
<p>視覚障害者支援</p>
<h3>AI搭載機器が実現する、視覚障害者の「読書バリアフリー」</h3>
<div class="profile-name">豊島区立中央図書館 館長 大須賀 裕子<br />豊島区長 高野 之夫<br />豊島区立中央図書館 職員 田中主任</div>
</div>
<section id="content">
<div class="nfm-volume">
<p class="caution">※下記は自治体通信 Vol.21(2019年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。</p>
</div>
<hr class="divider" />
<div class="nfm-lead">
<p>今年6月、国会において「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」、いわゆる「読書バリアフリー法」が可決、成立した。今後、国や自治体は、視覚障害者等の読書環境を整備する施策を策定・実施する責務をもつことになる。この動きに先駆け、早くから視覚障害者支援に取り組んできたのが、豊島区(東京都)である。同区での取り組みなどについて、担当者に聞いた。</p>
</div>
<div class="municipality-data">
<div class="municipality-heading">豊島区データ</div>
<div class="municipality-body">人口：28万9,817人(令和元年10月1日現在) ／ 世帯数：18万326世帯(令和元年10月1日現在) ／ 予算規模：2,078億5,100万円(令和元年度当初) ／ 面積：13.01km² ／ 概要：昭和7年10月、東京市郡合併により近郊82ヵ町村が東京市に編入され、新たに20区が設けられた際に誕生。それまで北豊島郡下にあった巣鴨町・西巣鴨町・長崎町・高田町の4つの町が統合されたもので、以降、今日までその区域に大きな変化はない。区名については、4町協議の結果、北豊島郡がなくなることから、この郡の中心にあたるこの区に、その由緒ある名前を残すことが決められ、「豊島区」が誕生した。</div>
</div>
<div class="person-box">
<div class="person-photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526074752.jpg" alt="" /><noscript><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526074752.jpg" alt=""></noscript></div>
<div class="person-meta">
<div class="person-organization">豊島区立中央図書館</div>
<div class="person-position">館長</div>
<div class="person-name">大須賀 裕子<span class="person-kana">おおすが ゆうこ</span></div>
</div>
</div>
<h4>新しい技術や機器の、積極的な活用も重要に</h4>
<p class="content-q">―豊島区ではこれまで、どのような視覚障害者支援を実施してきたのでしょう。</p>
<p>　もっとも代表的な施策が、点字図書館「ひかり文庫」の整備です。来年、設立50年を迎える歴史があり、「視覚障害者情報提供施設」として国の認可を受けています。ここでは、対面朗読の支援のほか、ボランティアによる点訳や音訳等の資料制作、さらには資料制作のための人材育成も担っています。そのため、利用者は区民だけではなく、全国の視覚障害者の方々にも資料を提供しています。</p>
<p class="content-q">―今年6月から、読書バリアフリー法が施行されています。</p>
<p>　これにより、視覚障害者の読書環境がさらに整備されることを期待していますし、その責務も感じています。全国の私立・公立の図書館における蔵書数は4億2,000万部といわれているのに対して、点字など視覚障害者に対応した資料は現状、100万部程度。点字等資料は制作に大変な手間と時間がかかることが背景にあります。同法の施行によって、このギャップを少しでも埋める環境が整えば望ましいです。<br /><br />　しかし、現実にはまだまだ時間を要するでしょう。そこで、視覚障害者が蔵書や文書を読むための支援策として、また、点字の読めない方への支援策として、新しい技術や機器を積極的に活用することも重要だと考えています。そこで当館では、AIを搭載した視覚支援デバイスに注目し、この9月から試験導入することを決めました。</p>
<h4>「すぐに読める」「ひとりで読める」</h4>
<p class="content-q">―どのようなデバイスですか。</p>
<p>　眼鏡に取りつけ、指で示すだけで、カメラが文字を認識し、合成音声で読み上げてくれるデバイスです。これを活用できれば、点訳等されていない新刊図書や毎週発刊される雑誌なども手にできます。いまの情報化社会のスピード感に少しでも対応できるのではないでしょうか。また、図書以外にも個人宛の文書なども従来とは違い、人手を借りずにある程度読むことができます。このデバイスは、「すぐに読める」ことと「ひとりで読める」ことが大きな価値だと感じます。</p>
<p class="content-q">―視覚障害者が手にできる資料の幅が一気に広がりますね。</p>
<p>　そう期待しています。さらに、図書館利用者のみならず、点字図書館で働く視覚障害者の職員にも利用してもらいたいですね。一般の文書をひとりで読むことができるので、事務効率もあがりますし、視覚障害児や発達障害児の学習支援にも有効でしょう。活用の幅はとても広いです。</p>
<figure class="content-figure thumbnail" style="text-align: center;"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526074818.jpg" alt="" /></figure>
<div class="person-box">
<div class="person-photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526074754.jpg" alt="" /><noscript><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526074754.jpg" alt=""></noscript></div>
<div class="person-meta">
<div class="person-organization">豊島区長</div>
<div class="person-name">高野 之夫<span class="person-kana">たかの ゆきお</span></div>
</div>
</div>
<h4>視覚障害者の安全対策は、豊島区の重要施策</h4>
<p>　豊島区は平成24年11月、世界保健機関(WHO)が推奨する安全・安心まちづくりの国際認証「セーフコミュニティ」を取得した、日本で5番目の自治体となりました。この国際認証を受けるにあたり、区が施策テーマとして進めてきたのが「障害者の安全」です。なかでも、視覚障害者の安全は、区の調査からも特に重要との認識をもっており、「まちのバリアフリー」「情報のバリアフリー」「こころのバリアフリー」という3つのテーマで施策を「オールとしま」で展開してきました。<br /><br />　このうち、「情報のバリアフリー」については、図書館を文化・情報・学習の拠点と位置づけ、約50年の歴史をもつ点字図書館の充実に努めてきました。しかし、私はいまの視覚障害者の文化・情報へのアクセス環境に満足していません。そのような折、今回、豊島区立中央図書館で試験導入したAI視覚支援デバイスには大きな期待をしています。<br /><br />　このデバイスによって、視覚障害者の方々は、支援者の手を借りることなく、自分の好きな時間に、好きな場所で、好きな図書や文書を読むことができ、機種によっては、人物や色も判別することができるとも聞いております。今後、まちで利用することで、視覚障害者の安全対策にも貢献できるでしょう。<br /><br />　平成26年5月、日本創生会議から「消滅可能性都市」と指摘を受けた豊島区は「持続発展都市」としての取り組みを着実に進めています。視覚障害者支援は重要施策のひとつと位置づけており、その一策としてAI視覚支援デバイスの活用も進めてまいります。</p>
<figure class="content-figure thumbnail" style="text-align: center;"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526074821.jpg" alt="" /></figure>
<div class="person-box">
<div class="person-meta">
<div class="person-organization">豊島区立中央図書館</div>
<div class="person-position">職員</div>
<div class="person-name">田中主任</div>
</div>
</div>
<h4>機器の軽さと読み取り速度の速さが、強く印象に</h4>
<p>　使用してみた際の最初の印象は、その「軽さ」でした。パソコンやスキャナーといった周辺機器が一切必要なく、装着での違和感はほとんどありませんでした。実際に書籍で試してみましたが、読み取り精度は高く、読み取る時間も従来の機器に比べて圧倒的に早かったですね。私は図書館でどの本を点字・録音図書等に制作するかを決める「選書」の役割も務めているので、書籍を読む必要があります。このデバイスを使って、他の職員に補助を頼むことなく、ひとりで資料を読めるようになれば、業務の効率はあがると期待しています。</p>
<figure class="content-figure thumbnail" style="text-align: center;"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526074814.jpg" alt="" /></figure>
<p>豊島区が試験導入したAI視覚支援デバイスは、すでに全国で利用者が手にし、その革新的な効果に驚きの声をあげている。ここでは、音楽家として活躍する前川さん、新聞記者の岩下さんの2人に取材。このデバイスの機能性や革新性、さらにはデバイスに対する期待などを語ってもらった。</p>
<figure class="content-figure thumbnail" style="text-align: center;"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526074824.jpg" alt="" /></figure>
<div class="person-box">
<div class="person-photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526074757.jpg" alt="" /><noscript><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526074757.jpg" alt=""></noscript></div>
<div class="person-meta">
<div class="person-position">音楽家</div>
<div class="person-name">前川 裕美さん<span class="person-kana">まえかわ ゆみ</span></div>
</div>
</div>
<h4>こんな小さな1台に、多くの機能が集約</h4>
<p class="content-q">―音楽家として、これまでどのように視覚障害をカバーしていたのですか。</p>
<p>　6年前に全盲になってからは、聴力を頼りに曲を覚え、時には友人に「まずは右手」「次は左手」と録音してもらったものを暗譜しています。また、最近はスマホやタブレットで文字や画像を認識するアプリが公開されているので、そうしたツールも使っています。そんななか、ある展示会で知ったのが外資スタートアップが提供しているAI視覚支援デバイスでした。日本でのアンバサダーを募集しているということで、デバイスを使用してみたんです。</p>
<p class="content-q">―利用した感想はどうですか。</p>
<p>　この小さな1台に、多くの機能が集約されていることに驚きました。文字の読み取り、色やお札の判別、顔の認識、合成音声の発話など、それぞれの機能を別々に提供してくれるデバイスはありましたが、読み取り精度もまちまちで使用環境も制約が多かったですから。過去の楽譜のタイトルを読ませて、資料整理などに活用しています。ここ数年は、私にとって書類=「紙ゴミ」になりかけていましたが、この機器のおかげで過去の大量の楽譜が貴重な財産に生まれ変わったんです。この機器を使うことで、視力を失う前、文字を読むことが好きだった自分を思い出しました。定期的なアップデートもあるので、つねに最新機能が使えるのもうれしいですね。将来的に楽譜も読めるようになれば、活動の幅がさらに広がりそうです。</p>
<figure class="content-figure thumbnail" style="text-align: center;"><a href="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526074809.jpg" class="cboxElement"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526074809.jpg" alt="" /></a></figure>
<figure class="content-figure thumbnail" style="text-align: center;"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526074827.jpg" alt="" /></figure>
<div class="person-box">
<div class="person-photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526074802.jpg" alt="" /><noscript><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526074802.jpg" alt=""></noscript></div>
<div class="person-meta">
<div class="person-organization">毎日新聞</div>
<div class="person-position">編集編成局デジタル編集グループ ユニバーサロン編集長</div>
<div class="person-name">岩下 恭士さん<span class="person-kana">いわした やすし</span></div>
</div>
</div>
<h4>「視覚障害者の日常生活用具」として自治体の給付対象に</h4>
<p class="content-q">―このデバイスを知ったきっかけはなんでしたか。</p>
<p>　海外のニュースサイトでこのデバイスの存在を知りました。これまで、類似品を使っていたのですが、インターネット接続が必要で、配線の設定も面倒であったりと、ハード面でのセッティングが面倒だったので、興味をもちました。早速、デバイスを出している民間企業の日本事務所を取材し、資料を入手。自治体による給付金を受けるため、渋谷区障害福祉課を訪問し、このデバイスが給付対象になるかどうか相談しました。すると、「視覚障害の日常生活用具に該当する」との判断をもらい、自治体の補助を受けて購入しました。</p>
<p class="content-q">―使用してみての感想を聞かせてください。</p>
<p>　最大の特徴は、ハンズフリーになる点です。われわれは歩行時に白杖をもつため、デバイスを装着しても両手が使える状態を保てるのは、大変にありがたい。一日中、装着して使っています。もちろん、機能も優れており、これまで使っていたOCR(光学式文字認識装置)に比べ、格段に読み取り精度は高いですね。人を認識してくれるので、電車のホームでは周囲の人との接触を避けられるようになりました。今後、車や自転車まで認識してくれると、さらに安心ですね。</p>
<figure class="content-figure thumbnail" style="text-align: center;"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526074830.jpg" alt="" /></figure>
<div class="person-box">
<div class="person-photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526074805.jpg" alt="" /><noscript><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526074805.jpg" alt=""></noscript></div>
<div class="person-meta">
<div class="person-organization">株式会社システムギアビジョン</div>
<div class="person-position">福祉・医療機器事業部 国内エリアマネージャー 営業マネージャー</div>
<div class="person-name">白潟 仁<span class="person-kana">しらかた さとし</span></div>
</div>
</div>
<h4>日常生活用具への給付は、視覚障害者支援の有効な手段</h4>
<p class="content-q">―AI視覚支援デバイスをどう評価していますか。</p>
<p>　とても画期的なデバイスと評価しています。従来の文字読み取り装置と比べ、読み取り精度の高さはもとより、小ささと軽さは特に優れており、視覚障害者だけではなく、高齢者など幅広い層に、場所を選ばず多様な用途で利用いただけるのではないでしょうか。読書バリアフリー法の施行にともない、今後自治体は視覚障害者の読書環境を整備する責務を負います。その際、点字図書や音読図書などの整備も重要ですが、既存の環境をそのまま活用できるこのデバイスは、読書バリアフリー法の精神を実現するためのとても有効な手段になりえます。そのためには、自治体にぜひ、積極的に検討していただきたいことがあります。</p>
<p class="content-q">―それはなんでしょう。</p>
<p>　視覚障害者の日常生活用具に対する、給付制度の充実です。当社では、このAI視覚支援デバイスのほかにも、「拡大読書器」や「電子ルーペ」といった視覚支援機器を扱っており、購入者が給付制度を活用できるように、必要書類の提供や制度の説明といった申請のサポートを行っています。これらの経験から、当然、このデバイスも給付対象になりえるものと考えます。平成29年度からは、厚生労働省の方針により、「視覚障害者用読書器」のカテゴリーとして、撮影した活字を文字として認識し、音声信号に変換して出力する機能があるものも認められるようになっているからです。実際、「視覚障害者用読書器」、もしくは「活字読み上げ装置」として認定され、名古屋市(愛知県)や渋谷区(東京都)をはじめ、給付対象としてこのデバイスを認定する事例が複数出てきています。このデバイスのような今までにない技術を搭載した読書デバイスに対しては独自の給付枠を設けるなど、給付制度の運用という面からも、自治体には視覚障害者支援に力を入れていただきたいです。それによって、ひとりでも多くの視覚障害者に最新の技術成果をご活用いただければと考えています。</p>
<div class="content-profile">
<div class="content-profile-heading">白潟 仁 (しらかた さとし) プロフィール</div>
<div class="content-profile-body">昭和42年、兵庫県生まれ。平成9年6月に株式会社タイムズコーポレーション(現:株式会社システムギアビジョン)に入社。平成27年年4月より現職。</div>
</div>
<div id="material-area"></div>
</section>
</section>

AI搭載機器が実現する、視覚障害者の「読書バリアフリー」

 <section id="coverWrap" class="transbox clearfix">
<div id="titleBox">
<p><span class="nfm-label">神奈川県相模原市 / 奈良県奈良市 / 東京都新宿区 の取り組み</span></p>
<p>先進事例にみる、教育改革の最前線</p>
<h3>教員の働き方が変わり、指導の質が変わる「次世代教育」のつくり方</h3>
</div>
<section id="content">
<div class="nfm-volume">
<p class="caution">※下記は自治体通信 Vol.21(2019年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。</p>
</div>
<hr class="divider" />
<div class="nfm-lead">
<p>令和2年から小学校を皮切りに順次、新しい学習指導要領がスタートする。各自治体は、文部科学省が打ち出した指針に沿いながら、新時代の学びのカタチを独自に模索している。そうしたなか、いち早く“教育改革"に取り組む自治体では、徐々に成果も見えはじめている。この企画では、そうした自治体の最新動向を紹介し、教育改革の「いま」を概観する。</p>
</div>
<h4>「アンケート集計・採点システム」を導入、業務効率化から指導の質向上を目指す相模原市</h4>
<p>　相模原市(神奈川県)は、教育現場の大きな課題、「学校の働き方改革」を推進する取り組みを行っている。同市は「学校の情報化推進計画」を策定。小・中学校における校務の情報化を推進している。平成30年の夏には、アンケート集計を効率化するシステムを全校に導入した。<br /> <br /> 　アンケートの集計は、教員が回収用紙を1枚ずつ目視、入力し、学年・全校単位で取りまとめるなど、時間と手間のかかる作業。アンケートの内容や学校規模によっては、実施から結果報告まで1週間以上かかるケースもあった。それが、システム導入により、「1枚1枚の入力作業がなくなり、明らかに先生一人ひとりの作業負担軽減につながっている」(市立相陽中学校の鈴木成之副校長)という。<br /> <br /> 　このシステムは、採点集計機能も備えており、長時間労働の一因となっている採点業務の効率化につながることから、同市は令和元年の夏には、テスト採点の集計機能活用を推進するため、中学校の校務用PC全台に導入を広げた。 <br /> <br /> 　同市立相陽中学校では先行してこのシステムを活用。昨年度の3年生の期末テスト時に、英語、数学、理科の採点に導入。その結果、「科目によっても異なりますが、システム導入により、15時間ほど費やしていた採点時間がおよそ3分の1に短縮されました」(鈴木副校長)と大きな成果が得られている。<br /> <br /> 　同校では今後、定期テストに加え、単元テスト、小テストにも採点集計機能の活用を広げる予定で、業務効率化を推進していく。<br /> <br /> 　また、「システムはクラス単位の設問ごとの正答率を簡単に見て取れるなど、さまざまな観点で集計・分析が可能で、その導入効果は単なる採点時間削減にとどまらない。創出された時間を生徒への学習指導や生活指導の実践、教員の指導の質向上に活用することで大きな働き方改革へつながる」と鈴木副校長は力説し、今後への確かな手応えをあかした。</p>
<figure class="content-figure thumbnail" style="text-align: center;"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526075057.jpg" alt="" /></figure>
<h4>奈良市、新宿区落合第六小学校では「個別最適化学習」に成果</h4>
<p>　奈良市(奈良県)では平成28年度から3校のモデル校を指定し、4年生を対象に取り組みを始め、今年度は市内全43小学校の4～6年生の児童を対象に個別最適化学習に取り組んでいる。具体的には、知識や技能、数学的な考えを体系的に重ねていく算数で、児童のつまずきや学習内容の特性の詳細データをシステムで取得、学習の個別最適化を目指している。<br /> <br /> 　授業では、日常行う算数の単元テストの結果をAI的に分析。児童一人ひとりの習熟度や苦手分野に応じた「レコメンド・シート(復習教材)」に落とし込む。同シートは、データ解析によるいわば“オーダーメイド教材”。教員が活用することで、きめ細かな指導ができ、児童にとっては自分の学びに合った問題で復習に取り組め、学習意欲の向上につながっているという。<br /> <br /> 　これを裏づける事例もある。市立大宮小学校の松下教諭は、各児童の1学期間のデータを蓄積した「個人カルテ」から、“みとり”を意識した実践を行った。その結果、児童の成績向上につながり、意識的に取り組む姿勢がみられるようになったことから、データを活用した授業改善の有効性がみえてきた。<br /> <br /> 　東京都の新宿区立落合第六小学校でも「レコメンド・シート」を活用し、一人ひとりの学力定着へつなげている。同校では、試行を経て、令和元年度より4～6年生を対象に取り組みを実施。単元テストの集計データから各児童の誤答傾向を踏まえ、児童に合わせたきめ細かいフォローを行った。<br /> <br /> 　そうした取り組みの結果、単元テストで間違えた児童のうち、87.5%が期末テストで正答するなど、「レコメンド・シートに取り組むことで、児童の学習定着につながることが実感できた」(同校曽我教諭)という。<br /> <br /> 　奈良市・落合第六小学校とも、今後は算数以外の国語・理科・社会で、これまで使ってきた教材会社テストをシステムに取り入れて活用していく意向だ。</p>
<figure class="content-figure thumbnail" style="text-align: center;"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526075100.jpg" alt="" /></figure>
<div id="material-area"> </div>
</section>
</section>

教員の働き方が変わり、指導の質が変わる「次世代教育」のつくり方

 <section id="content">
<div class="nfm-volume">
<p class="caution">※下記は自治体通信 Vol.27(2020年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。</p>
</div>

<div class="nfm-lead">
<p>公営住宅を管理するにあたり、建物の老朽化と入居者の高齢化という「2つの老い」にどう対応していくかが、今後より一層問われてくる。そんななか高松市(香川県)では、「安心して住んでもらえる公営住宅」を目指し、「2つの老い」に対応した運営を行っていく体制を構築した。担当者に、これまでの管理状況と、今後の運営体制で期待する効果などを聞いた。</p>
</div> <div class="municipality-data">
<div class="municipality-heading">高松市データ</div>
<div class="municipality-body">人口：42万6,118人(令和2年10月1日現在)世帯数：20万181世帯(令和2年10月1日現在)予算規模：3,036億4,666万2,000円(令和2年度当初)面積：375.63km²概要：瀬戸内海に面した香川県の県庁所在地。四国の中枢管理都市として発展するなか、特に昭和63年の瀬戸大橋開通や平成元年の新高松空港開港、平成4年の四国横断自動車道の高松市への延伸など交通インフラが整備され、平成11年4月には中核市へ移行した。四国地方では、松山市(愛媛県)に次ぎ2番目の人口規模。</div>
</div>  <h4>6割超の団地が築30年以上、高齢者の入居割合は約6割</h4>
<p class="content-q">―公営住宅におけるこれまでの管理体制を教えてください。</p>
<p>　市内の50団地・約4,000戸の住戸について、入居希望者の募集・審査、入居後の問い合わせ対応、家賃の集金・滞納対策にくわえ、住戸ごとの修繕や建物全体の維持管理・修繕などを行ってきました。このように、公営住宅のソフト面からハード面まですべての管理業務を行うなか、特に近年、ある課題がクローズアップされています。</p>
<p class="content-q">―どのような課題でしょう。</p>
<p>　建物の老朽化と、増え続ける高齢入居者への対応です。同様の課題をもつ自治体は多く、「2つの老いへの対応」と呼ばれています。当市の場合、築30年以上経過した建物が全体の6割超を占め、名義人が65歳以上の高齢者世帯も6割近い数字に上がってきています。これからも安心して住み続けてもらうには、建物の老朽化対策と、高齢入居者が安心して生活できるサポートの導入が必要でした。</p>
<p class="content-q">―どのような施策を実施したのですか。</p>
<p>　公営住宅の管理業務全般を、専門事業者に包括して委託することにしました。そのことによって、建物については維持管理のレベルが上がり、長寿命化が望めます。また、高齢入居者に対しては、専門事業者による充実した「見守りサービス」が提供できると考えたのです。くわえて、これまで職員の負担になっていたさまざまな業務を軽減できるのではないかと。</p>
<p class="content-q">―どういった業務でしょう。</p>
<p>　たとえば、入居者から「隣の音がうるさい」「他住民のごみの出し方がおかしい」「ドアが壊れた」という連絡が頻繁に入るのですが、その都度訪問して対応する必要があります。入居者の生活に直接かかわる業務なので優先しなければなりませんが、職員数に対してその数が多すぎました。そのため、「公営住宅のあり方」や「空き家対策」など、課として検討すべき新たな住宅政策の立案に集中できないといった課題がありました。管理業務の委託で、その課題もあわせて解決できると考えたのです。<br /><br />　そこで、指定管理者制度を活用して専門事業者を公募し、複数自治体で公営住宅の管理実績があり、高齢入居者への安心感あるサービスの提供が期待できると判断して日本管財に決定。平成31年4月から、業務委託を開始しています。</p> [object Object] <h4>「対応が早くなった」と、入居者からは高評価</h4>
<p class="content-q">―管理業務の委託でどのような効果を感じていますか。</p>
<p>　日本管財と打ち合わせながら、建物の管理面では、電気設備や給排水管など特にインフラ設備の点検強化により、建物の長期使用に向けた取り組みを進めています。高齢入居者については、定期的な巡回訪問や架電による「見守りサービス」のほか、電球交換といった軽作業を日本管財が無料対応する新たな取り組みも。また、これまで修繕時には、市の担当者が訪問後に見積もりや発注などをしていましたが、この手続きを一部省略し、専門業者が直接訪問するようにしたため、「対応が早くなった」という声が聞かれます。<br /><br />　「安心して住んでもらえる公営住宅」を目指した管理ができていると同時に、私たちとしても、新たな政策立案に集中できる体制を整えられています。</p>
</section>
</section>   <section id="coverWrap" class="transbox clearfix transbox2">
<section id="content">
<p class="content-q">―公営住宅の管理を委託する自治体は増えていますか。</p>
<p>　はい。高松市のように「2つの老い」に対応した管理に向けて、ノウハウのある民間企業の力を借りる動きが自治体の間で広がっています。そもそも公営住宅の管理には、建物を管理すること以外に「入居者対応」といった業務もくわわるため、庁舎や体育館という一般的な公共施設の管理よりも業務負担が大きいといった問題もあります。そのため、専門事業者に委託することをおススメします。</p>
<p class="content-q">―委託企業を選ぶポイントはなんでしょう。</p>
<p>　まずは、建物の長寿命化に向けた維持管理の実績を備えたノウハウが豊富にあるかどうか。そして、ていねいに入居者対応できる体制にあるかが重要です。その点当社では、22自治体・約10万戸の公営住宅を管理。また、建物の損傷や劣化の発生前に対策を行う「予防保全」を重視した維持管理業務で、公営住宅以外にも官民合わせて3,000棟以上の建物を管理してきた実績があります。さらに、高齢入居者に対しては、まんべんなく「見守りサービス」を利用してもらえるようにしているほか、公営住宅の入居者対応の専門部署があるため、連絡があればすぐに応答する体制が整っています。</p>
<p class="content-q">―今後の自治体に対する支援方針を聞かせてください。</p>
<p>　当社では、建物の老朽化と高齢入居者の両方をケアする管理体制によって、公営住宅を持続的に運営していく支援を行っています。公営住宅の管理を委託したいと考えている自治体の方は、ぜひ当社にご連絡ください。</p>
</section>
</section>

建物と入居者の「2つの老い」をケアし、安心して住める公営住宅に

 <section id="coverWrap" class="transbox clearfix">
<section id="content">
<figure class="text-center" style="margin: 30px 0; text-align: center;"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210524/20210524131921.jpg" alt="" style="opacity: 0.803341;" /></figure>
<div class="material-date">2020/10/17</div>
<h2 class="content-title">「Co育てPROJECT」妊娠期からパパとママで協力して子育てを！ 寝屋川市×江崎グリコ株式会社</h2>
<p>寝屋川市は、江崎グリコ株式会社（以下、江崎グリコ）と協同し、「寝屋川市Co育てPROJECT」として、初めて赤ちゃんを迎えるパパ・ママ等を対象に子育て支援課の保健師によるオンライン講座を実施する。</p>
<p>新型コロナウイルス感染症対策も踏まえたオンライン講座での実施のため、子育て中のパパ・ママ等も安心して参加することができる。</p>
<div class="text-center" style="margin-bottom: 60px;"><a href="https://osakameikan.news/news/co-sodate-project-neyagawa/" target="_blank" class="button">このプレスリリースを開く <span class="fa fa-external-link"> </span></a></div>
</section>
</section>

「Co育てPROJECT」妊娠期からパパとママで協力して子育てを！ 寝屋川市×江崎グリコ株式会社

 <section id="coverWrap" class="transbox clearfix">
<section id="content">
<figure class="text-center" style="margin: 30px 0; text-align: center;"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210524/20210524131944.jpg" alt="" style="opacity: 0.969096;" /></figure>
<div class="material-date">2020/10/16</div>
<h2 class="content-title">市民サービスの向上と地域の活性化の推進へ　東大阪市・三井住友海上火災保険株式会社　包括連携協定締結</h2>
<p>2020年10月15 日、東大阪市は損害保険業を主な事業とする三井住友海上火災保険株式会社（本店：東京都千代田区神田駿河台3-9、取締役社長：原 典之、以下：三井住友海上）と、市民サービスの向上と地域の活性化の推進を目的に、教育、スポーツ・文化・産業、健康・福祉など、７分野での協働による活動を進める包括連携協定を締結した。</p>
<div class="text-center" style="margin-bottom: 60px;"><a href="https://osakameikan.news/news/higashiosaka-msad/" target="_blank" class="button">このプレスリリースを開く <span class="fa fa-external-link"> </span></a></div>
</section>
</section>

市民サービスの向上と地域の活性化の推進へ 東大阪市・三井住友海上火災保険株式会社 包括連携協定締結

 <section id="coverWrap" class="transbox clearfix">
<div id="cover">
<div><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526082225.jpg" alt="「情報資産」を守る砦として、データ消去は職員自らの手で" /></div>
</div>
<div id="titleBox">
<p><span class="nfm-label">神奈川県藤沢市</span></p>
<p>情報漏えい対策</p>
<h3>「情報資産」を守る砦として、データ消去は職員自らの手で</h3>
<div class="profile-name">藤沢市<br />総務部 IT推進課 情報政策担当 主査 杉山 裕一<br />総務部 IT推進課 情報政策担当 有田 尚人</div>
<div class="spHomePostCompany">[提供] アドバンスデザイン株式会社　</div>
</div>
<section id="content">
<div class="nfm-volume">
<p class="caution">※下記は自治体通信 Vol.26(2020年10月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。</p>
</div>
<hr class="divider" />
<div class="nfm-lead">
<p>神奈川県庁の行政文書が蓄積されたハードディスク(以下、HDD)が、データ消去前に転売された問題を受け、総務省は令和元年12月、自治体に向けて情報セキュリティに関する新たな通知を出した。以前から情報セキュリティ対策を行ってきた藤沢市(神奈川県)は、これにいち早く対応。独自の対策を講じている。同市の担当者2人に、これまでの取り組みも含めて聞いた。</p>
</div>
<div class="jto-p-jumoToMaterial"><a href="#material-area"><span class="fa fa-chevron-circle-down"> </span> 本記事で紹介しているサービス概要資料はこちら</a></div>
<div class="municipality-data">
<div class="municipality-heading">藤沢市データ</div>
<div class="municipality-body">人口：43万6,477人(令和2年8月1日現在)世帯数：19万3,344世帯(令和2年8月1日現在)予算規模：2,685億6,461万1,000円(令和2年度当初)面積：69.56km²概要：神奈川県の中央南部に位置し、横浜市、鎌倉市、茅ヶ崎市、大和市、綾瀬市、海老名市、寒川町に囲まれ、南は相模湾に面している。JR東海道線で東京エリアまで約50分、横浜エリアまで約20分の位置にあり、交通利便性にも恵まれている良好な居住環境が整っている。また、商工業が集積し、江の島・湘南海岸などの観光資源や教育・文化・福祉・コミュニティ施設などの社会資源も豊富。</div>
</div>
<div class="person-box">
<div class="person-photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526082213.jpg" alt="" /><noscript><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526082213.jpg" alt=""></noscript></div>
<div class="person-meta">
<div class="person-organization">藤沢市</div>
<div class="person-position">総務部 IT推進課 情報政策担当 主査</div>
<div class="person-name">杉山 裕一<span class="person-kana">すぎやま ゆういち</span></div>
</div>
</div>
<div class="person-box">
<div class="person-photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526082210.jpg" alt="" /><noscript><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526082210.jpg" alt=""></noscript></div>
<div class="person-meta">
<div class="person-organization">藤沢市</div>
<div class="person-position">総務部 IT推進課 情報政策担当</div>
<div class="person-name">有田 尚人<span class="person-kana">ありた なおと</span></div>
</div>
</div>
<h4>総務省の通知で、より厳重な対策が必要に</h4>
<p class="content-q">―藤沢市ではどんな情報セキュリティ対策を行ってきたのですか。</p>
<p><span class="content-speaker-name">杉山</span>　当市では、セキュリティポリシーとして、「保有する情報資産を事件・事故から守る」というのを命題のひとつにしています。そのため、平成18年から自治体としては珍しく、ISMSの認証を取得。以降、継続して取得しています。<br /><br />　また、当市のシステムや端末の約9割がリース契約ですが、業務委託・賃貸借を問わず、契約の際、これまでも必ず「データの保護及び秘密の保持等に関する仕様書」を添付。「受託者は利用が終わった情報機器に関しては必ずデータを消去する」「データを消去した場合はデータ消去証明書を発行する」ことを定め、実行していました。</p>
<p><span class="content-speaker-name">有田</span>　さらに、リース以外の庁内から出てくる記憶媒体に関しては、適切に廃棄するための業務委託を毎年行い、年に1度数百キロを廃棄し、「廃棄証明書」を発行してもらっていました。</p>
<p class="content-q">―今回の通知を受けて、どのような対策を講じたのでしょう。</p>
<p><span class="content-speaker-name">有田</span>　通知には、重要な情報を含む記憶媒体には、物理的もしくは磁気的に破壊をしてデータ消去を行うこと。また、データ消去の際は職員が立ち会いのもとで行うよう書かれていました。当市の仕様書では、職員の立ち会いおよび庁舎内でデータを消去することまでは明記しておらず、業者が持ち帰って消去した後、証明書を発行してもらっていたのです。それは正しいフローですが、通知にはそぐわない。また契約中の案件は、作業場所を庁内に変更することは、契約金額にも関係するため対応が困難だ、と。そこで今後は、庁内で職員自らがデータ消去を行える環境整備が必要になったのです。</p>
<h4>あらゆる状況を想定して、庁内の環境を整えていく</h4>
<p class="content-q">―どう対応したのですか。</p>
<p><span class="content-speaker-name">杉山</span>　重要な情報を含む記憶媒体に関して、まずは磁気破壊装置の導入検討を開始。じつは、15年以上前から磁気破壊装置は保有していたんです。ただ、最新のHDDには対応できず、更新を検討していました。磁気破壊装置なら、職員も使い慣れていることもあり、これを機に刷新しようと。<br /><br />　ポイントは、HDDを取り出さずにノートパソコンごと磁気的破壊ができること。そのほうが、職員も使いやすいですから。その基準を満たしていたのが、アドバンスデザインの磁気破壊装置でした。また同製品は、消去ログが残るので、どの項目を消去できたかがわかり、作業モレを防ぐことも可能。それで、導入を決めました。</p>
<figure class="content-figure thumbnail" style="text-align: center;"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526082221.jpg" alt="" /></figure>
<p class="content-q">―情報セキュリティに関する今後の方針を教えてください。</p>
<p><span class="content-speaker-name">有田</span>　情報流出防止策を強化していきます。実際に、重要情報を含まない前提ですが、磁気的破壊ができないリース契約の記憶媒体にはデータ消去ソフトを使い、当市でデータを一度消去。そのうえで、さらに業者に消去を依頼しています。業者まかせにせず、自前の防衛が求められているからこその対応です。これも、アドバンスデザインの製品を活用しています。<br /><br />　また、あらゆる記憶媒体に対応できるよう、物理破壊装置の検討も行っていきます。情報資産を守るため、職員のセキュリティ教育も含めて徹底していきたいですね。</p>
</section>
</section>
<hr />
<section id="coverWrap" class="transbox clearfix transbox2">
<div id="titleBox">
<p><span class="nfm-label">支援企業の視点</span></p>
<h3>説明責任を担うのは自治体。自前と業者の2段構えで臨むべき</h3>
<div class="profile-name">アドバンスデザイン株式会社 営業部 課長 太田 裕貴</div>
<div class="spHomePostCompany">[提供] アドバンスデザイン株式会社　</div>
</div>
<section id="content">
<div class="nfm-volume">
<p class="caution">※下記は自治体通信 Vol.26(2020年10月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。</p>
</div>
<hr class="divider" />
<div class="person-box">
<div class="person-photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526082218.jpg" alt="" /><noscript><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526082218.jpg" alt=""></noscript></div>
<div class="person-meta">
<div class="person-organization">アドバンスデザイン株式会社</div>
<div class="person-position">営業部 課長</div>
<div class="person-name">太田 裕貴<span class="person-kana">おおた ゆうき</span></div>
</div>
</div>
<p class="content-q">―総務省の通知以降、自治体からのセキュリティに関する問い合わせは増えているのですか。</p>
<p>　増えていますね。それこそ通知が出た直後は、通常の10倍近く問い合わせが来ました。緊急事態宣言が出たころは、自治体もその対応にかかりっきりになっていたようでしたが、宣言が解除されてから、また徐々に問い合わせ件数が増えつつあります。やはり、情報セキュリティ対策は自治体においても重要課題だと言えるでしょう。</p>
<p class="content-q">―どのように対応すればいいでしょうか。</p>
<p>　まずは藤沢市のように、記憶媒体を持ち出す前に職員でデータを消すということが重要になるでしょう。もしなにかが起こった場合、自治体には説明責任が発生します。たとえ、業者側に落ち度があっても、その責任を問われるのは自治体にほかなりません。だからまずは、自分ごととして自治体でデータを消す。そして業者に消去を依頼する、2段構えで取り組むべきです。<br /><br />　さらに、あらゆる記憶媒体に対応できる体制を整えておくことが重要です。当社は、磁気破壊装置、物理破壊装置、データ消去ソフトに幅広く対応。データ復旧会社として日々新しいデバイスに触れているからこそ、最新のデバイスに関するデータ消去にも対応できるのです。</p>
<p class="content-q">―自治体における今後の支援方針を教えてください。</p>
<p>　どんな機器を導入すればいいか、またはいま使っている機器が現状のデータ消去に対応できるかの相談に乗ることも可能です。ご不明点のある方は、気軽に問い合わせてほしいですね。</p>
<div class="content-profile">
<div class="content-profile-heading">太田 裕貴 (おおた ゆうき) プロフィール</div>
<div class="content-profile-body">神奈川県生まれ。平成20年、アドバンスデザイン株式会社に入社。平成21年より現職。</div>
</div>
<div class="company-info-heading">アドバンスデザイン株式会社</div>
<table class="company-table">
<tbody>
<tr>
<th>設立</th>
<td>平成7年6月</td>
</tr>
<tr>
<th>資本金</th>
<td>3億6,460万円</td>
</tr>
<tr>
<th>資本</th>
<td>株式会社メルコホールディングス100%出資</td>
</tr>
<tr>
<th>事業内容</th>
<td>データリカバリーサービス、データ消去製品製造販売、データ消去サービス、データ変換サービス、デジタルフォレンジック製品販売</td>
</tr>
<tr>
<th>URL</th>
<td><a href="https://www.a-d.co.jp/" target="_blank">https://www.a-d.co.jp/</a></td>
</tr>
<tr>
<th>お問い合わせ電話番号</th>
<td><span class="contact-tel-number">0120-290-459</span>(平日9:00〜17:30)</td>
</tr>
<tr>
<th>お問い合わせメールアドレス</th>
<td><a href="mailto:ohta@a-d.co.jp">ohta@a-d.co.jp</a></td>
</tr>
</tbody>
</table>
<div id="material-area" class="jto-p-material">
<div class="jto-p-material__lead">この記事で支援企業が提供している<br />ソリューションの資料をダウンロードする</div>
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</div>
</section>
</section>

2019年12月に発生した、自治体の廃棄委託先によるデータ漏洩事件以降、総務省におけるワーキンググループや有識者会議で議論が進み、2022年3月「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」が再改定。
再改定後の「情報資産の廃棄やリース返却」方法では、取扱う情報の機密性に応じた”データ抹消” を実施し、確実な履行を担保する必要性が説かれています。お客様がデータを抹消したい機器・台数・期間・予算に応じて最液なデータ抹消手法をご案内します。

「情報資産」を守る砦として、データ消去は職員自らの手で

 <section id="coverWrap" class="transbox clearfix">
      <section id="content">

        <div class="material-date">2020/07/21</div><h2 class="content-title">SDGs×新しい生活様式　ミライのフツーをつくろうプロジェクト ブラックアウト（停電）における在宅避難体験をはじめます</h2><p>豊田市は「SDGs×新しい生活様式 ミライのフツーをつくろうプロジェクト」（令和2年5月15日報道発表済）の一環として、とよたエコフルタウンのスマートハウスで、災害時を想定したブラックアウト（停電）における、次世代自動車の外部給電機能の活用方法を体験してもらうガイドツアーを開始します。</p>
<p>この取組を通じて、環境に優しく災害に強い次世代自動車の普及促進と、災害時の三密回避策のひとつである在宅避難の理解の浸透を図っていきます。</p>

        <div class="text-center" style="margin-bottom: 60px;">
          <a href="https://www.city.toyota.aichi.jp/pressrelease/1038805/1039114.html" target="_blank" class="button">このプレスリリースを開く <span class="fa fa-external-link">&nbsp;</span></a>

        </div>




      </section>



    </section>

SDGs×新しい生活様式 ミライのフツーをつくろうプロジェクト ブラックアウト（停電）における在宅避難体験をはじめます

 <section id="coverWrap" class="transbox clearfix">
      <section id="content">

       <div class="material-date">2020/05/21</div><h2 class="content-title">SDGs×新しい生活様式　ミライのフツーをつくろうプロジェクト　とよたエコフルタウンがリモートガイドツアーを始めます　</h2><p>豊田市は、「SDGs×新しい生活様式 ミライのフツーをつくろうプロジェクト」（令和2年5月15日（金曜日）報道発表済み）の追加事業として、とよたエコフルタウンにおいて、インターネットを介した「リモートガイドツアー」を開始します。</p>
<p>愛知県が国の緊急事態宣言の対象地域から除外されたことに伴い、令和2年5月19日（火曜日）から施設運用を再開したとよたエコフルタウンでは、3密回避の観点から、対面でのガイドツアーは引き続き休止しています。<br>
（注）5月21日時点の情報です。現在はガイドツアーも再開しています。</p>
<p>今回実施するリモートガイドツアーは「新しい生活様式」を踏まえた公共施設の運営手法で、web会議ツール「Zoom」を活用し、施設の概要や見所などを遠隔地のお客様へ臨場感をもってお伝えするものです。<br>
リモートガイドツアーを通じ、公共施設における「新たな生活様式」の実践的な取組として提案するとともに、とよたエコフルタウンの魅力発信を進めていきます。</p>

        <div class="text-center" style="margin-bottom: 60px;">
          <a href="https://www.city.toyota.aichi.jp/pressrelease/1038099/1038258.html" target="_blank" class="button">このプレスリリースを開く <span class="fa fa-external-link">&nbsp;</span></a>

        </div>




      </section>



    </section>

SDGs×新しい生活様式 ミライのフツーをつくろうプロジェクト とよたエコフルタウンがリモートガイドツアーを始めます

 <section id="coverWrap" class="transbox clearfix">


            <p><span class="nfm-label">東京都中野区            の取り組み</span></p>

<div id="titleBox">

            <h3>子育て支援の認知拡大は利用シーンが豊富で喜ばれる贈呈品を【中野区の取組事例】</h3>


					  <div class="profile-name">
		  地域支えあい推進部　トータルケア調整担当課長　北部すこやか福祉センター　所長 小山 真実		  			  		      </div>














</div>

<section id="lead">
<p>全国で進行する少子化への対策として多くの自治体が住民の子育て支援に力を入れている。そうしたなか、中野区(東京都)は、子育てに特化した贈呈品の配布を通じ、支援サービスの認知度向上に成功している。贈呈品配布の詳細やその効果について、北部すこやか福祉センター所長の小山氏に聞いた。</p>

  									<p class="caution">※下記は自治体通信 Vol.18（2019年6月号）から抜粋し、記事は取材時のものです。</p>
					  </section>


<section class="onebox company company-city">
  <div class="company-data">
    <p class="blue">東京都中野区データ</p>
      <span>人口： 33万3,950人(令和元年5月1日現在) </span>
        <span>世帯数： 20万7,116世帯(令和元年5月1日現在) </span>
        <span>予算規模： 2,269億5,500万円(令和元年度当初)</span>
        <span>面積： 15.59km²</span>
        <span>概要： 東京23区の西方に位置し、東は新宿・豊島、西は杉並、南は渋谷、北は練馬の各区に接している。地名の由来は、武蔵野台地の真ん中に位置しているためといわれ、中野の名は、和歌山県の熊野那智大社に伝わる貞治元年(1362年)の古文書に初めて登場する。新宿へのアクセスの良さなどから戦前から住宅地として発展し、人口密度の高さは東京23区のなかでも上位を占める。</span>
    </div>
</section>




<section id="content">








        <div class="interviewImg thumbnail">
        <img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526073616.jpg" alt="">
      </div>


              <p class="content-q">―中野区ではどのような子育て支援に取り組んでいるのでしょう。</p>



        <p>妊娠期から産後育児期の各ステージにおける妊産婦を支援するトータルケア事業を、東京都の補助事業を活用して実施しています。<br>
<br>
トータルケア事業の一環として始めた支援のなかでも特に力を入れているのは、妊婦を対象とした保健師などによる面接です。区ではもともと、生後4ヵ月以内の赤ちゃんがいる母親を対象に、助産師などによる全戸訪問を行ってきました。しかし、ハイリスク児や乳幼児の疾病を予防するには、専門家による出産前の面接が欠かせません。そこで、すべての妊婦を対象とした面接を新たに始めたのです。</p>




              <p class="content-q">―取り組みを知ってもらうためにどのような工夫をしましたか。</p>



        <p>妊婦面接に関心をもってもらうために、面接に来た方には、妊娠・子育てを応援するギフト券として、全国の百貨店や玩具店などで利用できる『こども商品券』を配布しています。同商品券は、おもちゃやベビー用品などのほか、マタニティタクシーといった妊娠・育児を支えるさまざまなサービスと交換できるのが特徴です。<br>
<br>
配布する贈呈品の選定にあたっては、母子手帳用のカバーやカタログギフト、一時保育のサービス利用券なども候補にのぼりましたが、もらってうれしいと思うギフトは人それぞれ。妊娠期から産後育児期までの多様なニーズに応えられるようにするため、『こども商品券』の採用を決めました。</p>

        <div class="interviewImg thumbnail">
        <a href="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526073619.jpg" class="cboxElement">

          <img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526073619.jpg" alt="">
        </a>
      </div>



              <p class="content-q">―区民の反響はいかがでしょう。</p>



        <p>期待通り、幅広い商品やサービスと交換できることから好評をえています。交換対象となる商品やサービスはここ数年も増えており、区民からは「予防接種にも使えるようになったのはうれしい」といった声が寄せられています。<br>
<br>
商品券の配布をきっかけに、面接の認知度も高まり、出産した人の数に対する面接を受けた人の数の比率は平成28年度で87%、平成29年度で91%と年々上昇しています。さらに、妊婦面接を機に産後うつ対策など別の支援利用につなげられたケースも出てきています。</p>



          <h4>区民が福祉センターの取り組みを知るきっかけに</h4>

              <p class="content-q">―今後の子育て支援の方針を聞かせてください。</p>



        <p>中野区の各すこやか福祉センターではトータルケア事業として、虐待の未然防止や障害福祉にかんする支援も行っており、妊娠・出産育児期に限らず、困ったときに相談できる身近な窓口となることをめざしています。これから子育てを行う区民と私たちが早期に出会うきっかけづくりとして、今後も『こども商品券』の活用を検討していきたいですね。</p>



















</section>












</section>

子育て支援の認知拡大は利用シーンが豊富で喜ばれる贈呈品を【中野区の取組事例】

 <section id="coverWrap" class="transbox clearfix">


            <p><span class="nfm-label">青森県八戸市            の取り組み</span></p>

<div id="titleBox">

            <h3>「環境都市」のシンボルとして自治体業務で活躍する「オフィス製紙機」【八戸市の取組事例】</h3>


					  <div class="profile-name">
		  八戸市長 小林 眞		  			  		      </div>














</div>

<section id="lead">
<p>高度経済成長期、北東北随一の工業都市として繁栄してきた八戸市(青森県)は、その一方で公害に悩まされた経験もある。その教訓を活かし、現在では先進的な環境施策を積極導入する「環境都市」に生まれ変わっている。そんな同市の先進性を物語るのが、庁内で運用を始めた「オフィス製紙機」の存在だ。導入のねらいなどを市長の小林氏に聞いた。</p>

  									<p class="caution">※下記は自治体通信 Vol.11（2018年2月号）から抜粋し、記事は取材時のものです。</p>
					  </section>


<section class="onebox company company-city">
  <div class="company-data">
    <p class="blue">青森県八戸市データ</p>
      <span>人口： 23万2,606人(平成29年10月31日現在)</span>
        <span>世帯数： 10万8,153世帯(平成29年10 月31日現在)</span>
        <span>予算規模： 1,663 億1,178万6,000円(平成29年度当初)</span>
        <span>面積： 305.54km²</span>
        <span>概要： 太平洋に臨む青森県の南東部に位置し、地形はなだらかな台地に囲まれた平野が太平洋に向かって広がる。臨海部には大規模な工業港、漁港、商業港が整備され、その背後には工業地帯が形成。全国屈指の水産都市であるとともに、北東北随一の工業都市となっている。平成29年1月には中核市へ移行。同年3月からは周辺7町村とともに八戸圏域連携中枢都市圏を形成している。</span>
    </div>
</section>




<section id="content">


        <h4>年間141万枚の文書を処理へ</h4>

              <p class="content-q">―八戸市が「オフィス製紙機」を導入した経緯を教えてください。</p>



        <p>当市は、昭和39年に新産業都市へと指定されて以来、工業都市として発展してきた歴史があります。その間、公害病を発生させた過去もありましたので、その後はとりわけ環境対策に力を入れてきました。市独自の「環境基本計画」を策定するなど、温暖化対策や循環型社会の構築に努めてきました。<br>
<br>
そうした折、平成28年の夏にオフィス製紙機の存在を知りました。環境対策としても機密情報管理の観点でも、さらには地域の子どもたちへの教育効果の面でも、非常に価値のある技術だと評価し、導入を主導しました。</p>




              <p class="content-q">―オフィス製紙機にどのような価値を感じたのでしょう。</p>

        <div class="right thumbnail">
        <a href="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526070638.jpg" class="cboxElement">

          <img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210526/20210526070638.jpg" alt="">
        </a>
      </div>


        <p>いちばんは、環境面での効果です。水を使わずに、オフィス内で再生紙を生産できるとは、じつに画期的で「すごい技術」だと驚きました。最初に実機を見たときは、「中に人が入っているんじゃないか」と思ったくらいです(笑)。<br>
<br>
さらに、機密情報の処理にも効果的ですね。いちど紙を繊維化して新しい紙を生産するので、シュレッダーと違い、万一にも復元される心配がありません。従来は外部の業者にシュレッダー処理を委託して廃棄していましたが、その際の輸送エネルギーも削減できます。</p>




              <p class="content-q">―実際にどれほどの効果を期待していますか。</p>



        <p>一日あたり約6400枚、年間で141万枚の機密文書を処理できると期待しています。当市では昨年度、約935万枚の機密文書を処理しました。このうち15%程度を処理できる計算です。マイナンバー制度の開始で、自治体には情報管理の面でより細かな配慮を求められますから、庁舎外へもち出さずに機密情報を処理できるオフィス製紙機は、時代のニーズに合った技術といえますね。</p>



          <h4>いずれ当たり前の技術へ技術の普及に貢献できれば</h4>

              <p class="content-q">―今後、オフィス製紙機を市政にどう活かしていきますか。</p>



        <p>今回の導入が、環境問題を考える契機になり、職員も含めた市民一人ひとりの意識改革につながることを期待しています。こうした地道な努力の積み重ねこそが、まちづくりの基本だと考えています。また、オフィス製紙機を環境施策のシンボルとして、当市の先進性をアピールしていきたいと思っています。<br>
<br>
このオフィス製紙機は、いずれ当たり前に使われる技術へと成長していく可能性があります。そのとき、少しでも技術の成熟化と普及に役立てたとしたなら、先駆的に導入した当市の取り組みは、とても意味のあるものになるのではと期待しています。</p>















</section>












</section>

「環境都市」のシンボルとして自治体業務で活躍する「オフィス製紙機」【八戸市の取組事例】

 <section id="coverWrap" class="transbox clearfix">


            <p><span class="nfm-label">奈良県奈良市            /東京都新宿区            の取り組み</span></p>

<div id="titleBox">

            <h3>習熟度をAIで分析し児童に合った教育指導につなげる【奈良市、新宿区の取組事例】</h3>

      <div class="profile-name">
奈良市立柳生小学校 校長 坂上 典之<br>
奈良市教育委員会 奈良市教育センター 教育支援課 課長補佐 垣見 弘明
</div>
					  <div class="profile-name">
		   		  			  		      </div>













</div>

<section id="lead">
<p>子どもの学ぶ力を高めるため、一人ひとりの能力に適した指導を行う「個別最適化学習」の実現が求められている。しかし、「習熟度の測定」や「指導への反映」など課題は多い。こうしたなか、奈良市(奈良県)は課題解決に向け、AIを活用したテスト結果の分析や民間教育機関との連携を行う取り組みを実施している。その詳細を、市の担当者と小学校の校長に聞いた。</p>

  						<p class="caution">※下記は自治体通信 テクノロジー特別号（2019年2月号）から抜粋し、記事は取材時のものです。</p>
		  </section>


<section class="onebox company company-city">
  <div class="company-data">
    <p class="blue">奈良県奈良市データ</p>
      <span>人口： 35万7,249人(平成30年12月1日現在)</span>
        <span>世帯数： 16万2,039世帯(平成30年12月1日現在)</span>
        <span>予算規模： 2,352億2,210万円(平成30年度当初)</span>
        <span>面積： 276.94km²</span>
        <span>概要： 和銅3年(西暦710年)に藤原京からこの地に都を遷されて以来、70余年の間、首都として栄えた。江戸時代には奈良奉行が置かれ、産業の奨励により製墨、奈良晒などが発展した。戦後は日本文化のふるさととして多くの観光客を受け入れるようになり、昭和25年には国際文化観光都市を宣言。また、隣接村との合併や、京阪神のベッドタウンとして市西部や北部に近代的な住宅団地が次々と建設されたことで、人口は急激に増加した。</span>
    </div>
</section>

<section class="onebox company company-city">
  <div class="company-data">
    <p class="blue">東京都新宿区データ</p>
        <span>人口： 34万6,858人(平成30年12月1日現在)</span>

        <span>世帯数： 22万306世帯(平成30年12月1日現在)</span>

        <span>予算規模： 2,159億円（平成30年度当初)</span>

        <span>面積： 18.22km²km²</span>

        <span>概要： 東京23区のほぼ中央に位置し、千代田、港、文京、豊島、中野、渋谷の各区にそれぞれ隣接する。江戸時代に定められた五街道のひとつ、甲州街道において、日本橋と高井戸の間に新しい宿場が設けられたことが、「新宿」の地名の起源となった。現在の新宿区は昭和22年に、かつての四谷、牛込、淀橋の3区が統合して成立。このうち西部に位置した淀橋区は、昭和7年ごろから新宿駅周辺に百貨店、映画館、劇場、カフェーなどがひしめく一大繁華街を形成するようになった。</span>
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<section id="content">








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              <p class="content-q">―個別最適化学習に取り組んだ経緯を聞かせてください。</p>



        <p>垣見：児童の学力向上に向けた取り組みをさらに充実させるため、一人ひとりに合った丁寧な指導の実現をめざしていました。そのためには、児童個々の学習傾向を客観的にとらえ、分析できるよう学力にかんする十分なデータをえることが必要だったのです。<br>
<br>
そこで、知識を系統的に積み重ねていく学習である算数において、個別のつまずきや学習内容の特性を読み取れる詳細なデータをえることで、個別最適化学習の実現をめざす『学びなら』という事業を平成28年から始めたのです。</p>




              <p class="content-q">―どのような取り組みですか。</p>



        <p>垣見：まず、児童が受けたテストの答案を教員が採点し、学習用クラウドに送ります。その答案を、現代テスト理論(※)にもとづいてAIを活用して分析し、児童一人ひとりの習熟度や苦手分野に応じた復習教材をクラウド上で作成。教員はこれらの分析結果や復習教材を児童の指導に活用するのです。現在は、算数を対象教科に、このサイクルを単元テストと学期末テストで実施。市立小学校全43校の4～5年生とモデル校6校の6年生で導入しており、このうち柳生小学校については、山間地域のモデル校のひとつとして4～6年生を対象に実施しています。</p>



        <p class="textS">※現代テスト理論： テストの得点を科学的対象としてあつかう学問分野のひとつ。小問ごとの正誤情報を統計的に処理することで、問題の難易度を客観的に設定し、個人の能力特性を可視化できる</p>

              <p class="content-q">―柳生小学校では『学びなら』で提供される復習教材をどのように活用しているのでしょう。</p>



        <p>坂上：教材を家庭にもち帰り、宿題として取り組んでもらっています。最近では、放課後の時間を使い、民間の教育機関と連携して復習を行う実証研究にも参画しています。山間地域にある当校は、児童が通える塾が近くに少ないため、民間教育機関の講師にオンラインで遠隔指導をしてもらうのです。この実証研究は、経済産業省の実証事業「未来の教室」のひとつとして採択されています。<br>
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この実証研究ではまず、学校側が単元テストの結果など児童の学習にかんする情報や復習教材をクラウド上にあげ、民間教育機関と共有します。民間教育機関の講師はこれらをもとに、パソコンの画面を通じて児童を1対1で指導。その後、指導した内容や児童の理解度、つまずきやすいポイントなどを、学校へのフィードバックとしてクラウドで共有するのです。</p>



          <h4>官民一体で児童を育てていく</h4>

              <p class="content-q">―実証研究ではどのような点に意義を感じていますか。</p>



        <p>坂上：民間教育機関の協力がくわわることで、学校や各家庭での学習が補完される点です。官民が児童一人ひとりの学習状況や指導内容を共有することで、個人に対してよりきめ細かな指導を実現できるようになりました。これまで取り組んできた個別最適化学習が一層充実するようになったと実感しています。</p>




              <p class="content-q">―個別最適化学習の実現に向けて今後の展望を聞かせてください。</p>



        <p>坂上：教わったことを暗記するだけでなく、みずから考える力を身につけられる教育を実現したいと考えています。児童の思考力を高めるには、指導する教員や学校が、個々の学習状況や理解度をきちんと把握することがまず大切です。<br>
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その仕組みづくりとして、AIやクラウドなどの先端技術も、必要に応じて積極的に取り込んでいきたいです。<br>
<br>
垣見：民間教育機関との連携では、復習教材だけでなく、AIの活用による分析結果も共有し、民間のノウハウや活力も取り入れながら、より効果的な個別最適化学習を実現させたいですね。</p>

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          <h4>児童の実力に合った復習教材で学習のモチベーションを高められた</h4>






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        <p>学校と民間教育機関が連携して個別最適化学習に取り組む奈良市の事例を紹介した。ここでは、奈良市と同様にクラウドやAIなどを活用して個別最適化学習を実施している新宿区(東京都)の小学校を取材。取り組みの効果や狙いを校長の竹村氏に聞いた。</p>




              <p class="content-q">―個別最適化学習に対する考え方を聞かせてください。</p>



        <p>全員が同じ教材を一律に学ぶのではなく、個々の能力に合った内容を学んで思考力を高めるために、個別最適化学習は重要な取り組みだととらえています。当校では平成30年6月から、民間企業が提供している学習クラウドシステムを導入し、個別最適化学習を始めました。</p>




              <p class="content-q">―個別最適化学習の実施にどのような反応がありましたか。</p>

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        <p>AIを活用した分析を反映して提供される復習教材は苦手分野を克服する内容が多く、児童たちは最初、「難しくて解けない」といっていました。しかし、「解けなかった問題を解けた」という達成感が次第にモチベーションの向上につながり、前向きに取り組む児童が増えてきました。個別最適化学習で「考える力を高める」という期待どおりの効果を実感しています。<br>
<br>
最近では、復習教材の活用を広げるため、民間教育機関の講師が遠隔で個別指導する実証研究にも参画しています。校外での補習効果により、児童からは「理解がより深まった」との声があがっています。</p>




              <p class="content-q">―今後の教育方針を聞かせてください。</p>



        <p>復習教材のためだけでなく、児童の習熟度を詳細に分析したデータを広く活用していきたいですね。児童の苦手な部分について、教員はこれまでも日々の授業を通じて漠然とは把握していましたが、AIの活用による分析で明確に数値化されたデータをえられるようになりました。こうしたデータをいかに指導に反映するか、試行錯誤を重ねていきます。</p>









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              <p class="content-q">―経済産業省が考える将来の教育のあり方を聞かせてください。</p>



        <p>第4次産業革命による、人とAIが共存する社会に向け、今後は課題をみずから設定し、解決する能力を育む教育が求められます。そのためには、学校や塾における教育のあり方を大きく変えていく必要があります。</p>




              <p class="content-q">―具体的にどのように変えていくのでしょう。</p>



        <p>学習効率を高めて教科学習に費やす時間を縮め、学びの効果を上げられれば、プロジェクト型の探究に取り組む時間を拡充できるはずです。学習効率を高めるには、ITと教育を融合した「エドテック」など、新しい手法が求められるでしょう。こうした新たな手法の可能性を探るため、経産省では「未来の教室」という実証事業を展開しています。この事業では、学校と民間教育機関が連携し、遠隔で個別指導を行うという民間企業の実証研究を採択しています。</p>




              <p class="content-q">―採択にあたり、どのような点を評価していますか。</p>



        <p>AIの活用による習熟度の分析にくわえ、公民の垣根を越えて指導を行うという点で、先進的な取り組みだと評価しています。子どもが塾に通いにくい地域でも個別最適化された教育を公平に提供できるよう、取り組みを広めてもらいたいです。<br>
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同社の事業を含め、エドテックの力を教育現場で発揮させるには、学校における1人1台のパソコン環境の早期確立や個人情報を取り扱うルールの見直しなど、課題が多くあります。今後は各省庁とも連携し、新しい学習プログラムを実現できる環境を整備していきたいですね。</p>





















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